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SS28唯「りっちゃん、どうしたの? 眉間にしわ寄せて」」(2011/02/02 (水) 16:59:19) の最新版変更点

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***SS28 唯「りっちゃん、どうしたの? 眉間にしわ寄せて」 律「ん……なんでもないよ」 唯「あ! そういえばもうすぐ」 律 ピクッ 唯「クリスマスまでちょうどあと一カ月になるね!」 律「(…唯がおバカさんでよかった……)」 唯「くーりすーますー♪ えへへ、プレゼント楽しみだなあ」 律「え?」 唯「憂、なにくれるんだろー?」 律「(ちょおおい!! 私に言ったんじゃないのかよ! つーか、クリスマスより先に、大事なイベント忘れてませんかあ!?)」 唯「りっちゃん、さっきからどうしたの、頭抱えて」 律「おっ、」 唯「お?」 律「お前のせいだあああ!!」 唯「ふええええっ!?」 律「はぁ……はぁっ…」 唯「り、りっちゃん!?」 律「悩んでんだよ……」 唯「え?」 律「ぷ・れ・ぜ・ん・とっ!!」 唯「……クリスマスはまだまだ先だよ? そんな悩まなくても……」 律「ちーがーうっ!!」 唯「えー、もーなあに?」 律「もう、唯なんて知らんっ!」 唯「ええ~」 律「……帰って、一人で考える」クルッ 唯「まーって、まってよう」ガシッ 律「またないっ!」 唯「やだあ……」ギュッ 律「ゆ、ゆい!?」 唯「りっちゃんの悩みは私の悩みでもあるんだよ。だから、一人で悩んじゃやだっ」 律「唯……」ギュッ 唯「ね? 私じゃ頼りないかもしれないけど、少しだけでも、話してみてよ」 律「い、いや、でも」 唯「話してくれなきゃ、帰さないもん」 律「(なんかよくわかんない展開に……でも)」 唯 ギュウッ 律「(ここまでさせて、言わないってのはな……むしろ、何が欲しいのか、本人にダイレクトに聞く方がいいのかも)」 唯「りっちゃん、あったかい」 律「お前の方が、あったかいよ、って唯」 唯「うん?」 律「話、聞きたいんじゃなかったのか?」 唯「うーん……なんか、どうでもよくなっちゃった」 律「そおおおおいっ!!」 唯「だから、やっぱいいよ、りっちゃん。でも、もう少しこのままでもいい?」 律「いや、いいけど、ってまて」 唯「あはっ、今度は、私がまつ番なんだね」 律「んな、ほのぼのと会話している場合じゃねーだろ!?」 唯「でも、りっちゃんとまったりしているの、好きだよ」 律「……そ、そっか」 唯「うん、ふふふ」 律「へへへっ」 唯「まったりターイムっ♪」 律「まったり……ちょ、まてよ!」 唯「りっちゃん、キムタクみたーい」キャッキャッ 律「……悪いけど、スルーするぞ。てか、唯!」 唯「うーん?」 律「は、話聞きたくないって、どういうことだ!?」 唯「聞きたくないんじゃないよ、どうでもよくなっちゃった、っていったんだよ」 律「なおさら悪いわい! あーもう、スイッチ入った」 唯「りっちゃん号、前進っ!」 律「ウィー、ガシャッ。て、違うっ!」 唯「あん、もお~」 律「こうなりゃ、意地でもお前に話したくなったわっ!」 唯「りっちゃん、結構意地っ張りだからね~。いいよお」 律「どっちがだ……ったく」 唯「で、なあに?」 律「ふう、やっとか……実は、さっきもいったように、プレゼントを何にするかで悩んでんだよ」 唯「だから、クリスマスはまだ」 律「違うっつーの! それよりも、もっと大事なイベントだよ!」 唯「えー……わかんないよ~」 律「唯に関わることだぞ」 唯「うーん、あ、そういえば、昨日包丁でちょこっと切っちゃったんだよ」 律「え!? 早く言えよ、どこだ?」 唯「人差し指の背の部分を、ちょろっと」ヒラッ 律「ばか、絆創膏くらいしとけ。おかげで、部活のとき気付けなかっただろ」 唯「いろいろ、料理の練習してたら、こうなって」 律「私を呼べよ。