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【Episode2】 “ジャングル・サバイバル”
不信感を抱きながらも、ブーンとドクオはシラネーヨについていった。
シラネーヨ大将は死んだような目をしながらも入軍希望者を連れて歩いている。
やがて、開けた場所に着いた。
既にVIP公園に入り込み、そして大胆にも『禁断の森』に入っていた。
シラネーヨが不器用に鍵を開けるのが見えた。
そのまま四十分ほど歩いただろうか。
泉が目の前に開き、木がぼうぼうと茂っている場所に着いた。
( ´ー`)「船に乗れ、ワニがいるから気をつけろ」
何処に向かっているのだろう?と疑念を抱きながらも全員が乗り込んだ。
ワニがいる場所はここと、城壁外の堀だけらしい。
近くによると、確かにワニがいる。
_∩
∈゚ ゚)二三「ジロジロ…」
U (ω^ )「・・・」(A`)「・・・」
ワニに警戒しながら船に乗り込んだ。
ここは海軍の演習所だろうか?それとも敵軍を誘き寄せるのだろうか?
どちらにせよ、VIP公園の裏舞台はこうなっていたわけだ。
普通の人はまったく気づかないだろう。
船に乗り込むとワニが近づいてきた。
屋根つきだが長年経っているらしく貧相な外見だった。
( ´ー`)「まっがーれ」
船を操縦していた誰かにシラネーヨ大将が声をかけた。船が急カーブする。
まだ乗って殆ど時間も経っていなかったため、何人かが池に落ちた。
('A`)「おい・・・アイツら大丈夫か?」
ドクオが後ろを向いていった。案の定ワニが群がってきていた。
ワニも怖いが、それ以上に見て見ぬ振りをするシラネーヨ大将が怖かった。
ブーンもドクオと後ろを向いていた。
ほかに誰も後ろを向いている人はいない。
( ^ー^)「すっすーめ!」
突如、100キロメートルを超えるスピードで船が走り出した。
動力がまったくわからないが、すさまじい。
( ;ω;)(;A;)「ぐうぇえ」
川 川
後ろを見ていた二人は、高スピードで嘔吐した。
それでもシラネーヨは猛スピードで突進していく。
( ´ー`)「すっすーめ!」
・・・シラネーヨ大将はスピード狂だった。
それが分かったのは、たった今だった。
気がついたら、森の中にいた。
夜の空に月が光り輝いている。
( ;ω;)「むにゃむにゃ・・・?」
意識が遠のいていたようだった。
近くを見回すとドクオと見知らぬ人がいる。
みんな、ぶっ倒れているようだ。
ここは、近くに泉が見えるところを見ると、さっきの森の対岸だろう。
よく分からないが、近くに書類が落ちている。
自筆なようだが、シラネーヨという感じが見て分かった。
そこに書かれていた内容に驚愕し、腰を抜かしたのはその数秒後。
( ゚ω゚)「うわっ!!」
そこに書かれていた内容は。
(づA`)「ふにゃぁ?」
ブーンの声によって、ドクオが起きてしまった。
ドクオはブーンの方を凝視すると、書類を手に持った。
('A`)「・・・?読むぜ・・・。
『シラネーヨ大将より』…自分で大将付けかよ…やになるぜ。
『やあ新兵希望者諸君。私は陸軍大将、シラネーヨ=ナバネロだ。
今回、入軍試験として[サバイバル]をやってもらう。
ルールは簡単だ。私たちがいるVIP公園のテントに帰ってこれたならば、そのチームは無事入軍できる。
その場に倒れている入軍希望者でチームを結成した。能力者は五人入るようになっている。
同じ場所に倒れていたやつらは仲間だ餌じゃない。
そのメンバー全員が帰ってこれたのみだけが入軍成功だ。
一人でも抜けていたチームは、入軍失敗とともに今後一切の入軍権利を剥奪するよ^^
分かった??じゃあね^^;』んだとざけんなよ!」
ドクオは書類を放り投げた。
中から一枚の小さな紙がひらひらと舞った。
さっき、読まれなかったほどの小さな紙だ。
('A`)「なんだって?
『P・S
この森にはワニから虎まで何でもいるから
その事についてkwskは自分で調べろks』
ふっざけんなああああああ!!!!」
ドクオは紙を地面にたたきつけた。
紙をビリビリに破り捨てる。
( ^ω^)「………とりあえずチームメイトを起こすんだお」
ほかに倒れている人間は三人。
全員あの船で酔ったのか、死んだような顔をしている。
('A`)「まずはお前の腰を直す」
ドクオはそういうと、足を大きく振り上げた。
瞬時におろされる、ドクオの足。
ドクオは、力任せにブーンの腰に足を振り下ろした。
(;:#゚ω゚)「ぐげっ」
ここは森の中央。
六人の男が、横に並んでいた。
( ´ー`)「・・・。」
一人の大柄な男、シラネーヨ大将。
そのシラネーヨは、なぜか一番端に腰掛けていた。
誰かが中心に立っている。
それは、大柄なシラネーヨよりも若干大きいほどだった。
( ´∀`)「今回の新兵は骨があるのが居るのかモナ?
