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「…あ、セレスちゃん」
 何の示し合わせもなく、大浴場の脱衣所でばったりと出くわしたのは、超高校級のスイマー。
 別にこの場所に彼女がいることは、何らおかしいことではないのだけれど、
 セレスは、自慢のポーカーフェイスも崩れてしまいそうなほどに驚いて、思わず息をのんだ。
「…こんばんわ」
「セレスちゃんも入りに来たんだ?やっぱ広い浴槽に入った方が、気持ちいいよね!」
「…そうですわね」
 生返事をして、セレスは朝日奈となるべく離れたロッカーに向かう。

「ねー、なんでそんな離れた場所使うの?」
 無邪気な笑みと邪悪な胸を揺らして、朝日奈がペタペタと向かってくる。
「…あまり目に入れたくないからですわ」「何を?」
「あなたをです」「え、ええっ…!?なんで…」
「…正確に言えば、あなたの胸を…」「…あっ」
 戸惑いが浮かんだ朝日奈の表情は、セレスの二の句で、一転して真っ赤に染まった。

 本当に同い年の高校生なのだろうか、と、セレスは溜息を吐いた。
 のれんをくぐった先にあったのは、たわわに実った二つの果実をぶら下げた、彼女の裸体。
 その凶暴な身体は、同性である自分でも、思わずどきりとしてしまうほどだった。

 とても、悔しい。
 セレスは顔に出さないように、心の中で地団太を踏んだ。
 勝負師であるセレスにとって、戦う前から負けていることがどれほど悔しいか、想像に難くないだろう。

 そうだ、少しだけ、
 彼女をからかってやろうか。
 そしてこの鬱憤を晴らすのだ。

「…下ネタが苦手、というわりには、随分下品な胸をしていらっしゃいますのね」
 胸を一瞥して、セレスが吐き捨てる。
「げ、下品って…」
 顔を真っ赤にしたまま、朝日奈はバスタオルで自分の体を隠した。
 健康的な身体に、初心で奥手な性格。
 きっと中学時代は、男子が放っておかなかったことだろう。
「私、自身を失くしますわ。あなたのように、余計な脂肪のついた胸を、これみよがしに見せられると」
「そ、そんな…セレスちゃんだってスタイルいいし、くびれとか綺麗だし…」

 悔し紛れの皮肉すら通じない。
 もう少し、直接的に責めた方が良かったか。

「それにしても、本当にうらやましいですわ。朝日奈さんの、その豊満な胸」
「や、やめてってば…!」
 途端に朝日奈の顔が、まるで酒でも飲んだかのように、再び真っ赤になった。
 じっと、胸を見つめる。朝日奈は恥ずかしそうに身体をくゆらせ、自分のロッカーへと戻っていった。
 ああ、嗜虐心をそそられる。やはり自分はこうでなくては。
「いつ頃から大きくなったのですか?」
「わ、わかんないよぅ、そんなの…」
 余程焦ったのか、バスタオルの上から下着をつけようとしている。
 必死に笑いをこらえながら、セレスは朝日奈の羞恥心を責めあげた。
「やはり、自分で揉んでみたり、ということもしているのですか?」
「う、うぅ…」

 おや、これは。
「否定しない…ということは」
「し、してない…!」

 仮にも、超高校級のギャンブラー。
 余程の相手ではない限り、嘘を見破るのは、容易い。特に目の前の彼女は、いかにも単純そうだ。

「そうですか…やはり、自分で揉めば大きくなる、という噂は本当だったのですね。
 私、自分の胸を揉む、などという破廉恥な行為は試したことがなかったのですが…
 これでその都市伝説めいた噂にも、確証が持てました」
「そ、そんな噂知らないもん!セレスちゃんのエッチ!」
「あら、自分の胸を揉みしだいている朝日奈さんに、エッチ、などと言われたくはありませんわ」
「あぅ…」
 間違いない、否定しなかった。
 そうか、とセレスはひとりごちる。

