Diabolus ◆JOKER/0r3g


 G-1エリア、廃工場内。
 始まってから既に18時間ほどが経過しようというこの殺し合いの中で、最も早く立ち入りを禁止されたはずの場所。
 参加者の誰も存在しないその場所で、今二人の異形がぶつかり合っていた。

 いや、彼らはどちらも、この殺し合いにおける参加者の定義には当てはまらなかったか。
 彼らのうち片方、甲蟹の意匠を身に刻んだ紫の異形は既に参加者としては死亡し、もう片方、蟋蟀を思わせる造形をした緑の異形はもとより主催の手のものなのだから。
 では、世界の存亡をかけたはずの殺し合いに、決して縛られることはないはずの彼らが、なぜ戦っているのか。

 その答えは至極単純。
 それは、そんな大義名分など関係ないほどに彼らは生まれながらの敵対者同士であり、また例えどんな状況であってもその顔を突き合わせたからには戦わずにはいられない、細胞レベルで認識された宿敵同士だったからだ。

 「ガアッ!」

 理性を一切感じさせない獣の様な雄叫びを上げて、甲蟹の怪人、カッシスワームが剣そのものである左腕を敵に向けて振り下ろす。

 「フン」

 だが、紛れもなく達人の業で放たれたその一撃を、緑の異形、グリラスワームはその鋼鉄よりも固い甲殻で受け止めた。
 彼らの戦いが始まってから、もうどれだけの時間が経っただろう。
 互いに首輪による制限さえ存在しない今となっては、ただ二人しか存在しないこの廃工場内に流れる時間の速さなど両者にはもう関係のないものだ。

 そして、彼らの時間感覚を狂わせる理由は、もう一つ存在する。
 それは――。

 「クロックアップッ!」

 カッシスの剣を受け止めそのまま反撃を企てたグリラスの拳が放たれるより早く、カッシスは一瞬で間合いを離し回避する。
 それに舌打ちを鳴らしながらほんの一瞬遅れて、対峙するグリラスもクロックアップを行使して、カッシスを視界に収め、しかしそこでそれ以上の戦闘を行うこともなく両者共に通常の時間軸へと舞い戻った。
 そうこれこそが、彼らが実時間でどれだけの戦闘を経ているのかが分からなくなった最大の理由。

 この長い戦いの中で、どちらかが相手への有効打を放ちそうになると、攻撃を受けそうになった側は一瞬だけクロックアップを利用しそれを回避する。
 無論相手もクロックアップを制限なしに使用できるのだからそのまま反撃に転じることは出来ないが、しかし相手が高速空間に移行するまでのその一瞬だけで彼らには十分。
 相手の反撃を潰し間合いから逃れ、必要以上のクロックアップ使用による体力消耗を防ぐためにそこで能力の行使を終了する。

 それがこの戦いで幾度となく繰り広げられた鬼気迫る一瞬の命のやり取りの明示化であり、またそれだけの時間を費やしてもなお互いに決め手を放てない理由であった。

 (なるほどな。ネイティブ最強の力というのもあながち驕りではない、か)

 そしてそんな現状を認知しながら、しかし焦りを見せることはなくカッシスは思考する。
 対峙するグリラスの実力は、なるほど確かに今までに自分が見てきたネイティブワームの中でも最上位のもの。
 というより、ワームに比べどちらかといえば武力よりも技術力に優れる印象であったネイティブの中で考えれば、なるほどライダーシステムさえ必要とせずこの強さとは頭一つ抜けていると見てまず間違いない。

 少なくとも現状、自分とグリラスとは互角なようで、その実敵の元来よりの強固さに自分が攻めあぐねているという事実を、カッシスは認めざるを得なかった。

 (せめてフリーズがあれば……な)

 故に、求めてしまう。
 戦況をいやおうなしに自分優位に進められる、あの最強の能力を。
 とはいえフリーズもまた考えなしに使って問答無用に勝利を掴めるような都合のいい能力ではないことも、乃木は理解している。

 例えグリラスを相手にそれが使用できたとしても、あの硬い甲殻を時間内に削り切れなければ自分が刈り取られるだろうとも思えた分だけ、彼は重なる敗北に学ぶことが出来ていたのかもしれない。

 (いや、ないものねだりはするだけ無駄、か)

 故に、そこで思考を切り替える。
 どうせ今の自分にはフリーズなど使えないのだ。
 であればこんな思考は、この強敵を前には隙になるだけ。

 無理矢理に脳から無駄な思考を切り離し、カッシスは構える。
 ワーム最高峰の脳で理屈を考える首領のものから、ただ敵を打ち倒すことだけを考える獣のものへ思考を切り替えたのを示すように、彼は低く唸り喉を鳴らして。
 次の瞬間にはもう、彼はグリラスに向け飛び掛かっていた。

 「ジェアァッ!」

 低い姿勢で飛び込んだカッシスは、そのままグリラスに向け腕ごと剣を振るった。
 だが最早自明の理として、その剣は敵の強固な甲殻に弾かれ火花を散らしただけで、さしたダメージには繋がらない。
 とはいえそれは既に把握済み。大した困惑を示すこともなく、彼は再度その腕を振り下ろした。

 「ライダースラッシュ!」

 先ほどの再現かのように思われたその剣は、しかし此度はその刀身を紫に染め上げていた。
 タキオン粒子迸るその一撃は、仮面ライダーサソードの必殺技であるライダースラッシュと同等の威力を誇るもの。
 自身の剣を前にここまでの防御力を示す敵にはこの一撃も決定打にはなりえないだろうが、しかしグリラスの顔に張り付いた仏頂面を引き剥がすには十分なはずだった。