そうしたら、けがなんてさせなかったのに」 唯「そうしたら意味無いんだよ」 律「……は?」 唯「いいの、一人でがんばるって、きめたの」 律「っとに……」パクッ、ペロッ 唯「うひゃっ、りっちゃん!?」 律「止血だよ。まあ、もう止まっているみたいだけど」 唯「りっちゃんって、舌もあったかいね」 律「おーそうだろ。ま、唯もな……って(私、今何した!?)」 唯「どうしたの? 顔まっか」 律「なななななんでもないっ!」 唯「変なりっちゃん」 律「お、お前に言われたくないわっ」 唯「挙動不審なのはりっちゃんでしょ、急に頭抱えたり」 律「……あっ、そうだっ。唯、さっきの分かったか? 何のイベントか」 唯「うーん、わかりませんっ!」 律「あほっ!!」ペシッ 唯「ええ~、いたーいっ」 律「どこまでお前は鈍いんだっ!」 唯「鈍いのはりっちゃんだよ~」 律「はぁ? 私のどこが…」 唯「イベントとか、別に、私はそんな気にしないもん」 律「ちょ、おい」 唯「イベントじゃなくても、こうしているだけで、ほくほくするからねっ」 律「……え?」 唯「りっちゃんといれば、毎日が記念日だも―ん! なんちゃって。……だから、そんな私の気持ちに気付かないりっちゃんは、にぶちんさんなの」 律「……」ペシッ 唯「え? またぶたれた~」 律「う、うるさい」 唯「りっちゃん?」 律「……なんか、イベントイベント、って悩んでた私が、ばかみたいだ」 唯「結局、なんだったの?」 律「……11月27日」 唯「ふえっ?」 律「唯の誕生日っ!」 唯「え……ああ~っ!」 律「ようやくかよ! だから、何あげようか、いっそお前に聞いてっ」 唯「え、決まってるでしょ?」 律「……へ?」 唯「だからー、ぷれぜんと」 律「え、いやっ」 唯「ええ、だから、料理の練習してたのに」 律「ごめん、唯……どういう」 唯「りっちゃんが言ったんだよ、去年の誕生日のときに、ちょうど、みんなでうちんちでパーティしてて」 律「……えーと?」 唯「みんなが寝静まったときに、私とりっちゃんだけ起きてて」 律「(あ、覚えているような)」 唯「私が今日楽しかった、ありがとっていったら、りっちゃんが、今から来年のパーティ予約していい? って」 律「(うあ、唯、やめろやめろ)」 唯「私が、もちろん、やったー! って喜んだら、りっちゃんが、違う、来年は、二人きりのパーティってことで、予約したいんだけど、って」 律「(い、いいました!)」 唯「で、うん、かしこまりました、プレゼント期待してるね、っていったら」 律「(……こっから先は、なんていったんだっけ)」 唯「前日の夜に唯の家に行って、日付が変わるまで、唯が十八才になるときまでずっと、抱きしめててあげるって」 律「うっ、わあああああっ!!」 唯「だから、そのあとのパーティ料理をりっちゃんに作ってあげようと思って、練習してたんだよ?」 律「(いった。確かに、いった。でも)」 唯「りっちゃん、忘れてたの?」 律「(冗談交じりで……っていうか、唯も、照れながら笑ってたから、冗談っていう風にとったと思ったのに)」 唯「もう、少しぷんぷんだよ?」 律「(半分、本気だった。何より、唯は、それを楽しみにしててくれたんだよな)」 唯「……りっちゃん?」 律「(なんだ、じゃあ、決まりじゃん。最初から悩むことなんてなかったんだ。私も唯も、それが、一番、嬉しいんだから)」 唯「……やっぱり、無理だったら、いいよ?」 律「だめだ。もう、予約してあるだろ?」 唯「……りっちゃん」 律「前日の夜に、唯の家にいくから」 唯「うん。じゃあ、改めてっ」 律「ん?」 唯「りっちゃん、その日、ずっと私と一緒にいて。そのプレゼントがいい」 律「……26、27日だけでいいの?」 唯「ふえ?」 律「……いや、続きは、誕生日にな」ギュッ 唯「うんっ」ギュッ 私も、唯といれば、いつだって、特別な日なんだよ。 なーんて、な。 おわり

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