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***SS11 こんにちは、平沢唯です。 私たちは今、ムギちゃん主催・りっちゃんお誕生日おめでとうパーティ@軽音部の真っ最中。 そう、今日は・・・りっちゃんの誕生日! もちろんこの日の為にちゃんとプレゼントも用意して・・・ 澪「おめでとう律。これは、その・・・つまらないものだけど」 律「ありがと澪ー♪おっ、これはいいエプロンだな」 澪「一応手作りだからな」 律「なにー!?そ、そんなのもったいなくて使えないよ」 澪「できれば使ってほしい・・・」 あれ? 紬「おめでとう、りっちゃん。私からはこれよ」 律「へへ、ありがとムギ。これは・・・私のキーホルダーと同じやつのぬいぐるみ?」 澪「私が持ってるのと同じやつだ・・・いや待て、細部が違うぞ」 紬「実は私も手作りなの」 律「これを一から作ったのか・・・?」 澪「負けた・・・」 あれあれ? 梓「おめでとうございます。これどうぞ」 律「なんか淡白だな梓・・・まあありがとう。これはスティック?」 梓「はい。その・・・一応私も手作りです」 律「!?お前、ギタリストが木彫りなんてやったのか!」 梓「はい。これくらいなんてことないです」 律「なんてことないなんてことはないだろ・・・その、ありがとな」 梓「お礼はいいですから、もっと練習しましょうね」 律「げ・・・」 みんな、手作り? そんな、だって私のプレゼントは・・・ 律「・・・い。唯?」 唯「ひゃい!」 紬「どうしたの?あとは唯ちゃんだけよ」 梓「早く渡してあげて下さい」 唯「そ、その・・・」 澪「どうかしたのか?」 ダメ、やっぱりこんなの渡せないよ。 一人だけこんなの渡したら、きっと幻滅されちゃう。 唯「ごめんなさい、プレゼント家に忘れてきちゃった!」 澪「おいおい、しっかりしろよ」 律「でもそれでこそ唯だな!」 唯「えへへ、すいやせん・・・」 顔では笑っていても、今にも泣き出したい気持ちでいっぱいだった。 バカバカ、私のバカ。どうしてもっといいものを選ばなかった。 どうして選ぶときにみんなは何にするのかと聞かなかった。どうして― 唯「・・・ごめん、今日何だか体調よくないみたいだから帰るね」 律「え?」 憂「おめでとうりっちゃん。プレゼントは明日渡すから」 律「う、うん・・・」 唯「それと・・・ごめんなさい」 え、という声が聞こえたけど、駆けだして振り返らずそのまま部室を後にする。 間一髪、涙が零れる前に部室から出ることができた。 そのまま階段を下りて、昇降口へ。 ここまできたら、もう泣いてもいいよね? 唯「ひっ、グス・・・ごべんね、りっ、ちゃん・・・」 私が、こんな安物なんて選んだから。 全部私のせい。パーティもぶち壊し。せっかくのお誕生日なのに。 今日はもう帰って寝てしまいたい。だけど。 でも、せめてプレゼントだけは。 唯「明日渡すプレゼントだけは買っておかなきゃ・・・」 唯「やっぱりこんなのじゃ、駄目だよ・・・」 だって、せっかくのお誕生日なんだから。 校庭を外へと歩きながら思う。 唯「でも、これはどうしよう?」 私がりっちゃんに似合うと思って買った“それ”は、いかにも安物といった感じで。 今にして思うと、何でこんなものをプレゼントにしようと思ったのかわからないもので。 りっちゃんよりも今の惨めな私にこそお似合いな気がした。 唯「よい、しょっと」 髪止めを外して“それ”を装着する。 りっちゃんと同じ髪型、というだけで少し浮かれてしまうけど。 そのりっちゃんの誕生日をぶち壊しにしたのは他ならぬこの私なわけで。 唯「・・・プレゼント、買いにいこ」 これ以上惨めな気持ちになる前に髪を戻して買い物に行こう、そう思った矢先。 律「唯!よかった、追いついた!」 唯「りっちゃん!?なんで!」 律「ごめんなさい、なんて言うから何事かと思って追いかけてきたんだ」 唯「でも、主役がいなくちゃパーティは・・・」 律「唯のいないパーティなんて何の意味もないよ」 ちょっと顔を赤くしながら言うりっちゃんが可愛い。 律「それより唯に聞きたいことが色々あるんだが」 唯「う・・・」 律「ごめんなさいの意味、と言いたいとこだけど・・・」 律「まずはその頭について」 唯「えーっと・・・」 律「ひょっとして・・・それプレゼントだったりする?」 唯「・・・・・うん」 観念するしかなかった。 唯「みんな手作りなのに私だけ安物のカチューシャ1つとか情けなくなって・・・」 律「馬鹿だな唯は、そんなの貰う側次第だろ」 唯「どういうこと?」 律「こういうこと」 突然りっちゃんに抱きしめられた。 なんだかあったかくて、すごく優しい。 なんだろう、この気持ちは。 律「私は一番唯に誕生日を祝って欲しかったってこと」 唯「りっちゃん・・・」 律「主役がいなくちゃパーティは、だろ?」 律「私にとっての主役は唯だったんだよ」 そうだったんだ・・・。 それってりっちゃんが私を特別だと思ってくれてるってことなのかな? 私にとっても、りっちゃんは特別なのかな・・・? だから。 唯「・・・ねえりっちゃん」 律「何?」 唯「これから二人だけでお祝いしない?」 律「よしきた!」 これから二人でそれを確かめていこう。 私、りっちゃんが大好きだから。 唯「あ、そうだ」 唯「改めてお誕生日おめでとう、りっちゃん」 そう言ってカチューシャを手渡した私に。 律「ありがとう」 極上の笑顔で答えてくれた。

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