俺がモデルになれるわけがない!! 5


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拝啓、お父さん、カレーママへ


一応これは日記的な物なんだが、始まりはこれで行くと決めました

まぁ、そんな些細な事はさておき
今回は俺、高坂京介の日常について書きましょう

最近は、外を出歩いてもクソバ……、もとい婆さん達に襲われる事は滅多に無くなりました
それだけでも十分俺にとっては嬉しいのだが、俺の生活はあれからまだまだ変化し続け、今では殆ど跡形も無くなりました

学校には俺の手紙専用なるロッカーや、弁当保存用の冷蔵庫が先生陣によって作られていたし、麻奈実と一緒に帰っても、多少周り視線が鋭くなっている気がするが問題無くなった
麻奈実は何やら「私、死んじゃうのかなぁ」何て事を呟いていたが、心配のし過ぎだろう。

とにかく、何が書きたいかというと、俺も今の生活に馴れ。日々青春を謳歌しているという事だ



「ふぅ」

俺はここまで書くとペンを多少乱暴に放ってベッドへとダイブした
現在時刻は午前十時半、土曜日だ。ついでに言うと非常に久しぶりの休みだ。

本来なら清清しい気分な筈なのだが、俺はひとっつも清清しい気分になどなれない。
改めて振り返ってみるとどんだけ自分が異常な環境に居たのかが分かるのだが、今はそんな事はどうでもいい

よく考えてみろよ?、俺は今までモテた事があったか?
……いや、無い!、無いんだよ畜生!!!!

でも今は自分で言っちゃなんだが多分モテていると思う
そりゃぁモデルなんて今でも辞めてやりたいけど、それのおかげで俺は今モテ期という奴が来ているんでは無いだろうか?

ラブレター?、貰っている。

告白?、されている。

お弁当?、貰っている。

だがこれらのイベントが起きたのは全部俺がモデルを始めてからだ。
非常に認めたく無いのだが、こうなった以上認めるしかあるまい

俺が今モテているのは俺がモデルをしているおかげだと。

どうする?、モデルは是非とも辞めさせていただきたい。でもこのままモテてもいたい
ここまで考えて俺は一つの結論に辿り着いた




「……今の内に彼女作っちまえばいんじゃね?」

この作戦じゃ俺の理想のハーレムエンドは迎えられんが仕方あるまい。
非常に残念だがな。

とにかく明日から行動だ。

久しぶりに部活に顔を出してみよう、何かしらのイベントが起きるかもしれん。

俺はそこまで考えると明日の英気を養うためにもう一度寝ようとベッドにダイブしたのだった。



  ・・・・




「あ……兄貴が彼女を!?」

だ、駄目!!、兄貴は私を彼女……じゃなくてそんな事になったらモデルの仕事に支障をきたしちゃうじゃん!!

私は壁から体を離して何とかしなければ!、と頭を悩ませた。
………な、何も思いかばないんですけど……。

どうしたらいい!?、早くしないと手遅れになる!!

時間が過ぎ去っていく中、私は最初に思いついた確実なんだがやりたくない、そんな作戦の事を考えていた
これは一人では出来ない、最低でも助けが二人は必要なのだ。

だけどこの情報を出来る限り他の人には言いたくない

兄貴が彼女を欲しがっているなんて知ったら皆絶対に積極的になるに決まってる。

でもこのままだと絶対に兄貴に彼女が出来てしまう、だって最近の兄貴は私から見てもかなりモテる
多分次学校に兄貴が行っても靴箱の中は手紙で一杯だろう(桐乃は京介の手紙専用ロッカーがある事を知らない)

なら私に残される道はどうにかして兄貴に一番遠いっぽそうな奴を選んで兄貴の邪魔をするしかない。
まず兄貴の学校に先回りして靴箱の中の手紙を一掃する

直接行動する奴は変装して兄貴の学校に潜り込んで、偽の兄貴に彼女がいる情報作戦で仕留める。

お弁当はまぁ許してやっても良いだろう、兄貴はチキン&鈍感だから殆ど好意に気付かない、気づいたとしても勘違いが怖くて「俺の事が好きなの?」とは聞けない。渡したりする側も同じく怖くて遠回りな好意表現をしているので自分から告白は無い。
だから遠回りな好意表現をする奴はこの際無視でいいだろう。

