俺がモデルになれるわけがない!! 6


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この突然やってきたアメリカからの来訪者は一体誰に、何の用で来たんだろうか。
俺には嫌な予感しかしないんだが。

「帰ってくんねぇかな」

俺が思わず呟いたその台詞はこのリビングで響く事なく空気に溶けた
時刻は9時、あれから結構な時間が経っているのだがリアは一向に起きる気配が無い
一応ソファから俺のベッドに移した方がいいだろうか

いや、桐乃が帰って来るまで待ってた方が良いな。
もし俺がここでリアを自分のベッドに連れてってみろ?、こうなるに決まってる。

バタンッ!!(桐乃が何時も通り俺の部屋のドアを勝手に開く音)
「ちょ…!?、何でアンタのベッドにリアが寝てんのよ!?、このロリコン!!!」
「待て!、桐乃!!、これは……」
グキャベシッ!!(桐乃が俺の腹を叩く音)

こうなる。確実に。
だから俺は自分のベッドには連れて行かない。連れて行けない。

俺は溢れてくるため息を止める事無く吐き出した

「はぁぁ、本当のお前何しに来たんだよ」
「助けてもらいに……だよキョウスケおにいちゃん」

起きてたのかよ。何でこう寝たまねばっかするのかねぇ、俺の周りの奴らは。

「寝たふりしてたのは今回だけ許してやる、で?、何を助けてほしいんですか?、世界一足の速い小学生さん」
この際だ、ちょっとで早く助けてお帰りしていただくとしよう
そんな風に俺が適当に考えていると、リアは前来た時の様な活発さを見せる事無く話始めた

「……もう、世界一じゃ無くなっちゃったよ、負けちゃったんだよ、だから、キョウスケおにいちゃんをスキになりに来たんだよ」

……ふむ、この神妙な空気なのに悪いがツッコんでも良いだろうか、駄目なのか?
いや、駄目でもツッコむけどな。

「落ち込んでるとこ悪いけど、一つ聞いていいか?」
「なに…?」

ちょっと涙目&上目遣いで見てくるリア
うぐ……、か、可愛い

でも可愛いからこそ言わなければ!

「お、俺を好きになると足が速くなるのか?」
「うん、桐乃もそうだし」

はい即答、即答いただきました。
それにしても改めて思うんだがこいつらは勘違いをし過ぎだな。その理論は桐乃が俺を好きじゃなきゃなりたたん、桐乃は俺を絶対に好きじゃないので確実にありえないのだ。
そんな事を考えて俺は桐乃の最近の行動を思い返した




三日前ぐらいのリビング



リビングで麦茶を飲んで俺は部屋に帰っていた、だが一つの問題点に気づいた。コップ……、浸け忘れたなぁ
家はそういうところが何かと厳しいのでこのまま放置すると非常に面倒な事になる、お袋の野郎が言葉では無く行動でネチネチ攻撃して来るのだ

例えば晩御飯の時に俺のだけ少なかったり、洗濯の時に俺のだけ後回しにして俺の洗濯物が帰って来なかったりと、色々あるのだ。

「しょうがない、非常に面倒くさいが行くしかないな」
俺はそう呟いて居心地の良いマイ・ルームを出るため立ち上がった

部屋から出るとリビングに行く為に階段を下る。丁度階段を半分ぐらい降りた時だっただろうか、その声が聞こえてきたのは
俺が階段を下りているとリビングからやたらでかい声が聞こえてきたのだ

「そ、そそそ、それでは、いただきます!!!」

いわずもがな。桐乃だ。
何故かかなり声が上ずっている、何かあったんだろうか?