前回みたいに十五人しか生還しなかった、じゃすまないモナ」
今現在VIP国は重要な戦局に立たされている。
一歩でも間違うと、国に待つのは死だ。
正直言うと国としては大量の新兵を迎え入れたかった。
だが、出来なかった。
何十万人分もの設備が無いわけでもなかった。
寧ろ、今は部屋があまりまくっているような状態で、食糧もある程度はあった。
以前のように何万人もの新兵を迎えることも不可能ではないのだ。
( ´ー`)「モナー大将…そうとも思いますがやはり量よりは質でしょう。
戦場に行くような覚悟を持つ人間なら死ぬぐらいの覚悟はあるはずだ。
ならばいいでしょう、少しぐらい」
大将という言葉が響いた。
そうだ。モナーこそ真のVIP国の陸軍大将。
シラネーヨは、所詮影武者に過ぎなかったのだ。
今現在軍に勤めている人々もその事は皆知っている。
( ´ー`)「あの程度のサバイバルで命を失うようなものに未来は無い。
そんな者なら、最初から迎え入れなければいい。
実際、夏・冬には恒例のサバイバル生活があるわけだ」
( ´∀`)「全ての兵一人一人の個性を尊重するべきだモナ。
よく見ると全ての者に特技・長所がある筈だモナ。お前の考え方は間違ってるモナ」
( ´ー`)「考えるべきだ。今奴等に機会を与えてみろ。
待つのは命の危険と失敗、そして国の壊滅だ。
どうせそうなるのならば…」
( ´∀`)「・・・・・・・・・!!」
シラネーヨが手に持っていた木の実を、川に投げ入れる。
川に投げ入れられた木の実は、数秒の間に沈んでいく。
浮かびにくい性質のこの川では、人間でも同じようになることが殆んどだろう。
実際、毎年人が死んでいる。
この川でもそんなに人が死ぬのだ。だが、戦場ではその数百倍の人間が軽く死んでいく。
( ´ー`)「どうせそうなるのならば、今のうちにフィルターをかけて、
戦場の恐怖を知らない間に殺してしまえばいい。アンタはそう思わないか?モナー大将」
( ´∀`)「お前は間違ってるモナ!!」
モナーが怒りの形相をして立ち上がる。その手に光る物は“イカズチ”。
シラネーヨはそれを見ると特に吃驚もせず、ニヤニヤ笑いを浮かべる。
モナーは思いっきりシラネーヨに掛かろうと向かっていった。―――いや、向かおうとした。
誰かが、怒りをあらわにするモナーを取り押さえていた。
(,,゚Д゚)「抑えてください、モナー大将にシラネーヨ中将!」
ギコ=ウルフだった。
猛将として各地に知れまわる歴戦の将だ。
特殊な能力を持つ新兵を迎え入れる事を第一と考える“シラネーヨ=ナバネロ”。
何万人もの兵一人一人を迎えるべきだと考えている“モナー=ロゴル”。
二人の相反する思想の相違は、数々の兵に影響を与える。
それは当たり前のこととも取れるが、二人にとっては全てであった。
――その同時刻に、サバイバルの参加者が、全員起きた。
そして、サバイバルは皆に知れ渡る。
全ての新兵を破滅に進ませるサバイバルが、今始まろうとしていた。
( ;ω;)「痛かったお…」
草叢に無残な姿で倒れているのは、ブーン。
ニヤニヤ、笑いを浮かべているのはドクオだった。
だが、おかげでブーンの腰は治った様だ。
('A`)「そして……全員起きたらしいな。このチームは五人…全員能力者」
そういうと、ドクオは紙を読み上げて皆に言い聞かせた。
この場所での実質的リーダーシップを誇っているのはドクオだ。
リーダーの素質というのは直ぐ分かるもので、皆も頷いた顔で聞いていた。
勿論、他にリーダー性がある人がいないわけでもない。
新兵に立候補するぐらいだ、リーダー性がある人間はいる。
それでもドクオが務めるのは、やはり最初の方に起きたからだろう。
しかし、だからといってブーンが皆からそういう感じで見られているかというと、真逆だった。
( ・Э・)「つまり、生き残れるかは自分自身ということですね」
(・∈・ )「なんでこういう時だけお前冷静なんだよ!」
("  ̄О ̄,,)「まあつまりは全員でゴールインすればいい話だろ。
別にそう難しいこととは思えないが」
その言葉で、少し皆が落ち着き始めた。
死ぬ、生きて帰れない、夢を達成できない、等ということを考えていたみんなに、実戦で言う士気が戻りつつあった。
('A`)「っつーことで、みんな!全員で帰って皆でVIPに入軍するぞー!」
ドクオが、大きな声を張り上げた。
無論、その後に皆が「おー!!」と声を上げる。
('A`)「まず、メンバーを確認するぜ。名前を言ってけ」
ドクオがいうと、皆が頷いた。
だが、誰も言わない。緊張からだろうか?
