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SS61指先

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yuiritsu

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SS61

指先


「ムギ先輩の指って綺麗ですよね」

部長会議で律が居ない部室。

残りの部員たちは部室でお茶を飲みお菓子に手をのばしていた。

「そう?梓ちゃんの指の方が小さくてカワイイと思うけど?あ、澪ちゃんの指も長くてカッコイイわよ?」

「私もムギの指が一番綺麗だと思う」

「唯先輩はどうですか?ムギ先輩の指綺麗ですよね?」

「そうだね。ムギちゃんの指は綺麗だね。私と比べるとほら」

四人はそれぞれの指を凝視する。

「何を基準に判断したらいいのか解りませんけど…やっぱりムギ先輩の指が一番綺麗ですね」

「そうだねぇ。この中ならムギちゃんが一番だよ…うん」

「唯先輩、なんだか棘のある言い方ですね。何か私の審査に不満でも?」

唯と梓が妙な空気を出し始めた。

「あずにゃんの言う事は間違ってないよ。でもね、ムギちゃんよりも指が綺麗な人、私知ってるよ」

「聞きましよう、唯先輩。ムギ先輩よりも指が綺麗な人なんて居るはずありません!」


―――りっちゃんだよ―――

「律先輩?まさか、律先輩の指がムギ先輩より綺麗なはずなんて…イメージ的にはささくれいっぱいの少年のような感じがします」

「律の指ってそんなに綺麗だったか?」

「幼馴染の澪ちゃんが解らないことは私達も…」

「みんな解ってないね。りっちゃんの指ってとっても綺麗なんだから」

「まぁいいです。律先輩が来たら私Tが判断します」

「りっちゃんは指さえも綺麗なんだよ?ほんと可愛いよね?澪ちゃん!」

「いやいや。そこで私にふられても…何か顔怖いぞ唯」

「まぁまぁ」


「お~い。部長のりっちゃん様のお帰りだぞ~。どした?何かあったのか?」

「律先輩!指見せてください!」

「指?なんで?」

「いいから早く見せてください!」

「なんだよ梓!ちょ、そっちの方向には手は曲がらん!」

「あずにゃん。りっちゃんの指は大切にだよ!」


―――僕は君の指さえも愛おしい―――

end

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