俺は多少心配になり階段を早めに降りるとリビングの中を覗いた。
するとそこには何故か頬が真っ赤な桐乃が麦茶を飲んでいる姿があった、ふむ、どうせ部屋でメルルでも見て興奮して真っ赤になったんだろう。

兎にも角にも、今はそんな事はどうでも良い、さっき気付いたんだが俺のコップはどこに行ったんだろうか。っていうか桐乃が使ってるやつが俺の使っていたやつではないのか?
まぁそれならそれでお袋が俺にネチネチ攻撃を仕掛ける事も無くなるし、お袋も洗う分がちょっとでも減るので良いんが、桐乃は良かったんだろうか?
もしかして俺が飲んだやつって知らないのではないだろうか。

今更言ったって手遅れだが……、しょうがねぇ、言ってやるか。

俺はそう結論付けると改めてリビングの扉を開いた、するとどうだろうか、桐乃は慌てて後ろを振り返り、俺の姿を確認すると何故か知らんが焦っているではないか

「あ、あ、あ、あんた、何でっこ、ここに!」

桐乃は今まで以上に真っ赤になり拳に力を入れ始めた
ま、待て、待つんだ桐乃!!、ここは落ち着いて話し合いをしようではないか!!!

俺はそう言おうと口を開いたが、言葉を発する事は無かった

「バ、バカァアアアアァアア!!!!」

この掛け声と共に腹を殴られて気絶したのだから。



――――回想終了





……ふむ、やはり桐乃が俺を好きなんてありえないな。
このコップ事件以外にも数え切れないくらい桐乃が俺を嫌いって事を証明する話はあるが、この話だけでも分かってもらえるだろうから他はいいだろう。

まぁとにかく何が言いたいかっていうと桐乃が俺を好きなのはありえないっていう事だ。

俺はそう確信するともう一度リアにむかって口を開いたのだった

「リア、残念だがそれはありえない、桐乃が俺を好きじゃないんだから」

言った瞬間リアが俺を何か不思議な物を見るように見てきた。ん?、何か変な事を言ってしまっただろうか?
俺が自分の言動を振り返っていると、リアが不意に笑って喋りだした

「アハッ、そっか、キョウスケおにいちゃんって唐変木ってやつなんだね!!」
「ちがうっ!」

どこで覚えてきたんだそんな言葉を。
俺はエロゲの主人公じゃ無いんだぞ、あんなに鈍感でも無ければフラグも立てて無い!、っていうか立てれない!!

そんな風に俺が内心で泣いているとまたリアが話し始める

「とにかくっ!!、私、リア・ハグリィはキョウスケおにいちゃんを好きになりに来たんだよ!、ヨロシクね!!」

そう言い終わるとリアは俺に思い切り抱きついた。オグフッ!。さすがにあの脚力での抱きつきは色々ときつい。でも、しょうがねぇよな。元気がとり得のこいつあんな顔されちゃぁ断れねぇよ。
苦笑いすると俺はリアの頭に手を置いたのだった

ふぅ、今回も色々面倒な事になりそうだ。

ん?、ちょっと待てよ?、流れで忘れてたがまだ大事な事を聞いて無いじゃないか。

リアはどこに泊まるんだ?

はい、これはかなり、いや、無茶苦茶大事ですねぇ

「リア、……お前どこに泊まるんだ?」
「キョウスケおにいちゃんの部屋!!」
「却下」

当たり前だこの野郎。

「キョウスケおにいちゃんのベッド!!」
「却下」

尚更悪いわこの野郎。

まぁ、だけどこの家に泊まるのは仕方無いだろう
桐乃にでも頼めば部屋の問題も解決だ

親父もお袋も事情を話せば嫌とは言えまい。

俺は自分の中で問題を解決すると、リアをどかして立ち上がり、ポケットから携帯を取り出すと親父にコールしたのだった。

「――――――うん、分かってるって、それじゃ」

俺は最後にそう言って電話を切った。隣ではリアがよっぽど暇だったのかウトウトと船を漕いでいた、確か俺が電話をしていたのは十分かそこらだった筈なんだが。
まぁいいか。俺はそう思い込むと座りながら寝ているリアを横に寝かしつけ、毛布を掛けてやった。
リアも何やかんやで疲れたのだろう。

さて、次は桐乃に説明しなきゃな。何て説明したらいいんだ?、朝出かけようとしたら誰かにぶつかってその相手がリアでした、とでも言うのか?。いや、却下だな、もっと簡略化して説明しよう。こんな感じに。
朝チャイムが鳴って出てみたらリアが来てたんだ。
ふむ、これなら問題もないだろう。

