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時間はもうすっかり暗くなった夜の9時。
霧切さんと苗木くんの二人は、浮気調査のため公園にある木の影に潜むように立っていた。
ターゲットが愛人らしき人物と公園に入っていくのが見えたからだ。

霧切「こんな時間にこんな場所で女性と二人きり…ほぼクロで間違いないでしょうけど
    一応証拠写真まで抑えておくわよ。」

苗木「…20Mぐらいしか離れてないけど大丈夫かな?」

霧切「この位置じゃないと写真は狙えないわ。…他に隠れるところも無いみたいだし。
    それにここは他に人も多い。よほど目立った動きでもしない限り私たちが勘付かれる事は無いわ。」

苗木「ちょっと、霧切さん、ターゲットがこっちに来る!」

霧切「…!」 ぎゅっ

苗木「(い、いきなり抱きついてきてどうしたの霧切さん…?は、離してくれないと動けないよ)」

霧切「(馬鹿ね。ターゲットが近づいてた来たからってわたわた逃げ出したら
    私達が付け回してる、って教えてやるようなもんじゃない。
    ここは、カップルのふりをしてやり過ごすのが一番よ。)」

苗木「(カ、カップルって…霧切さん、それじゃ抱きつき方が不自然だよ。
    これじゃ抱き合ってるっていうより、霧切さんが僕を拘束してるように見えるよ…!
    僕の両腕完全にロックされてるじゃん!)」

霧切「(…不自然なの?こんなことやったこと無いから…)」

苗木「(まず力を抜いて…そう、お互いの手がお互いの背中に回るように…するんじゃないかな。
    そして顔と顔を近づけて…後は…)」

霧切「(…後は…?)」

苗木「(…え、えーと…キ、キス…とか?)」

霧切「(し、したことない)」

苗木「(ぼ、僕もない。)」

霧切「(…な、何事も経験よね。リアリティを出すためにも必要だし…す、するわよ?)」

苗木「(う、うん。…い、いや!僕からするよ!こういうのは男の務めだし!)」

霧切「(そ、そう。わかったわ…)」

苗木「…」

霧切「…」

顔を赤らめ見つめ合う二人。
ターゲットを見失ったと気づくのは、この5分後の事であった。



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