 彼女が下ネタを嫌っていたのは、自分の体にコンプレックスがあるというわけではなく、
 自分がエッチな少女だと知られるのが、怖かったからだ、と。
 目の前で繰り広げられる下卑た話は、彼女にとっては自身の破廉恥さを責めたてられるように感じるのだろう。


 これは、ちょうどいい。
 この気違いじみた建物に閉じ込められて、それこそ鬱憤が溜まっていたのだ。
 この可愛げのある少女を、遠慮なく食べてしまおうじゃないか。

「そうですわ、朝日奈さん」
「ふぇっ!?」
 セレスが唐突に切り出すと、朝日奈は驚いたのか、声ともつかない声をあげる。

「私にも、あなたの胸…揉ませてくれませんか?」

 とうとう耳まで真っ赤にして、朝日奈はその場に立ち尽くした。
 今聞いた言葉を、おそらく足りない頭で必死に解析しているのだろう。

「あ、あの…なんて?」
「そのいやらしくて大きなおっぱいを、私にも揉ませていただけないか、とお願いしたのです」
 形容詞を増やして、より卑猥に頼むと、さすがの朝日奈も身の危険を理解したのか、少し後ずさった。
「や、やだよそんなの…」
「あら、例の噂に対する、立派な検証になると思ったのですが。本当に胸を揉むと、大きくなるのか…」
「自分のでやんなよ!」



「…揉むほどの体積は、ありませんから」
「…ごめんなさい…」


 ああ、自分で言って泣きそうだ。
 くそ、この少女は…せめて憂さ晴らしに付き合ってもらおうか。

「…自分が持っていないものに憧れる、というのが世の常ですわ。一度でいいから、大きい胸がどんなものなのか、触ってみたいのです」
「私じゃなくても…舞園ちゃんとかも、その…む、胸あるじゃん」

「…まあ、そうですわね。では、彼女にも試しに聞いてみますわ。
 『朝日奈さんは自分で胸を揉んでいるらしいのですが、やはり揉むと大きくなるのですか?』と…」

「ちょっ…!」
 さすがの朝日奈も、ここまで露骨にやれば、わかっただろうか。
 どうしようもなく恥ずかしい秘密をセレスに握られてしまっているということに。

 そろそろ、詰むか。
 セレスは一歩前に踏み出した。
「あら、どうしました?」
「う…」
 朝日奈は怯えたような表情を見せながらも、退くことはできなかった。
 退けば、自分がいやらしい女だと、暴露されてしまう。
 セレスの婉曲した提案は、要はそういう脅しだ。
「まあ、朝日奈さんが嫌なのであれば、構いませんわ。無理に触る、というのも無粋ですし。
 舞園さん…いえ、他の女子たちにも聞いてみましょうか。自分で胸をもんでいるかどうか…」
「やっ…!」

 セレスが踵を返すと同時に、朝日奈は咄嗟にセレスの腕を掴んでいた。
――釣れた
 セレスは内心ほくそ笑む。

「…どうしました?」
「わ…私の…揉んで、いいから…みんなには言わないで」
「あら、別にあなたの胸でなければならない、ということもないのですけれど。離していただけますか、朝日奈さん。
 まあ、あなたがどうしても自分の胸を揉んで欲しいと懇願するのなら、他の人に聞いて回るようなこともしませんが」
「~~~っ!!」

 朝日奈は悩みに悩み、天秤にかけた。
 このままセレスを離し、自分がいやらしい女だということを吹聴される方がマシか、
 それとも彼女の思うままに、自分の胸を弄ばれるのがマシか。

 セレスは待った。
 どちらにしても、彼女にとってはおいしい展開だ。
 羞恥にまみれる朝日奈を、弄ぶことができるのだから。

「わ、私の…」
 観念したように、朝日奈が口を開いた。
 目は少しうるんでいる。余程勇気のいる選択だったのだろう。

「私の胸を…揉んでください」
「面白みのないお願いの仕方ですわね。『いやらしい大きなおっぱいを弄り倒してください』くらい言えませんの?」
「そんな…」
「まあ、いいですわ。相当恥ずかしいのですね、自分で胸を揉んでいたことをばらされるのが…」

