霧切「…苗木君、何をしているの?」
苗木「パズルゲームだよ。山田君に借りたんだ」
霧「…あまり感心しないわね。学生の本分は勉強よ」
苗「霧切さんはゲームは……、しないよね」
霧「そうね。そんな時間も無いし」
苗「でも、霧切さんは頭の回転が速いから…パズルゲームとかは得意そうなんだけどな」
霧「買いかぶりすぎよ。……その、ぱずるげーむというのは何なのかしら?」
―――――
霧「なるほど。だいたい操作は覚えたわ」
苗「ちょっと対戦でもやってみる?」
霧「…まあ、一度くらいならいいかもしれないわね」
―――――
苗「うわあ…思った通り、霧切さんパズル強いね」
霧「……。なんでもないわ、こんなの」
苗「ううん、初心者なのにすごいよ。僕なんか、全然歯も立たなかった」
霧「……」
苗(ちょっと嬉しそうというか、得意げだ…)
不二咲「あれ、二人とも何してるの?」
苗「ああ、不二咲さん。山田君にパズルゲーム借りて、霧切さんに教えてたんだ」
霧「…私は苗木君に付き合っていただけよ」
不「あ、この落ちゲー懐かしいなぁ!昔ハマってたんだよねぇ」
霧「――あら、じゃあ勝負でもしてみる?」
不「え?うーん、いいけど…最近やってなかったから、操作覚えてるかなぁ」
苗「……霧切さん、止めておいた方が」
霧「苗木君、見ていなさい。さっきよりももっと巧みにに連鎖を組んで見せるわ」
苗「いや、あのね、」
霧「大丈夫よ。不二咲さんに合わせて、ちゃんと手加減はするから」
不「…」
―――――
霧「……十五連鎖、ですって…?」
不「…あ、ちょっと待って、もう一セット行くねぇ」
霧「! む、無理よ!そんなに入らな……あっ、あ……」
苗(うわあ、瞬殺だ…だから言ったのに…相手は超高校級のプログラマーなんだから)
苗(それにしても容赦ないなぁ…不二咲さんも、さすがに素人に『手加減』とか言われたら…ムカっとしたんだろうなぁ)
不「ふぅ、勝っちゃった。久しぶりにやったけれど、楽しかったなぁ」
霧「……」
不「あ、霧切さん。手加減してくれたんだよね、ありがとうねぇ」
霧「…!!」
不「じゃ、僕もう行くから。またねぇ」
霧「……っ」
苗(顔真っ赤にしてうつむいてる…よっぽど瞬殺が悔しかったのかな)
苗「あの、霧切さん…こういうときもあるよ」
霧「……」
苗「ホラ、僕でよければまた対戦相手になるから…」
霧「――」
苗「…へ?」
霧「……、やっぱり時間の無駄だった、と言ったのよ…全っ然つまらないわ、こんなもの…!」
苗「あの…霧切さん?」
霧「…苗木君。あなた、こんな無駄なものに時間を割いている暇はあるの?明日の課題は?」
苗「明日土曜日だけど」
霧「終わってないのね?なら、早く済ませましょう。手伝ってあげるから」
苗「いや、僕はもう少しやってくから、霧切さんは先に帰tt」
霧「――二度は言わないわ。帰って私と一緒に楽しく勉強するか、二度とゲームの出来ない体になるか、選びなさい」
苗「か、帰ります…」
苗(霧切さん、すごく不機嫌だ…やっぱりプライド高いから、負けたのが悔しいんだろうな)
霧(みっともない無様な姿を見せて…たまには、苗木君にいいとこ見せられると思ったのに)
最終更新:2011年07月15日 20:02