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***SS52 ***ギー太の恋 「どうだ唯!カッコイイだろ?梓も見てみろよ」 どういう風の吹きまわしか『チマチマ』したことが苦手な律先輩がギターを部室に持ってきた。 先日行われたフリーバザーで購入したらしい。 全体的に傷みが進んでるし、塗装なんて素人が自分好みに塗り直したのかムラだらけ。とどめにアンプにつないでも音が出ないらしい。 かわいそうだな…せっかく良いギターなのに。 「黄色がかわいいねりっちゃん!」 「確かに年代物の風格はありますが、律先輩ギター弾けないですよね。コレどうするんですか?」 「唯のスペアにでもなんでもなるだろ。いや~1000円にしては良い買い物だったぜ」 「え!?安すぎますよ…新品なら15万円とか20万円しますよ?」 状態が良くなくても1000円なんてことはありえない。よっぽど楽器の知識が無い人だったのかな? 「そんなに高いのか?ただ色が好きで安かったから買ったんだけど」 「りっちゃん!何か弾いてみて?」 「私が弾けるわけないだろ?唯か梓が弾けよ」 と言うわけで、なぜか律先輩のギターを私が弾いてみることになってしまった。 チューニングを合わせてからアンプにつないで音を出してみる。 ………… ペチペチと小さな生音がするだけで、アンプの方からは何も聞こえてこない。 「やっぱり音が出ないですね。唯先輩どうぞ」 音が出ないものは仕方ないので唯先輩にギターをわたす。 「やっぱりおっちゃんの言う通り壊れてるか。まぁ、1000円だから別に良いけどな。話のタネにはなったし」 「直すとなると確実にその十倍以上のお金が要りますからね…!?」 「おおっ!すごい音だよりっちゃん」 律先輩と修理するかどうかを話していると、耳を塞ぎたくなるような大きな音がした。 私の時は音がしなかったのに、唯先輩が弾いたら鳴るなんて。 「なんだよ。しっかり音出てんじゃん。儲けもんだな」 「凄いよ。この子りっちゃんみたいに元気いっぱいだよ」 何か納得できない私を置いて、律先輩と唯先輩はギターに名前をつけるとか言って盛り上がりはじめた。 「ほんとに”きーちゃん”貰っていいの?りっちゃんが買ったのに…」 「良いよ。元々唯にプレゼントするつもりだったし、ギー太ばっかり大事にして”きーちゃん”を怒らすなよ?」 どうやらギターの名前は”きーちゃん”に決まったらしい。おそらく、理由はボディの色が黄色だからで間違いないと思う。 「大丈夫だよ。ギー太、今夜からお友達と一緒だね?あれれ、ギー太が照れてるよ」 「なるほど、きーちゃんは私に似て美少女なんだな。良かったなギー太!彼女ができたぞ」 「おとうさん、きーちゃんを僕にください!」 「お前に娘はやら~ん!」 ギー太ときーちゃんで顔を隠しながら、唯先輩と律先輩が変な遊びをしている。 それにしても、私の時だけ音が出なくて唯先輩だと元気いっぱいって…ギターも持ち主に似るのかな? end

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