まぁ作戦はこんな所だろうか、そして次はメンバー決めだ。
一人はもう決まっている、加奈子だ。

加奈子は一番兄貴の好みから遠いし感情を表すのが下手だ。よって兄貴は加奈子の好意には気付いていないし、多分それはこれからも変わらないだろう。

問題は二人目だ、あやせはどうだろうかと思ったが結果的に却下だ
多分この中で一番兄貴の好みに近いのはあやせだろう、よって却下決定。

ブリジットはどうだろうか、いや、これも却下だ、兄貴の性格的好みが一致し過ぎている。

黒猫?、却下決定、多分この中で好意表現が一番上手いのは黒猫だからだ

よって……、沙織に決定。
沙織も外見がかなり良いが普段はあのメガネのせいで隠れているためセーフ、性格も兄貴は良い奴とは思っているけど友人的好意なのでオーケー

かなりきわどいけれども何とか全てクリア。
という事で今回のメンバーは加奈子と沙織に決定。

この三人で朝から手紙を処分したり、告白する側には偽情報で処分。
これで決定だ。


さて、そうと決まれば早速連絡だ、兄貴の事だ、どうせ「有言実行!、早速明日部活で何かしらのイベント確保だぜ!!」とか言って明日から行動するに決まってる。
うん、我が兄貴ながらアホだな。

そんな事を考えながらまずは加奈子に電話をする

prrrrrrrrr
prrrrrrrrr
prrrrrrrrr

何回かコールするが出る気配がない
ただでさえ時間が無いのに出る気配がないので私はイライラが募っていくばかりだ。

チッ、何してんのよ加奈子の奴!!


私がそんな風に愚痴っていると加奈子が合計15回目のコールでやっと出た

『あーい、もしもしぃ?どったの?。プッ、アハハハ』

出たと思えばこれだ、どうせ昼ドラでも見ているんだろう。そうに違いない。

「もうちょっと早く出ろっつの!」
『えぇ?、だって今加奈子ってばドラマ見てたしさぁ』

まだ笑っていた余韻が残っているのか、息が荒い。どんだけ笑ってたんだ。

向こうはドラマが気になるのか、雰囲気的に早く切りたいのが分かった
だけどこれを聞けばドラマなんて一瞬で頭の中から消え去るだろう。

「折角兄貴に関する情報持ってきてやったのに教えてやんないよ?」

私がそう言うと電話の向こうで何かぶつかる音がした、焦って机に足でもぶつけたんだろう
『いってぇえ!!、きゅ、急にそんな事言うから足ぶつけちまったじゃん!!』
やっぱりね。

ってそんな事より用件を伝えないと

「で?、聞くの?聞かないの?」
『……ど、どうしてもって言うならき、聞いてやっても良いけど?』

はいはい、ツンデレ乙。
まぁこのまま加奈子をいじって楽しむのもいいがそろそろ本題を言うとしよう。

「実は兄貴が彼女を作りたがっているみたいなんだ…」
『え!?、マジで!?、だったら早く行動しないと駄目じゃん!!』

「まだ続きがあんだっつの。兄貴の奴が彼女を作りたがってるのは良いんだけど、どうせ兄貴の事だから明日には行動し始めると思うんだ。言っちゃなんだけど兄貴って今結構モテるでしょ?、だから今積極的になられたら多分ヤバいと思うんだ、だからちょっと協力して兄貴の計画を潰そうって言いたかったの」

私がここまでまくし立てると加奈子は情報を処理仕切れなかったのか、返事まで結構の間が空いた
最初は『あ……う……』とうめき声を上げていたが、やっと頭の中を整理できたのか話し始めた。自信が無いのか小さな声だったが。

『つ………つまり京介…』
「京介?」
『あ………』

加奈子のこの発言から暫く間が空く

へ~、ほ~。

「加奈子ってば家では兄貴の事京介って呼んでんだぁ」
私がニヤけているのが電話越しでも分かったのか慌てて加奈子が言い訳をし始めた

『ち、違くて!、ただ桐乃の前でクソマネって言ったら桐乃はブラコンだから怒ると思ったからだよ!?』

だがそんなに慌ててたら何の説得力も無いのは明らかで、そんな状態でブラコンと言われてもはっきり言って全く気にならなかった
っていうか逆に加奈子をからかえる話題が出来たので愉快なくらいだ。

でも残念ながら今の私にそれだけの時間の余裕は無い
このまま加奈子をからかいたいのは山々なんだが、それはまた今度の機会にした方が良いだろう

私はそう決めると話題を元に戻すために再び話し始めた

「はいはい、分かったから、で? どうなのよ、行くの?行かないの?、兄貴の彼女作りを邪魔しに」
『しょ、しょうがないから行ってやっても良いかな、ふふん、感謝しろよ』