 一度堕ちた相手ならば、その後に言うことを聞かせるのはたやすい。
 屈服したという事実が、抵抗の意思を奪い取るからだ。

「では、私の言うとおりに動いてくださる?ああ、別に従いたくなければ、抵抗しても構いませんわ」

 朝日奈は、真っ赤を通り越して、顔面蒼白になっていた。
 今の言葉の意味が、分かっているのだろう。

 抵抗を許さないのではない。抵抗をすれば、即秘密をばらされる。
 怪しげにほほ笑むセレスが、今の朝日奈には悪魔のように見えた。

「ではまず…バスタオルを取ってくださる?」
「ええっ!?タオルの上からでも別に…」
「二度は言いませんわ」
「っ…わかったよ…」

 セレスは下着姿のまま、興奮宿る身体を上気させていた。
 他人を支配することの気持ちよさ。そういえば、ここにきてしばらく味わっていなかった。

 朝日奈がバスタオルを脱ぐと、その興奮と快感はよりいっそうのものとなった。

「っ…あんま、見ないでよ…」
 羞恥に耐えかねて、胸やあそこを手で隠すけれど、弱みを握るセレスの前では、当然無駄な事だ。
「あら、隠すのですか?抵抗、とみなしますが」
「うっ…」

 行き場を失くした手を後ろで組むと、彼女の裸体は、いっそう官能の響きを増した。
「…綺麗」
 おもわず、そんな言葉が漏れてしまうほど。

 さすがに水泳で鍛え上げられているからか、その均整の取れた体つきは、たちまちセレスを虜にする。
 胸はこれ以上のないアピールポイントで、桃色の乳輪の中に、先端が隠れてしまっているのが愛おしい。
 鍛えられた腹筋は、大神のような強靭さはなく、むしろ朝日奈自身の色っぽさを際立たせ、
 大人びた体つきの割には、あそこの毛は全くと言っていいほど生えそろっていない。
 ひっそりと閉じられ、心なしか濡れたそこは、光を反射してぬらぬらと妖しく光っている。

 これは、俗な言葉を使うならば、エロい身体だ。
 写真を撮って残しておきたいくらいに、魅力的で、目を奪われる。
「うぅ~…」
 朝日奈が羞恥にうめく。それがよりセレスの心を駆り立てるということには、おそらく気づいていないのだろう。

「や、やるならさっさとやってよぅ…」
「あら、待ちきれなくなってしまいましたか?」
「違っ…!」
「心配しなくても…すぐ気持ちよくして差し上げますわ」

 ずい、とセレスが、朝日奈に詰め寄る。
 ドクン、という鼓動を響かせたのは、どちらの心臓か。
 互いが、互いの姿に、自分の姿に、興奮していた。


「壁に、手をついてください」
「…うん」

 壁に手をつき、腰を突きだした姿は、まるで獣がまぐわう時のそれのようだ。
 セレスは朝日奈の下に身体を滑り込ませ、胸を見上げるような体勢を取った。
 一見すると、朝日奈の方がセレスを襲おうとしているようでもある。

「ふふ…壮観、ですわ」
 重力のままに垂れさがる、二つの果実。
 その片方に、手を伸ばし、ぐい、と、果実をもぎ取るようにして引っ張る。
「いっ…」
「あ、えっ?」
 朝日奈が苦痛に顔をゆがめた。
 思わず罪悪感を感じて、セレスは手を離した。本当に今更だが。

「すみません…その、大きい胸は、勝手がわからないもので…」
「う、ううん…でも、たぶんセレスちゃんが思っているような、いいものじゃないよ」
「そうなのですか?」
「男子からはエッチなこと言われるし、女の子には意味もなく恨まれるし…肩も凝るし、服のサイズも好きに選べないし」
「ああ…」

 と、思わずつられて頷き、手を止めて、普段のように会話をしてしまった。

 今はもう、胸の大きさはどうでもいいのだ。
 彼女を暇つぶしに弄ぶこと、それが目的だというのに。

「何より泳ぐときに邪魔…っひゃう!?」
 唐突に胸を撫であげられて、朝日奈の言葉は中断された。
「あら、どうしたのですか?続けてください、私もっと聞きたいですわ」
「そっ…ん…」
 唐突に元の恍惚に引き戻され、頭が展開についていけなかったのだろう。
 朝日奈はいっそううろたえ、ただ声を出さないように、唇を一文字に縛った。