数秒間の沈黙が続いた。
('A`)「おい、誰か言わないの?」
( ・Э・)「オレはサガル=トットだ」
その男、――サガルは声を上げた。
それにつられてどんどん声が上がる。
(・∈・ )「オレはアガル=トット!」
("  ̄ー ̄,,)「メザマ=テルマ」
三人が、それぞれ声を上げた。
次はブーンが自分のことをいい、最後にドクオが言った。
('A`)「じゃあ、行くk…」
ドクオが言い終わるか否かに奇襲が掛かってきた。
煙が黙々と広がる。皆は眼を凝らしてみようとしながらも戦闘体制に入る。
( ><)「見つけたんです!!」
甲高い声が聞こえてきた。
何人もの足音が聞こえてくる。だが、草木を踏んでいた。
遠くに居たドクオにすら、この音は伝わっているだろう。戦争ではこういう僅かな音が命取りとなる。
――――戦闘経験は殆んど無いらしいな。
ブーンはそう思った。
一応何回もジョルジュと実戦訓練をしたことがある。
戦争というものは微小な音でも全てが決まってしまうのだ。
例え、蟻にも聞こえないような微小な音でも。
だから、戦場では音に気を配ることになる。
能力者というのは怖いもので、音を感知する能力者もいるときいた。
( ^ω^)「丁度いいお!能力が開花するのは戦闘時が多いって聞いたお!
そして―――」
ブーンが煙の中声が聞こえたほうに殴りかかる。
その「見つけたんです」の男のようだ、一瞬で倒す。
それを火付けに、どんどん怒涛の戦いが始まった。
( ^ω^)「ブーンが思うに今日がブーンの開花日!!」
ブーンから光が出ていた。
ブーンを蒼い光が覆っている。おそらく、能力が開花するのだろう。
ほかの皆は、いつのまにか争いを忘れ、そちらのほうに魅入っていた。
光が、やんだ。
( ^ω^)「力の実感が、あるお」
ブーンが、敵の一番大きい奴に向かって走った。
大きい敵は、ブーンを恐ろしそうに見ていたが、止むを得ずパンチを防衛した。
特に、変化はない。
( ゚ω゚)「おかしいお!!全く変わってないお!」
大きい敵は、その様子を見るとブーンの顔面めがけて蹴りを入れた。
ブーンは吐血し、吹っ飛ばされる。
( ゚3<:;),;l;;:;:::;;;;;「ぐふぇっ」
( ・Э・)(・∈・ )『ブーン!!』
すぐさま、サガルとアガルが救援に向かう。
ドクオは冷静に状況を見ていた。
( ゚3;゚メメ)「ハァ、ハァ」
( @w@)「ハハ、アハハ、アハハハハ!!」
突如として、相手チームの一人が笑いを上げた。
いきなりの事だ。
( @w@)「能力の開花とかいったから滅茶苦茶強いのかな?って思ってたけど
この程度なら普通に倒せる、俗に言う雑魚じゃん。能力無さそうだし。」
男はブーンを挑発している、と見て取れた。
ブーンはそれを聞くと、頭をさすった。
( ゚ω゚メメ)「……!!」
ふと気がつくと、ブーンの右手が光っている。
そして、さっきまで抱いていた【絶望】の感情が消えうせた。
( ^ω^メメ)「分かった。ブーンの能力が」
敵は驚いていたようだが、すぐに普通に戻った。
( @w@)「言ってみろ」
( ^ω^メメ)「全てを始まりに戻す、Deleatする能力。無機質派【デリートクリエイティブ】。」
そういうと、ブーンは男に向かっていった。
右手に青白い光を見せながら。
( @o@)「うわああああああああ」
次の瞬間、勝敗は確定していた。
全体の勝敗は未だに分からないが、この戦闘は終わりを迎えた。
E p i s o d e 2 E N D
今 回 の 登 場 人 物
顔文字 名前 階級・状態 能力
( ´∀`) モナー=ロゴル 大 将 雷鳴閃光【イカヅチ】
( ´ー`) シラネーヨ=ナバネロ 中 将
(,,゚Д゚) ギコ=ウルフ 少 将 全攻撃無【セーフティ】
('A`) ドクオ=トールソン 試験受験中
( ^ω^) ブーン=カナオーガ 試験受験中・? 無機質派【デリートクリエイティブ】
( ・Э・) サガル=トット 試験受験中
(・∈・ ) アガル=トット 試験受験中
("  ̄ー ̄,,)メザマ=テルマ 試験受験中
( ><) ビロード=ワカソルト 試験受験中・敵
( @w@) ズヴェール=スウェッツ試験受験中・敵・?
( ゚∀゚) ジョルジュ=カナオーガ 殉 職
最終更新:2011年03月24日 19:35