ロボット農場の肥料


うんこがそのまま肥料になると勘違いしてる人へ、うんこ博士の俺がいい事を教えてやる。

うんこはそのままでは肥料にはならない。なぜなら、栄養となる有機物の結合が強かったり、
粒が大きすぎて吸収できないためだ。そこでうんこを乾燥させて粉砕するというアイデアが
出るわけだが、単にうんこを粉砕しただけでは作物がうんこを栄養として利用できるだけの
有機分解はされておらず肥料として機能しない。それどころか粉砕したうんこをすぐ土に混
ぜると土中でさらなる分解がはじまり、うんこから炭酸ガスが発生したりうんこに害虫がよ
ってきて作物をダメにしてしまう。

んじゃどうするのかっていうと、うんこに微生物を混ぜて発酵させて有機物分解を行う。
うんこ、骨粉、灰などから作られる肥料は有機質肥料に分類され、ぼかし肥料とも呼ばれる。
うんこを有機質肥料にするためには発酵による熟成が非常に重要で、うんこの発酵の良し悪
しがそのまま肥料としての質を決めるといっても過言ではない。この発酵がまた難しい。う
んこに微生物をまぜてもなかなか繁殖してくれず、熟成に時間がかかる。そこで機械によっ
てうんこを加熱して微生物の活動を活発にして発酵を加速させる。ただしうんこに投入した
微生物の種類によって最適な温度が変わるので、何も考えずにうんこを加熱すると逆に微生
物が死滅しかねない。このように、発酵のカギを握る微生物はうんこで繁殖する割には結構
デリケートで、温度管理の他に酸素濃度管理や水分管理などを必要とする。

近年はうんこを早く良い有機質肥料へと熟成させる手法が考案されているが、それでも限界
がある。熟成期間は1日や1週間など論外で、前述のようなうんこを適切に管理した環境下で
もおよそ25~30日は発酵させる必要がある。間違ってもこの熟成期間中にうんこの追加投入
を行ってはいけない。古いうんこと新しいうんこの有機質の分解度合がバラバラになり品質
が大きく低下してしまうからだ。これがトイレをそのまま肥料工場にできない大きな理由の
一つと言えよう。


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最終更新:2016年04月20日 15:51