「先ほどのように強引に掴むと、痛いのですね。すみませんでした。今度はもう少し、優しく触らせてもらいますわ」
 そう言うとセレスは、そっと垂れさがる胸に手を添える。
 張りのある、しかし柔らかさを兼ね備えた胸だ。
 ふるふるとふるわせ、手の中で色々な形にゆがませ、かと思えばくすぐる様になぞる。

「あ、あぅ…ふ、んん…」
 胸を文字通り弄ぶと、余程敏感なのか、熱い吐息が頭上から降ってきた。

「感じてしまったのですか…?」
 見上げるセレスが、嘲笑うような笑みを浮かべて尋ねる。
「そんなことない…んっ…」
「胸の大きい人は感じにくい、とも聞いたのですが…こちらの噂はガセだったようですね」
 言う間も、彼女の手は止まらずに、朝日奈の胸を弄ぶ。

 つつ、と、セレスの指が、胸の尖端に向けて走る。
「だってこんなに…」
「ぅあっんっ!!」
「敏感なのですから」
 ピン、と、爪の先ではじかれると、自分の知らない声が、肺の奥から押し出されてきた。
 痺れたような、くすぐったいような、もどかしい気持ちよさ。
 他人の手とは、これほどまで違うものか。自分で弄っている時とは…

 先端をはじかれた胸が、ぷるぷると小気味よく震える。
 もっと弄って欲しい気持ちと、今すぐにこの場から逃げ出したい気持ちが、朝比奈の頭の中でせめぎ合う。

 胸を逃がさないように掴み、爪の先でカリカリと優しくひっかいたかと思えば、
 今度は先端をつまんだまま、胸を大きく揺らす。
「はぁっ、う、やぁあぁぁ~~っ!」

 溜まらず身を捩るが、この姿勢では、彼女の手から逃げるのにも、限界がある。
「乳首がピィンと…立ってますわよ。もっと弄って欲しそうに…体は正直でいいですわね」
「いやぁっ、言わないでぇ…」
「朝日奈さん、エッチな話は苦手だと言っていましたが…滑稽な話ですわね。本人がこんなにいやらしいのに」
「う、うぅ……んあぅっ!!」
「自分で、弄っていたのでしょう?こちらも…」
 するり、と、セレスの手が内股を伝い、ゆっくりと登っていく。
「やっ!そこ、は、関係ない…っ!」
「関係ありますわ…弄って胸が大きくなるという噂が本当なのであれば、
 こちらは弄るとどうなってしまうのか…私、とても興味がありますの」
「そんな、そんなぁ…ああ…」

「嫌なら、やめましょうか?」
「!!」

 そこに届く寸前で、セレスの指が、ぴたりと登るのをやめた。
 くるくると、太ももに輪を描いたかと思えば、尻を優しく撫であげ、けっして秘部に触れようとしない。
「あ、ぅ…せ、セレスちゃん…」
 朝日奈がもじもじと腰をくねらせる。
「どうしました?」
「あっ…あぅ…」
「ふふ…どう言えばいいのか、何をすればいいのかは、分かりますわね…?」

 愛液は膝まで伝い、足ががくがくと揺れ、とうとう朝日奈は、自分の欲望に屈した。

「い、いじってください…」
「どこを、ですか?」
「そ、そこです…」
 朝日奈が腰を突きだすが、やはりセレスは指を触れさせず、発情したメスの体を眺め上げるだけ。
 もう、朝日奈の理性は焼き切れる寸前だった。
「ふ、うぅう~~…っ、ん、あぁあ、セレスちゃん、お願いぃ…」
「ちゃんと言うことができれば…考えましょう」
「っ…」

