('A`)ドクオがジャズバンドを組むようです 第七コーラス

~前回まで~

VIP大学2年のドクオはあるとき同級生ブーンの誘いでジャズをはじめることになった
テナーサックスを購入したドクオはブーンとの練習中ひょんなことから
女子高生ジャズピアニスト、ツンと知り合いますますジャズの世界に浸ることになる

ツンに連れられたジャズバー・ショボンにてセッションの楽しさを知った彼らは意気投合

ドクオ(T.sax)、ツン(p)、ショボン(b)、ブーン(dr)としてバンドを結成することに

セッションで知り合ったプロサックスプレイヤー、ギコに師事することになったドクオだが
はじめてのセッション参加で挫折を味わう

自分を変えるため、自信を手にいれるため
ドクオはツンへの秘めた想いを伝えるため走り出した


第7コーラス『あなたと夜と音楽と』

(;'A`)「はぁ、はぁっ」

息がきれてもドクオは走りつづけた
時刻は夜11時

たどり着いた駅前にはいつもの喧騒はなく、2、3人の疲れた顔をしたサラリーマンが家路を急ぐ様があるだけだった


(;'A`)「はぁ・・・はぁ・・・ちくしょう」

脇腹に鋭い痛みが響いている
ドクオは倒れこむようにベンチに身をあずけた


カチ、シュボ・・・

(;'A`)y-~「はぁー・・・」


勢いあまってアパートを飛び出したはいいものの
ドクオはツンの家はおろか、今どこでなにをしているかすら把握していなかった

(;'∀`)y-~「はは・・・」
自分のあまりのまぬけさを自嘲し、紫煙を吐き出した



不思議だった

全力で走ったからだろうか

さっきまでの、自暴自棄なまでの衝動はいくらかおさまり
代わりに冷静に考えを巡らすことができている


('A`)y-~(ブーンなら・・・どうせひまだろ)


ピ、ポ、パ

prrr・・・

ガチャ


( つω`)「んぁ・・・はい・・・」

('A`)「悪い、寝てたか」

( つω`)「いいお・・・どうしたお」

('A`)「いや、なんとなく。今駅前だからさ」
('A`)「酒でも飲みにでてこないか?」

( ´ω`)「わかったおー10分くらいでいくおー」


ブーンの家は駅から近かった

電話をきって間もなくしてスウェット姿のブーンがあらわれた


( ^ω^)「おいすー」
('A`)「おお、悪いな起こしちまって」

( ^ω^)「いいお!そのかわり酒はドクオのおごりだおwwww」

(;'A`)「うっ・・まあそんくらいは仕方ないな、出すよ」

( ^ω^)「さすが社長wwwんじゃ、ショボンとこでもいくお!」


――――ジャズバー・ショボン


(`・ω・´)「らっしゃい!」
('A`)( ^ω^)「!?」

(;^ω^)「ショボン、なんかいつもとキャラ違うお」

(`・ω・´)「ショボン?ああ、息子の友達か」
(`・ω・´)「私はショボンの父、シャキンだ」

(;^ω^)「ちょwwまじか」
(;'A`)「似すぎだろjk・・・」

二人はビールを頼み、程なく提供されたそれを流し込んだ
爽やかな冷たさと苦味が身にしみた

(*'A`)「っっっ・・・かぁー!うめえ」

( ^ω^)「そういやドクオ、こんな時間に呼び出すってことは」
( ^ω^)「なんか話したいことがあったんじゃないのかお?」

('A`)「あ、ああ・・・」

(`・ω・´)「・・・・」

ドクオはジョッキを静かに置いた
シャキンさんはなにかオーディオ機器をかまってCDをいれかえていた
(http://www.youtube.com/watch?v=JLM_nS2XgXg&sns=em)


('A`)「ブーン、真面目な話だ」

( ^ω^)「おー」

('A`)「ブーン・・・俺は」

('A`)「ツンが、好きだ」
(;^ω^)「な、なんだってー!?」

('A`)「さっきも実はツンに、告白しようと思って出てきたんだ」

(;^ω^)「ま、まじかお・・・あんなグラップラーのどこがそんなに」


(;'A`)「それは・・・わかんねーけどよ、」

(;//A/)「ひ、一目惚れってやつかもしれん・・・」

恥ずかしさに耐えかねてビールを飲み干した

つーかコイツにツンへの気持ち話すのにこんな緊張してんのに
告白なんて無理だろ・・・
ドクオは思いとどまれたことに少し安心した

( ^ω^)「ま、でもそれは素晴らしいことだと思うお」

( ^ω^)「応援するお!ドクオ!」


(*;'A`)「あ、ああ。ありがとう・・・」


('A`)「実はな」
('A`)「今日ここのセッションに参加してたんだ」

( ^ω^)「おー」

('A`)「散々だったよ・・・ギコさんに習って少しはうまくなった気がしてた」
('A`)「それがいざやってみたら・・・ひどいもんさ」
('A`)「無様だったよ・・・。自信なくなっちまってさ」