そうと決まれば早速連絡だな。面倒事は早めに処理するに限る。
俺はそう決めるともう一度携帯を取り出し今度は桐乃の番号をコールする

prr

『ちょっと兄貴!?、今何処にいんのよ!?』
「いきなりなに!?」

いきなり何を叫んでいるんだ、我が妹よ。

『いいから!!、さっさと答えなさいよ!!!」
「い、家のリビングだが?」
『すぐ行くからそこを動くんじゃないわよ!?、分かった!?』

桐乃はそう叫ぶと一方的に電話をブチる。最早俺の耳には電話からの無機質なプーー、プーー、という音しか聞こえなくなっていた
まずい、この展開は全く予想していなかった。桐乃の勢いに負けて居場所だけ言ってしまったがこの状況で桐乃が帰ってきてみろ?、俺はどうなるか想像もしたくないね。

そんな事を考えながら無機質な機械音が流れる携帯を片手にドバドバと冷や汗をかいていると、ピンポーンという俺の気分とは真逆の軽快な音が響いた

どこから走ってきたのかは知らないが流石陸上部、お早いお着きですね、この野郎。
どこをどう走ったらこんなに早く着けるか一度伝授して頂きたいよ。
でもどんなに早く来ても鍵をかけておいたから大丈夫。リアを隠す時間稼ぎにはなるだろ。

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピピピピンポーン。
「こらぁああ!!、早く開けなさいよこのシスコン!!!」

前言撤回、やっぱり鍵をかけておいても無駄だった、に変更さしてくれ。
だってそうだろ?、こんな短い時間に俺が何かする余裕なんてある筈無いじゃないか。それに精神的にもこのチャイムが鳴っているのに出ないっていう状況は耐えられないんだ、俺は。
とにかく、何が言いたいかというと、この状況では俺は出るしかない、という事だ。


はぁ、と俺は諦めのため息をついて玄関に向かって歩みを進め始める。
さて、どんな言い訳をしようか、いや、っていうか今気付いたんだがこれは言い訳とは言わなくね?、だって俺は本当の事を話してるだけなんだから。

うん!、そうだ、俺はただ本当の事を話せばいいだけじゃん!!


そう意気込んで俺は玄関の鍵を勢い良く開錠したのだった




   ・・・・




「あんた……、エロゲで頭バグっちゃったわけ?」
「そうですぞ京介氏、ゲームは一日24時間まででござる」
「そ、そ、そんなに年下がいいなら……、か、かか、加奈子……」


現在時刻は10時、俺はリビングで正座中、リアは相変わらず爆睡中。こいつは本当に悩んでいるのだろうか、何故だか寝顔が可愛いんだが可愛くないぞ。
そして今さっき喋ったのは桐乃→沙織→加奈子、って感じだ。

言葉からして分かると思うが俺は今現在怒られている真っ最中だ。

え、いや、ちゃんと言ったよ?、ありのままを。だけど俺が甘かったんだ、こいつらがそんな事で何もしなくなるなら今までの俺がとっくにやってるんだよ。
こいつらの言い分ったらそりゃ無かったぜ?

俺が「チャイムが鳴ったから出たらリアがいたんだ」って言ったらこいつらはこんな事を言ってきやがった

「へぇ~、あんたは突然やってきた少女を寝かしつけてウハウハしてたって訳ね」
「むふぅ、京介氏、さすがにそれは犯罪でござるぞ?」
「か、かか、加奈子でウハウハ」

「ち、ちが……」

それに対して俺が言い訳をしようとするとすぐさま桐乃が俺の事をギロリと睨み精神攻撃を仕掛けて来る

「喋んな、このロリコン」
「すみません……」

それはもう、凄い冷たい目でしたよ、氷より冷たかったね。視線に温度があるなら言葉通り本当に氷付けになっているに違いない。

「で?……リアをどうするつもりなの?」
「そこはリア『を』じゃない、リア『は』だ。まぁそれは見逃すとして、リアは今日からホームステイだそうだ。」

俺がそう言うと皆さん一斉に誰一人漏れる事なく固まった
まぁ理由も聞かずにこれだけ聞いたらビックリするのも仕方が無いだろう

だがリアが負けて俺を好きになったら足が速くなると思ってやって来た、なんて言ってみろ?、確実に俺がそう吹き込んだって皆が言い出すに決まってる。確実に。
という事で

「理由はリアの許可を取ってからないと皆に話せないんだ、悪いがリアが起きるまで待っててくれるか?」

ひとまずこう言っておいて後で適当にリアと相談して理由を決めよう
そんな事を考えていると皆も渋々納得したのだろう、皆桐乃を先頭に「し、仕方ないな」みたいな顔をしている。

