k20_422-423

その日、苗木と霧切は、学校祭の準備のために、一緒に街へ買い物に出掛けていた
帰り道 準備の段取り等を相談しながら、人気の無い裏通りを歩いていると、
前方から、見るからに不良と思える外見の高校生が、5人ほど歩いてくるのを発見
特に気にも留めずに通り過ぎようとしたが、すれ違いざまに、不良の一人が不自然に肩を揺らしてきて、それが苗木にぶつかった

苗木が謝罪しようとしたが、不良は「ごめんで済むかよ小僧!!」と凄み、慰謝料払えだとか無理難題を押し付けてくる
おそらく、最初から因縁を付ける目的で、わざとぶつかってきたのだろう

だが、霧切もこういう時には一歩も引かない性格だ
「あなたがぶつかってきたんだから あなたの方が謝りなさい」と毅然と言い返す
カッとなった不良が霧切の手を掴もうとすると、霧切は目にも留まらぬ手刀でそれを払いのけた
こうなると仲間が見ている手前、不良の方もただで済ますわけにはいかない

一触即発のその時、苗木が二人の間に割って入り、突然、土下座した
「ごめんなさい 何でもしますから、どうか許してください」 額を地面に擦り付けて謝る苗木
「うるせぇ、ちびは黙ってろ」 不良はそう言って、苗木を押しのけた
少しこずいた程度に見えたが、打ちどころが悪かったのか、苗木は膝をついて「い、痛い…」と言って顔を歪める

「へ、弱っちい野郎だな そっちのねーちゃんもこんな弱虫相手にしないで、俺らに乗り換えた方がいいんじゃねぇかぁ?」
不良たちは、そう二人を嘲りながら去って行った

霧切「大丈夫?苗木君」
苗木「え?ああ大丈夫だよ、痛がっていたのはただの演技だしね
    ああすれば、あいつらも気が済むと思って」
霧切は苗木の顔をしばらく見つめた後、ちょっと怒ったような顔をして、さっさと歩きだした

苗木「ね、ねえ、霧切さん 何を怒っているの?」
霧切「……」
苗木「まあ…あまりカッコ良くはなかったかもしれないけど…」
霧切「かっこ悪い」
苗木「か、かっこ悪いって
    仕方ないじゃないか だって相手はあんな大勢で…」
霧切「カッ・コ・悪・い」

そのあまりにもはっきりとした物言いに、流石の苗木も落ち込んだ
(やっぱり自分のような凡人と霧切さんとでは釣り合わなかったのかな…)
そう思った瞬間、苗木の頭に、何かが覆いかぶさってくるのを感じた

次の瞬間、ほほに柔らかい感覚 霧切の切れ長の瞳が目の前にあった
彼女は、いたずらっ子みたいに少し微笑んで、そして苗木の耳元に口を寄せ、こうささやいたんだ

霧切「カッコ悪い苗木君、…でも、さっきはカッコ良かったわ
   だって、苗木君なりのやり方で私を守ってくれたんだからね」
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