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今日は彼をよく見かける。
それも、朝日奈さんにセレスさん、そして舞園さん達女の子と話している彼の姿を。

――痛い

怪我をしたわけじゃない。
でも痛む。どうしてか分からないけど、私の胸がチクリと痛む。


「霧切さん!」

彼に呼ばれて今度は私の胸が高鳴る。けれど――

「……何の用?」

私はいつも冷たい態度しか取れない……悔しい……
ほら、また困った顔をさせてしまっている。


「霧切さん? どうして、泣いてるの……?」
「……え?」

彼が心配そうに私の顔を覗き込む。
自分が知らず知らず泣いていたことと、彼の顔が近いことに戸惑って私は顔を逸らして――

「なんでもないわ……あなたには、関係ない……」

そうやって突き放してしまう。
舞園さん達みたいに、素直になりたいのに。

歯がゆくて、唇を噛んだ――その時、私の手に温かいぬくもりを感じて思わず顔を上げた。

「ボクには、関係ある。大事な仲間だから、そんな顔されて放っておけるわけないでしょう?」

私の手を包む彼の手がギュッと一層しっかりと包み込んだ。

――仲間、か

「……そう、じゃあ"仲間"として話を聞いてくれるかしら、苗木君」

もっと素直になりたい。少しで良い。1ミリで良いから。

――せめてあなたの前では普通の女の子でいたい
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