さて、俺はこの隙に適当な理由を考えるとしよう

まぁ一番妥当な案としてはこれだな『強化合宿に来たんだぁ、たまには自由な環境で自由に走った方が良いんだってぇ』というでっち上げ理由だ。
これが一番リアっぽいし多分行けるだろう。
でもリアが気に入らなかったら台無しなので後何個か考えたほうが良いだろう

うむ、第二候補としてはこんなのとかはどうだろうか?、『桐乃ん所に遊びに来たんだぁ!、たまには休まないとって事でね!!』。
かなり良い感じなのではないだろうか
このどっちかならリアも別に文句は無いだろう

俺がそう考えて一人でうんうんと頷いていると、リアが「う……ん、ん」と唸りを上げた。
その瞬間に俺を含めて皆がリアの方へと集中した、当たり前だ、この作戦を成功させるにはまず最初にリアがいらん事を喋らない様にするために相談して理由を二人で考えるのが必須条件なんだから。
他の連中もどうせ俺が良い訳を出来ない様に我先にと質問をする為だろう。

だからこの勝負はリアが起きたところを誰が一番最初に確保できるか、という勝負なのだ。


誰も喋らないこのリビングという空間でリアの寝言がやけに大きく響く
皆が何時リアが起きても飛び付ける様体制を整えていると、リアはまたもや寝言を呟いた


「う…きゅ、きょ、キョウスケおに……ちゃ。ちょー…す…き」

そう、そんな言葉の爆弾をリアは投下して俺を吹き飛ばしたのだ。ちなみにこの爆弾の攻撃は俺にしか効果が無い。
そして第二波、それは投下本人では無く、俺の周りの人間が急に俺に対する闘志をたぎらせるという効果がある

ほらな?、桐乃の奴が最早拳を硬く握り締めているだろ?

その後、俺は三人分の攻撃を受け宙を舞った。




「――――――ちゃん!!、……キョウ……いちゃん!!」
「う…………ん?」

現在時刻は…何時なんだろうな?、まぁとにかく俺はなにやらうるさい声に起こされかけている。嫌だ、まだ俺は寝ていたい。
俺はそんな意思を言葉で表さず声と反対方向に体を向ける事によって表した

「むぅ~、キョウスケおにいちゃんがそんな態度なら勝手にキョウスケおにいちゃんのエロ本を漁っちゃうよ?」
「何故に!?」

思わず跳ね上がる俺。こいつ、なんて恐ろしい事を提案しやがるんだ。
そんな俺の気をひとっつも分かっていないのか、当の起こした本人、リアはニコニコと無邪気に笑っている

「キョウスケおにいちゃん!!、そろそろお昼ごはんが食べたいな!!」

リアがそう言ってから時計を見てみると、成る程、確かにお昼時だな。十二時半、まぁ一般的にはこのくらいの時間に食べている人が多いのではないだろうか?
俺がそんなくだらない事を考えているとリアが俺の服の裾を掴んできた、何だ?。

「キョウスケおにいちゃん!、作って?」


グパアアァァ!!!(何かが俺の中で破裂した音)

そんな状況で俺がキッチンに爆走したのを誰が攻めれるのだろうか、答えは否!、断じて否である!。
その後、俺が落ち着いてきた頃にやっと分かったんだが、桐乃達は俺が気絶している間にリアによって説得されていた様だ。こんな事ならもうちょっと昼飯を豪華にしてやれば良かったな、まぁこれから暫く一緒に住む訳だから作ってやれる機会はあるだろ。

俺はそう考えて昼飯の鳥唐揚の蒸しスパゲッティを頬張ったのだった。
うん、うまい。
ツールボックス

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