275 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 20:04:28.88 ID:0Bm0WEko [2/6]
黒猫「あのあやせとかいう子と随分仲がいいのね、先輩?」
俺と黒猫と二人で下校していると、黒猫がいきなりこう切り出した。
京介「気のせいだ。俺はあいつと話す時は常に命の危険を感じながら話してるからな」
黒猫「ごまかさなくていいわ。あの時の先輩の顔ったら見れたものではなかったから」
京介「どんな顔だよ…」
黒猫「そもそも、あんな子とどうやって知り合ったの?」
あんな子という発言に「俺には不釣り合い」という意味が透けて見えるようで悲しい。
いや、実際そうなんだけどさ。
京介「以前あやせが家に遊びに来てさ。そのときにちょっとな」
黒猫「そう…そういえばあの子の友達と言っていたわね」
京介「あぁ。でも俺ってあいつにめちゃくちゃ嫌われてるからなぁ…仲良く見えたのもほんとに気のせいだと思うぜ?」
黒猫「またセクハラでもやらかしたの?」
京介「誰がするか!それに、またって何だ!俺は一度もしてないよ!!」
……あれはセクハラじゃないし問題ないよね。
桐乃との仲をとりもつためには仕方なかったんだ…もっと上手いやり方はあっただろうけどさ。
276 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 20:05:55.26 ID:0Bm0WEko [3/6]
黒猫「ほんとうかしら…以前も『フヒヒwww作画資料をていきょ…』」
京介「だからそれもお前の勘違いだ!」
黒猫「…それは置いておくとして、あの子と先輩とじゃ釣り合わないと思うわ」
京介「自分でもわかってるよ……」
だからってそんなはっきりと言わなくていいんじゃないかな、黒猫さん。
オブラートって言葉しってる?
黒猫「先輩には…わ、私みたいな……」
京介「えっ?」
え?それって…ま、まさか。
あやせ「あ!お兄さーん!!」
京介「うおおおおおおう!?」
あやせ「ひぃっ!?いきなり大声出さないで下さい!」
桐乃「……キモッ」
こんなタイミングで声かけてくるからだ!
どんなタイミングだと聞かれるのがわかっているので声には出さないけどさ。
京介「お、おう。お前らか。今日は二人一緒なんだな」
あやせ「はい、今日は桐乃も早く終わりましたから」
桐乃「で、あんたはなんでその黒いのと帰ってんの?」
京介「なんでって、普通に部活帰りだよ。方向が同じなんだから一緒でもいいだろうが」
桐乃「…ふん」
277 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 20:07:21.37 ID:0Bm0WEko [4/6]
あやせ「五更さん、こんにちは」
黒猫「…こんにちは」
お、今日はちゃんと返事できたじゃないか。
桐乃「あれっ?なんであやせが黒いののこと知ってるの?」
あやせ「えっとね、このあいだ偶然会った時にお兄さんに紹介してもらったの」
桐乃「へ~。って、まさか…もやもやの原因って…」
あやせ「う、うん。実はそうなの」
京介「もやもや?」
あやせ「な、なんでもないです、お兄さん!」
京介「?……まぁいいや。せっかくだし、今日は4人で帰るか」
桐乃「えっ?」
京介「あれ?だめか?」
桐乃「」フルフル
あやせ「私もいいですよ」
京介「黒猫もそれでいいか」
黒猫「………かまわないわ」
フヒヒ、なんというハーレム状態………
はっ!?い、いかんいかん。これじゃあほんとの変態みたいじゃないか…。
ふぅ……俺よ、ちょっと落ち着くんだ。
278 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 20:09:02.65 ID:0Bm0WEko [5/6]
俺が目を閉じて精神集中していると、不意に右手を絡めとられる。
あやせ「お兄さん!今度の日曜暇ですか?」
京介「えっ?」
目を開くとそこにはなんと、あやせが俺の右腕に抱き着いてきていた。
あまりのことに、俺が面をくらっていると今度は左腕を絡めとられる。
桐乃「残念でした!その日はあたしと出掛けることになってるんだから」
京介「えっ?えっ?お前ら、これはいったい…」
えっ…なにこれ、ドッキリ?
カメラはどこだよ。
桐乃「」クルリ
黒猫「?」
桐乃「」ニヤリ
黒猫「!!」
黒猫「……」イライラ
黒猫「」タッタッタッ
ズシッ
京介「うおっ、今度はなんだ!?」
突然背中に衝撃を感じ、首だけで振り返ってみると、黒猫が俺の背中にしがみついていた。
お前はどこの子泣きじじいだ。
ちょうどおんぶみたいな形になっているのだが、両腕が拘束されて使えない分、首がしまってヤバイ。
それに加えて、背中に感じる柔らかい感触的な意味でもヤバイ。
279 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 20:10:06.61 ID:0Bm0WEko [6/6]
そ、そうか…そういうことか。
まず二人が俺の動きを封じ、黒猫がとどめをさす作戦ってわけだ……
こいつらが連携するほどの事態って………俺ってそんなに嫌われてたの?
桐乃「ちょ、ちょっと!?そこを降りなさい!そこはあたししか乗ったことなかったのに!!」
桐乃がなにやら叫んでいるようだが、もはや俺には聞こえない。
黒猫「」ニヤリ
桐乃「!!」
あやせ「こ、こんな場所で何してるんですか!この変態!!」
パァン
うぐっ………なんで……俺は殴られたんだ……
桐乃「さっさと降りろっての!」
あやせ「そうです!次は私ですよ!!」
桐乃「あやせまで何言ってんの!?」
京介「お前ら…ケンカばっかりしてないでたまには仲良くしろよ……」
桐乃・あやせ・黒猫「「「あんたのせいでしょうが!」」」
京介「……?」
おわり
最終更新:2011年01月20日 23:39