 ここまで恥ずかしがり屋なのも珍しいな、と、頭の隅で、他人事のようにセレスは考える。
 身体はこれほどまでに淫乱で、けれど心は子供のように純粋で、純朴で、しかし自分の欲望に素直。
 だから弄って欲しいけれど、言葉を紡ぐには、幼さゆえの羞恥心が邪魔をするのだ。
 後押しが必要か。

 セレスは一瞬だけそこに指をかけ、閉じた秘部を指で開き、
「あぅんっ!」
 しかしその内側には絶対に触れず、顔を近づけて、思い切り息を吹きかけた。
「ぃ、ひゃぁああっ…あ、あぁああ…」

 待ちわびたそこは、わずかな刺激でも敏感に感じ取ってしまう。
 もどかしさにガクガクと下半身全体を震えさせても、それ以上の刺激は与えてはもらえない。

 セレスは朝日奈の下から身体を抜き、ゆっくりと立ち上がると、おもむろに朝日奈の顔をとらえた。
 左手で彼女の顔を支え、右手は腰のあたりで這いまわり、満たされない程度の快楽を与え続ける。
 指で弄ばれながら、目まぐるしく表情を変える彼女の顔に、セレスはそっと口を寄せた。
「素直におねだり出来たら、もっと…気持ちいいこと、して差し上げますわ…」



 それは、呼吸に混ざり、掠れてしまいそうなほどに小さい声だったけれど、
 本当に液という液を、目から、口から、あそこから漏らしただらしない姿で、
「ぉ…○んこ、いじってくださ…」
 確かに彼女は、言った。


 朝日奈がその言葉を口にした瞬間、
 二人の体に、かつてない恍惚が走り抜けた。


「私の部屋へ、向かいましょう」
 朝日奈が告白と同時に崩れ落ち、そこでセレスは提言した。
 彼女は、地面に跪いて息を荒げ、理解できない、というような顔つきでセレスを見上げる。
 せっかく、弄ってくれるように、言われた通り告白したのに、なぜいきなり部屋に向かうのだろう、と。

「各個室の壁には防音が施されていますし…それに万が一気を失って眠ってしまっても、
 他人の個室での就寝は禁止されていませんし…安心して、行えるというものです」

 朝日奈は相変わらず恥ずかしさに耐えかねていたが、潤んだ目でセレスを見つめると、小さく頷いた。

 あの隔離された空間でなら、なんだってできる。そう考えただけで、セレスも自身の秘部が潤うのを感じた。
 某同人作家から没収…もとい、拝借した、様々ないかがわしい道具だってある。
 身体はこれほど淫乱なのに、心がそれに追いついていない、幼くも愛しい目の前のこの少女を、さんざんになぶってあげられる。


 ああ、これは本当に、
 いい退屈しのぎを見つけてしまった。

「立てますか、朝日奈さん」
「う、ちょっと待って…腰がぬけちゃって…」

 セレスは自分の服を再び身に着けながら、手際良く朝日奈のロッカーから下着を奪う。
「これは没収、ですわ。ジャージだけ着ることを許します」
「うん…」

「…下半身から力が抜けるほど、期待してしまっているのですか?」
「違っ…わ、ないけどさ…あんなこと言わされたら、もう立ってらんないよ…」

 本当に初心で、可愛らしい少女だ。
 自分より大人びた身体の持ち主であるその少女を、しかしセレスは、まるで妹か何かのように感じていた。

 期待と興奮から、身体を震わせる朝日奈に肩を貸し、セレスは自分の部屋へと向かう。
 一歩歩くたびに、耳元で
「んっ…はぁ…」
 と、喘ぐ彼女の声が、これ以上にないくらい、なまめかしい。

 途中すれ違った「超高校級の平凡」が、おかしなものを見るような目つきでこちらを見ていたが、
 関わらない方がいいと悟ったのか、すぐに目をそらして自分の部屋に逃げ込んだ。

「彼には…ばれてしまったかもしれませんわね」
「やっ…」
「心配せずとも、彼は他の人に告げ口するような軽薄でも、突っ込んで事情を知りたがるような野次馬でもありませんわ」
「わかってるけど…」
 けど、の先は、セレスも聞かずとも、なんとなくわかった。
「興奮…してしまったのですね」
「だ、だって…今、ジャージの下、裸で…男の子に…苗木に、見られたのかって思うと…」