何故威張っているのかは分からないが一人目確保、多分沙織は簡単にOKを出してくれるのでもう決まったも同然だ。

「まぁとにかく、来るんだったら明日の6時に私の家に来てよね」
『お~う』

私はここで電話を切るとすぐさま手馴れた動作で沙織の電話をコールした

prrrr…

『はいもしもしこちら沙織バジーナこと沙織でござる』
…………早っっ!!、僅かワンコール目で出るなんて流石ね

『それで、どうしたのでござるか?、まぁ桐乃氏の事ですから京介氏に関わるのでござろう?』

何でそんな事を知ってんのよ、あんたは。
『ぬふふん、勘でござる』

あ、そう。

「まぁいいわ、それで、用件なんだけど…………」

私が呆れながらも全部話し終えるとまるで話が終わるのを待ってましたと言わんばかりに二つ返事でOKをくれた。
やっぱり沙織も兄貴の事を好きなんだろうか。

『ぬふふふ、当たり前でござろう?。拙者も京介氏の事が大好きでござるよ』

ふっ、ミスったな…………、私とした事が用件が終わって安心して電話を切り忘れるなんて……。
まぁでもこの口調なら好きと言っても友人的な意味だろう、うん。
私がそう思って一人で頷いていると、またもや私が何を思っているのか読んだみたいに沙織が話す

『いいえ、わたくしも京介さんとは恋仲になりたいと思っていますわよ?』

い、何時の間にかメガネを取ってお嬢様口調になっている?
ってそんな事より

「ちょっ、あんた何言っ……」

この先に「てんのよ」と続けようとしたが、それを私が言う事は無かった、何故かって言うと沙織が割り込んできたからだ

『だから………わたくし達は 『ライバル』 です』

一方的に沙織はそう言うと『ではまた明日』と言って電話を切ったのだった


――――ふむ、何故か沙織を誘ったのが失敗に思えてきた

そんな事を考えるが時既に遅し、最早取り返しはつかない。今から沙織に「やっぱ勘違いだったぁ」なんて言ったとしても明日の朝にはちゃっかり居るだろう。
ていうかもしかしたら今回の事も私が連絡する前から知っていたんではないだろうか。そんな気がする。

「うがぁああああ!」

私は何かとやりきれない思いを奇声に変えてベッドへとダイブした
はぁ、兄貴がモデルになってから生活が一層大変になった気がする。……はぁ。

そこで私は寝ようと無理矢理、意識を手放したのだった。


    ・・・・


ふむ、良い朝だなぁ

昨日何時もよりかなり早く寝たおかげか俺は日曜だというのに6時半には起きていた、久しぶりに早く起きて何か得した気分だ。
でもいくら6時半とは言えそんなに悠長にはしていられない、7時半には部活が始まっているからな。別に遅刻しても何のお咎めも無いだろうが俺はそんな無駄は許さない。
ちょっと早めに出て黒猫との早朝出会いイベントを確保だ。だがこのイベント発生にはたまたま出会わなくてはならないという結構難易度の高いミッションをこなさなければならない。俺はそんなに運がよくないので早めに出てわざわざ待ち伏せしようというのだ。

そんな訳で只今時刻は6時45分、俺はくだらない事を考えながらもちゃんと用意していた訳で、もう制服にも着替えたし、食パンもくわえた
準備万端だ。

何で食パンをくわえてるかって?、そんなのは簡単だ、黒猫イベントの前にあわよくば見知らぬ女子高生との衝突イベントをするためだ。転んだ時に「きゃぁっ!。あ、私の朝ご飯がぁ~!!」何て事を言ってくれたら尚良い。
「とにかく!、俺は今日から彼女作りに励む!!」

そんな事を言いながら俺は玄関の扉を勢い良く開いて走り……………出した途端にぶつかった

最早唖然とするしか俺に選択肢は残されていない、これが黒猫とか桐乃なら分かる、黒猫は俺を部活に誘いに来たりするし、桐乃に至っちゃあここは桐乃の家だ、だから納得できる
だが俺が唖然としている原因はここにそのどちらでもない奴が居たからだ、ていうか俺はこいつとそんなに接点が無い、ていうかこいつが何でこんな所に居るかが分からない。こいつはアメリカで走っている筈だろう?

はあぁ、分かってるって、うん。もう黒猫イベントor謎の女子高生と衝突イベントは無しなんだろう?。分かってるって。
俺は今日行われる筈だった数々の恋愛イベントを思って涙目になった。
まぁとにかく、挨拶でもしておこうか。気絶してるけど。

俺は脳内で今日のプログラムを大幅修正しながら倒れている人物に向かって挨拶をしたのだった。

「よぉ、久しぶりだな『リア』」
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