('A`)「家帰って考えてたらさ、なんだか頭ん中ごっちゃになって」
('A`)「自暴自棄みたいにツンに気持ち伝えようとしてた」

(;'A`)「まあ、実際ツンの家も知らないし電話する勇気もなくて」
(;'A`)「走ってるうちに思いとどまったんだけどな」


( ^ω^)「そうだったのかお・・・」

('A`)「ああ。で、お前に電話してみたわけだ」


ブーンは相変わらずやさしい笑顔を浮かべ、ジョッキに口をつけた


(`・ω・´)「話に割って入ってすまない。キミがドクオくんだったのか」

('A`)「えっ」

(`・ω・´)「いや、息子から聞いたんだ」
(`・ω・´)「楽器1ヶ月でアツい演奏するテナーマンがひとりいる、とな」


テナーマンなんて、とドクオはうつむいた

(`・ω・´)「息子は・・ショボンは嬉しそうだったぞ」
(`・ω・´)「そいつとバンドやる予定なんだ。世界一のジャズバンドになるぜ、親父、とな」


('A`)「そ、そんな、買いかぶりですよ・・・」


(`・ω・´)「ドクオくん・・・ジャズの道は・・・いや音楽全て」
(`・ω・´)「ひとつやふたつのミスで立ち止まっていては先に進めない」

(`・ω・´)「悔しい思いも恥をかくこともある」
(`・ω・´)「でも、キミは楽しかっただろう?」


('A`)「それは・・・」

確かに、楽しかった


(`・ω・´)「その気持ちが一番大事さ」
(`・ω・´)「出だしミスったからなんだ、フラジオFがでなかったからなんだ」
(`・ω・´)「そんなのは些細なことさ」
(`・ω・´)「音のコミュニケーションを楽しむこと。それがジャズさ」


('A`)「シャキン・・・さん」

(;A;)


(;つA∩)「う、くっ、」ゴシゴシ

(`・ω・´)「・・・」


('A`)「ありがとうございます、シャキンさん」

('A`)「ショボンとは・・・みんなとバンド活動はじめるのはあと1ヶ月先なんです」

('A`)「それまでにもっとうまくなって・・・もっと楽しめるようになります!」

('A`)「ブーン!」

(;^ω^)「おっ?」

('A`)「てことだ!わざわざ付き合ってくれてありがとな!」
('A`)「俺はもっとうまくなってやる!ジャズを楽しむためにな!」


ドクオはそう言って店を飛び出した

(^ω^;)「あっ!ちょwwwwお前のおごりじゃないのかおwww」


カランカラーン・・・

ドクオの姿はもうなかった

(;^ω^)「やれやれだお・・・」


(`・ω・´)「さて、もういいかな」


(つω∩)ゴシゴシ
 ↓
(´・ω・`)パッ


(;^ω^)「ちょwwwショボン!」

(´・ω・`)「ふぅ、親父は海外旅行中でいないっつーの」

(´・ω・`)「おーい、もう大丈夫だからでてこいよ」

ξ゚⊿゚)ξ・・・

(;^ω^)「つつつツン!まさか今の話・・・」

ξ゚⊿゚)ξ「聞かせてもらったわ」

(;^ω^)「じゃ、じゃあドクオの話も・・・」

ξ゚⊿゚)ξ

ξ//⊿/)ξ


(´・ω・`)「ま、さっきの話のとおりだ」
(´・ω・`)「ドクオ、セッションで相当へこんでたからね」
(´・ω・`)「僕らがなぐさめても、と思ってひと芝居うったわけさ」
(´・ω・`)「大成功だったね」

(´・ω・`)「ツンのことは予想外だったけど」

ξ//⊿/)ξ「」


( ^ω^)「ツンは・・・ドクオのことは・・・」
ξ;゚⊿゚)ξ「そ、それは」


ξ//⊿/)ξ「そんなの・・・まだわかんないわよ・・知り合って間もないし・・・」
ξ//⊿/)ξ「直接言われたわけでもないし・・・」

(´・ω・`)「まあ、そりゃそうだ」
( ^ω^)「ドクオは・・・根暗だけどいいやつだお!だからツン」

(´・ω・`)「おっと、個人の色恋に干渉するのはもうここらにしとこう、ブーン」
(;^ω^)「うっ、そ、そうだお」

(´・ω・`)「とにかく、あと1ヶ月先が楽しみだね」
(´・ω・`)「ドクオも、ブーンも実力つけて」
(´・ω・`)「世界一のバンドって言ったの、あれは本当に僕の本心さ」

( ^ω^)「そうだお!世界一のバンドにするお!な、ツン!」

ξ;゚⊿゚)ξ「あっ、うん!あ、あたしがいるから当たり前でしょ!」

(;^ω^)「相変わらず自分至上主義だお・・・」
ゴッ!!!

ξ#゚⊿゚)ξ

(´・ω・`)「ハハハ、こりゃいい気分だね。1杯飲むか。ツンはジュースで」


「乾杯!」

(*;'A`)「はぁつ、はあっ」タッタッタ

風が心地よい
はじまりの春は、躍動の夏に変わろうとしていた

(*;'A`)「やってやるぜー!ジャズ!」


後ろ向きな気持ちはなりをひそめ、ドクオは満ち溢れていた


夏がはじまろうとしていた
そして・・・・
1ヶ月がすぎ、いよいよバンド活動スタートとなった!!


つづく

前へ  戻る  次へ

  • 本番OKらしいです(人・ω・)$ http://www.l7i7.com/ -- ありません (2012-02-17 03:45:45)
名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2012年02月17日 03:45
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。