 純朴な少年である彼にこそ、最も知られたくない。
 他の、欲望を丸出しにしたような雄に見られたのなら、まだ自分達を汚らわしい想像に使われる程度で済むだろう。
 彼は、どうだろうか。恐らくそんなことはしない。
 例えるなら今の自分達は、聖人から逃げ回る売春婦のようなものだ。
 汚れを知らない彼に見られる、そのこと自体が恥ずかしく、そして、どうしようもなく興奮を誘う。


 部屋に着いて、ベッドまで朝日奈を引きずると、
「も、ダメ…」
 と、彼女はそこで力が抜けてしまった。膝から崩れ落ち、ベッドの前にしゃがみこむ。
「あらあら…」
 セレスは優しく朝日奈を抱え起こすと、ごろん、とベッドの上に彼女を転がした。
 それから自身は衣服を脱ぎ、一糸纏わぬ姿となって、ジャージ姿の朝日奈の上に跨る。

「いじめられることを想像しただけで…力が抜けてしまったのですね。可愛いですわ、朝日奈さん」
「……」
 朝日奈は、それまでだったら、セレスの言葉に羞恥を隠せず瞳を潤ませただろうが、
 今はただ、呆、として、セレスの体を見上げるだけだった。
 不審に思ったセレスが尋ねる。
「…どうかされましたか?」
「あっ、ううん…ただ、セレスちゃんの裸の方が、綺麗だな、って思って…」

「なっ…!」
 それまで冷静を保っていたセレスの方が、今度は顔を赤く染める番だった。
 確かに彼女の裸体は、朝日奈とはまた違うベクトルの魅力に溢れている。
 病的なまでに白い肌に、これ以上ないくらいに細い手足。
 唯一の色素を宿しているのは、淡く浮かんだ胸の尖端と、綺麗に生えそろった陰部の毛。
 抱きしめると折れてしまいそうな、儚げな身体が、そこにあった。

「お人形さんみたい…私みたいな、無駄な肉だらけのだらしない体より、全然綺麗だよ」
 自分を卑下するような朝日奈の言葉も、今ばかりは皮肉に聞こえなかった。
 責める事ばかり気にかけていて、責められる事に気を割けずにいた、無防備なセレスの心を、朝日奈の言葉が穿ったのだ。
「そっ、あっ…ば、馬鹿な事を、言わないでください…」

 本当に意表を突かれた。賭博の勝負中にすら、ここまで気を抜いたことはなかったのに。
「馬鹿な、本当に…どうかしていますわ、朝日奈さん…き、綺麗などと…」
「で、でも本当にそう思ったんだもん…」
 じろじろと、朝日奈が自分の身体を眺めると、途端にそれまで感じていなかったはずの羞恥心が競り上がってきた。

 思わず、両手で自分の体を覆ってしまいたい、そんな衝動に駆られる。
 これでは、ダメだ。彼女の言葉を真に受けて、嬉しいかも、なんて思ってはいけない。
 今の自分は、攻め手なのだ。

「ふふ、ふふふ…まさか、あなたに虚を突かれるとは思ってもみませんでした…屈辱ですわ。
 そんな戯言…二度と言えなくなるよう、徹底的に堕として差し上げましょう…」
「たわごとじゃないよ、本当にそう思ったんだもん…セレスちゃんの裸、超綺麗だよ…」
「だっ、黙りなさいビチグソが!」

 朝日奈に負けないくらいに顔を真っ赤にさせながら、セレスは乱暴に、ベッドの下に手を伸ばした。
 隠していた小さな箱には、あのとんがり頭から没収した、いわゆる「大人のオモチャ」が色々つまっている。

 『あくまで資料として収集しているのです』とのことだったが、どうしてか苛立ち、恐喝して没収してしまったモノ。
 これを使って、身近な女の子を喜ばせるくらいの甲斐性はないものか…
 そう言えば、人形のようだ、とは、彼にも言われたっけ。

