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SS12りっちゃんが風邪を引いたというので

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yuiritsu

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SS12


りっちゃんが風邪を引いたというので、お見舞いに来ました。りっちゃん喜んでくれるかな?

唯「りっちゃん!お見舞いに来たよ~」

澪「し~。今寝かしつけたとこだから。まだ熱あるみたいだし」

そう言う澪ちゃんはりっちゃんの頭を愛でるように撫でている。何でここに?いやいや。いつも通りの光景じゃないか。

でも何だろう?その光景を見ていると胸の奥がチクチク、痛い。こんなの初めてだ。嫌だ!って気持ちと、それに対して何で?というのがせめぎあっている。よく分からない気持ちだ。

澪「唯、どうかしたか?顔色が悪いぞ?」

唯「う、ううん。なんでもないよ。りっちゃん寝たばっかりなんだから、起こしちゃ悪いよね。澪ちゃん、じゃあまた明日ね。バイバイ」

澪「お、おう。じゃあまた明日な」

う、うん。と相打ちを打つと私は逃げるように家に帰った。まただ。胸の奥が痛い。

翌日。

まだりっちゃんは休んでいる。お見舞いに行かない?って皆を誘ってみたけれど、都合が悪いみたい。
りっちゃんには悪いけど、お見舞いに1人で行けるのが嬉しい。何でか分からないけど、気分もぽわぽわしてしまう。

唯「りっちゃーん。お見舞いに来た~」

律「おうー唯。元気かー?」

唯「元気だよ。どうしたのりっちゃん。病人さんが人の心配なんかして」

律「いやな、昨日澪が唯が来たんだけど元気がなさそうだった。って言ってたからさ」

自分も病気で辛いのに。私の心配を・・・・・。嬉しい。とっても嬉しい。昨日の胸のチクチクが嘘のように晴れていく。

唯「昨日はちょっと疲れててさ。心配掛けてごめんね」

律「いやいや。そんな状態で来てくれただけでも嬉しいよ」

りっちゃん。りっちゃんと話してると胸が温かくなってくる。

唯「あっそういえば、おにぎり作って来たんだった。りっちゃんおにぎり好き?」

律「おう!大好きだ。ご飯は大好物だぜ。って唯、おまえ料理作れたのか?」

唯「失敬な。自慢じゃないけどおにぎりは作れるのだ!」

律「ホントに自慢じゃないな。じゃあ、いただきまーす。」

やった!食べてもらえた。

唯「どうどう?おいしい?」

律「・・・・・・・。」

唯「どっどうしたの?もしかして・・・・」

律「いっ。いや、あまりのウマさに感動して言葉がって奴だよ」

唯「ホントー!?嬉しいな。褒めてもらえるのは」

りっちゃんとは色々お話をしてバイバイした。おにぎりを3つほど作って来たのだけれど、不恰好だったかもしれないが本当に全部美味しそうに食べてくれた。作ったかいがあるってものだ!

家に帰ると憂がご飯を作っている最中だった。憂ぃ~今日のご飯は何ー?と聞きにキッチンのほうに行くと、おにぎりを作っていた。

憂「もうちょっと待っててね、お姉ちゃん。お塩入れて握るだけだから」

唯「何してるの憂?それお砂糖じゃん!お砂糖入れても美味しくないよ?」

憂「何言ってるのお姉ちゃん。そっちの瓶のがお砂糖だよ。書いてあるでしょ?」

ほらっ。と渡された瓶には確かに、「お塩」と書かれていた。
え・・・。もしかして私、お砂糖とお塩・・・・入れ間違えた?

翌日。

りっちゃんの風邪は治ったみたいで、元気に学校に来ていた。
うー。昨日のこと謝りたいけど申し訳なさ過ぎて、顔を合わせられないよ。

放課後。

私とりっちゃんは日直だったようで、プリントを回収後、職員室に持ってこいとのことだった。結構な量があったので、2人半分こで運んだ。

音楽室に続く階段。

昨日のことを聞いてみることにした。どうせ聞かなきゃダメだし・・・・。

唯「昨日私・・・、おにぎり持って来たでしょ?あれ本当はどうだったの?」

律「え?普通に美味かったよ?」

唯「嘘!私思い出したの。お塩とお砂糖入れ間違えたのを。そんなのがおいしい訳ないy・・・

突然でビックリした。りっちゃんが私の唇に人差し指を重ねて来たのだ。

律「唯。悲しいこと言うなよ。確かにあのおにぎりは甘かった。でもな、唯。おまえが作ったものだから美味しかったんだよ。」

律「そっ。。。それにさ、おまえが作ったものしかあのときは食いたくないくなかったしよ/////」

り、りっちゃん。大好きっっ!!
そういうと、そのままりっちゃんの胸に飛び込んだ。
りっちゃんあったかい。
りっちゃんと居ると安心する。

おう。私も唯が大好きだー!って言ってくれたけど、私の好きは「愛してる」の好きなんだよ?
でも。これは絶対に言えない。言ってしまったら、確実に今の関係が壊れてしまうから。

律「どうしたー唯?」

唯「何でもないよ。それより早く行こうよ」

律「そだな。今日のお菓子はなんだろうなー。はははっ。これじゃ唯みたいだな~」

唯「もぅ~それどういう意味ー」

私はこの気持ちはずっと胸にしまって置こうと思う。でも卒業したら言っちゃうかもしれないけど。

今は・・・。そう。今は、今だけは、このけいおん部であり続けたいから。

律「おーう。悪い悪い遅れちゃったよー」

梓「もう。遅いですよー。先に食べちゃってますよ」

紬「りっちゃん唯ちゃん今からお茶淹れるから座っててー」

澪「私はケーキを取り分けるよ」

のほほんとしながらお茶を飲むけいおん部が大好きだ。
ときには真面目に練習するけいおん部が大好きだ。

梓「どうしたんですか唯センパイ。ニヤニヤして?」

唯「え?ううん。ただね。今のけいおん部大好きだし。いいなーってさ」

梓「確かにいいですよね。でも、もう少し練習するといいのですけど・・・」

紬「いいわよね~(ハアハア)」

澪「確かにいいよなあ。この5人だからいい音が出せるんだもんな」

律「 私もいいと思うし。皆大好きだぜ!」

えへへ。やっぱり皆もこのけいおん部が大好きなんだ。

そうだ。いつかりっちゃんに告白してみよう。
そういつか。そのいつかに胸を膨らませて。

でも・・・。ね。今はね。

唯「みーーんなだぁーーーいすき!!!!!!」

お終い。

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