「セレスちゃん…?」
「…あっ…申し訳ありません、少し…」
「好きな人のこと、考えてたんでしょ。そういうの、わかるんだよ」
「なっ…!?」

 ふふん、としたり顔で、朝日奈がセレスを見上げた。
「な、なんで私があんな…腐れラードのことなんか…」
「あー、やっぱり山田なんだ。わかってはいたけど、ちょっと意外だなぁ」
「っ!?」

 とうとうポーカーフェイスが崩れ去り、年相応の恥じらう表情がセレスの顔に浮かんだ。

 悔しい。
 私が、私こそが攻め手、彼女を犯す立場のはずなのに。
 この娘はどこまで、私を辱めれば気が済むんだ。

「も、もう許しませんわ、朝日奈さん…完膚なきまで、徹底的に、犯し抜いてあげますから…覚悟してください」
 そう吐き捨て、セレスは箱の中身をベッドの上にばらまいた。

「あの、セレスちゃん…これは?」
「目隠し、ですわ」
 まずは朝日奈の額に、目を覆うようにして、黒い革のベルトのようなものが巻かれた。

 自分の姿を見ることができなければ、綺麗だ、なんて戯言も言えないし、崩れたポーカーフェイスを見られることもない。

「視覚を奪われると、他の感覚器官が足りない情報を補おうと、よりいっそう鋭敏になるそうですよ」

 セレスは跨ったまま上体を倒し、朝日奈にもたれかかる。
 二人の体はこれ以上にないほどに密着し、それだけで朝日奈の体は、再び熱を取り戻してきた。
「たとえば…耳」
 ふぅ、と、優しく息を吹きかける。
「ひゃっ…」
 ビクン、と身体が震える。

 そう、これこそあるべき姿。
 自分の攻めを、彼女は成すすべもなく受け入れるしかない、この構図。
 やはりこれが一番、
「そそりますわ…はぷ」
「ひっ…」
 耳を甘噛みすると、面白いように体が震える。
 次いで、舌を耳の中に忍び込ませると、早くも甘い吐息が漏れだした。


 セレスが左手でもう片方の耳をふさぐ。
 朝日奈の頭の中は、彼女の舌が自分の耳を犯す音で埋め尽くされた。
 くちゅり、くちゃ
 耳の中で響く、これ以上ない淫猥な音に、思わず吐息も湿ってくる。
「はっ、はひぃ…や、うぁあ…」
「ん…ふふ、興奮しますでしょう?」
「あ、あぅう…」
「正直に言えたら、気持ちいいことしてあげますわよ」
「んっ…はい…エッチな気持ちに、ふっ…なり、ます…」

 その言葉を聞くが早いか、朝日奈の服の下に手を滑り込ませる。
 脱衣所を出る際に下着は没収したので、今の彼女は、ジャージの下は素裸だ。
 するすると手をもぐらせていくと、辿りついた双丘の尖端では、既に物欲しそうに乳首が上を向いていた。
「ふふふ…こんなにしてしまって…」
「だ、だって、歩くたびにジャージと擦れるから…っ、あぅんっ!」
 ここまでくれば、もう焦らす必要はないだろう。
 素直になった彼女には、ご褒美が必要だ。

 ジャージの前を開けると、汗で蒸れた上半身が露わになった。
 視覚を奪われた朝日奈は、完全に快楽の受け手でしかなく、いつ訪れるかもわからない刺激を、今か今かと待っている。
 自分で弄ったりもできるだろうに、今の彼女にはもう、セレスにいじめてもらうことしか頭にない。
「セレス、ちゃぁん…」
 もじもじと手足を擦り合わせて、目隠しされたまま懇願する彼女の姿は、年頃の男が見たらそれだけで射精してしまいそうな、
 それくらい言っても過言ではないほどに、官能を極めていた。

 そんなに誘うように身体をくねらせているのを見てしまったら、手を出すほかにはないじゃないか。

 何の予告もなしに、指で乳首を思いっきりはじくと、
「ひゃあぁあっ!」
 ガラス玉のように綺麗な喘ぎ声が、口からこぼれた。
「うぅ…ちょっと痛いよ、セレスちゃん…」
「でも、それすらも…気持ちいいのでしょう?」
「そ、それは…」

 二の句を待たずに、セレスは片方の乳房にしゃぶりついた。
「ふゃあっ…んっ…はぁああぅ…」
 余程焦らされたのが堪えたのか、軽く乳首を甘噛しただけで、朝日奈はブルブルと震えだす。
 舌の上で転がすと、はぁはぁと息絶え絶えに体中を悶えさせるのだった。

 健康的な体つきとは言っても、彼女の方が体躯も大きく、セレスはか細い。
 朝日奈が身体を動かすたびに、セレスの方が転がされてしまいそうで、本当にどちらが主導権を握っているのだか。
 自分よりも大きな体を、これ以上ないくらいによがらせる朝日奈は、本当に可愛らしくて、エロくて、そそられる。


 思わず彼女の張りのある肌に、自分の股をグイグイと押し付ける。
「んっ…朝日奈、さん…」
「ぅ…せ、セレスちゃんも…興奮、してるの?」
「…まあ、そうですわね…これほどまで乱れた朝日奈さんを見てしまえば…」
「じゃ、じゃあ…私も、してあげるね」

「えっ、ちょっ…!」

 言うが早いか、朝日奈の手が、セレスの下着の中に潜り込んだ。
「ひぁっ!?」

「待っ…あ、朝日奈さ…ぁんっ!…わ、私は、いりませ…あっ、やぁあっ…」
「そんなこと言わないで、一緒に気持ち良くなろ…?」
 必死に体を捩って逃れようとするも、あまりに突然の快感で、セレスは腰を抜かしていた。

 朝日奈の手が、巧みにセレスの割れ目に到達すると、一番敏感な部位を探り当てる。
「やっ、あ、あんっ!!」
「セレスちゃんの…ちっちゃくて、かわいい…」
「そっ、いちいちそんなこと言わなくても…っ、はぁあっ!」
 退こうとしても、足に力が入らず、耐えようとしても、口からは喘ぎ声がこぼれる。
 朝日奈のあられもない姿に当てられて、既にぐしゃぐしゃになっていた秘部を弄られ、
 セレスにできるのは、朝日奈にしがみついて、襲い来る快楽を耐えることだけだった。
 くに、くに、と、目隠しをされたままの朝日奈が、ぎこちなく指を這わせる。

「うぁっ、んっ!や、やめ…あんっ、ひゃうぅっ!?」
 ぬるる、と、指が中に入り込み、その異物感と刺激に全身を震わせる。
「や、やぁあぁああっ…!」

 勢いよく吹いた潮が朝日奈の手を濡らすと、セレスは朝日奈の上に倒れ込む。

「えっ、あ、あれ?…セレスちゃん、もしかしてイっ…」
「はぁ、はぁ……い、イってませんわ…断じて」
「そんな、アレだけで?全然触ってないのに…」
「く、うぅ…び、びちぐそ、がぁ…調子に乗って…」

 まだ快楽で震える体を起こし、山田玩具シリーズへ手を伸ばす。
 どうも、朝日奈にペースを握られてしまう。こんなんじゃダメだ。
 反撃を許さないくらい、徹底的に攻めなければ、自分じゃない。


 ガチャ、と、冷たい金属が手首に触れ、錠の閉じる音。
「えっ?あ…」
 何事か、と、手を動かそうとして、朝日奈はすぐに気が付いた。
 左手を動かそうとすると、右手が引っ張られる。逆も、同様。
「手、錠?」
「はぁ…っ、こんなものまで持っているなんて…ホントにあの腐れラードは…でも、今回は役に立ちましたわ」
 さらにどうやって掛けたのか(実際は鎖をベッドの柱に括りつけているだけだが)、両手が頭の位置で固定されてしまっている。
 目隠しをされ、手錠で自由を奪われ、上半身をはだけ、これだけすれば、もう抵抗はできないだろう。
「今度こそ…今度こそ、私のターンですわ…」