 「グ……ッ!」

 果たしてカッシスのライダースラッシュは、問題なくグリラスの身を切り裂いた。
 両断することは叶わないながらも、その分厚い甲殻に剣先が減り込んで、人間の証拠である赤から緑に変貌した醜い血を伝わせたのだ。
 これには歴戦のカッシスも確かな手応えを覚え……、しかし瞬間その顔から笑みは消え失せた。

 グリラスの甲殻に減り込んだ自身の腕が、抜けない。
 まるでその身体全体でがっちりと剣そのものを押さえつけているようなこの状況に、さしもの彼と言えど困惑を示さずにはいられなかった。

 「……ようやく、捕まえたぞ」

 その場から逃れようと四苦八苦するカッシスを前に、グリラスは珍しく喜色を露わにして気味の悪い笑みを浮かべた。
 まるでこの瞬間を待ち望んでいたとさえ言いたげなそれに、カッシスは本能的な逃走への欲求を感じ……しかし終ぞ彼の左腕がグリラスの元を離れることはなかった。

 「フン!」

 グリラスが気合を込めた声で、一つ叫んだ。
 何が起こるにせよそれにどうにか対応しようとカッシスは身悶えするが、しかしもう遅い。
 彼が何らかの対処行動を起こすより早く、グリラスの肩に生えた二本の鉤状の触手が、その腹に深く突き刺さっていたからだ。

 「グオアアアァァァ!!!!」

 唐突に訪れた最上級のダメージに、カッシスが叫ぶ。
 腕とは異なる、中距離への攻撃に特化したグリラスの持つ触手が自身の腹部内を蹂躙し掻きまわした痛みは、ワームの王を以てしてなお絶叫を禁じ得ないほどの痛みを齎したのである。
 だが、そのまま勝負を決めようとグリラスが振り上げた拳をただ甘受するほど、カッシスは痛みに我を忘れてはいなかった。

 「……喰らえッ!」

 言葉と同時彼が翳した右の掌から吐き出されるは、暴力的なまでの威力を秘めた闇の塊。
 かの昇り行く究極より直接吸収した今のカッシスが持ちうる最強の必殺技は、この至近距離での照射であることも含めてグリラスに初めてダメージらしいダメージを齎した。
 予想だにしなかったその威力に動きを止めたグリラスは、しかしカッシスの腹から触手を引き抜く愚は犯さない。

 そして両者共に、そこで理解する。
 腹に触手が深々と刺さったままのカッシスが折れるのが先か、高密度の闇を全身に浴び続けるグリラスが折れるのが先か。
 これは言わば互いのプライドをかけた一種のチキンレースなのだと。

 「ガアッ!」

 微塵も知性を感じさせない雄叫びと共に、グリラスがその身をよじる。
 カッシスは一瞬敵がついにダメージに耐えられなくなったのかと疑うが、違う。
 身体の角度を操ることでその肩についている触手をより鋭角に、より深く自分に突き刺そうとしているのだ。

 「グオォ……!」

 相当な強度を誇るはずの甲殻でも貫通するほどに鋭いそれを、より柔らかい体内が受け止められるはずもない。
 ズブズブと体の奥深くに沈んでいく触手に強烈な異物感と吐き気を催すほどの熱気を覚えつつ、しかしカッシスはその手から放つ暗黒掌波動をやめはしない。
 ここで自分が折れることは、この場での自分の敗北を意味するだけではなく、ネイティブなどという圧倒的弱者に誇り高きワームが敗北することまで意味するのだ。

 腹部からの失血故か遠のきゆく意識を何とか繋ぎ止めて、全てのワームの意地をも乗せてカッシスは大きく叫んだ。

 「――ライダー……キック!」

 その右手から暗黒掌波動を放ちながら、カッシスは右足にタキオン粒子を集わせる。
 右足に集積したエネルギーが臨界点を迎えると同時、気合いと共に彼は思い切り回し蹴りを放った。
 次の瞬間、ドン、という生体同士がぶつかり合う音とは到底思えないような重低音を響かせて、彼の足はグリラスの身体を揺らす。

 「グアァ……!」

 だが瞬間、その身体を迸った痛みに対し苦悶の声を漏らしたのは、カッシスだった。
 どういうことだと困惑を露わにしたカッシスを前に、必殺技の直撃をものともせずグリラスは未だ健在。
 どころか、ようやく事が終わったかとばかりに得意げに鼻を鳴らして。

 「フン、戦い方を知らない虫けらはこれだから困るな……」

 捨て台詞のように吐き捨てたグリラスに対し皮肉を返すより早く、一刻も早い状況判断のために自身の右足を見やったカッシス。
 らしくない焦燥を含んだ彼の瞳が、次の瞬間映したものは。
 グリラスの左手に、植え付けられたかのように不自然な形状で存在する鋭利な鉤爪が、ライダーキックの勢いをも利用して自身の足を貫通している光景だった。

 「何が起きたのか分からない……という顔をしているな?
 愚か者が。私が予め構えていたこの腕に、最高の角度で蹴り込んできたのはお前の方だろう?最も、お前からは自分の発生させた闇で見えなかっただろうがな」

 グリラスが薄気味の悪い笑みを携えながら皮肉を吐く。
 奴の言うことを噛み砕くと、つまりはこういうことになる。
 『グリラスはこの硬直状態に陥った際に自分がライダーキックを放つことを予期していて、それに対するカウンターとして腕をそこに置いただけ』なのだ。

 そうとも知らず突っ込んでしまったのは、彼の言うとおり自身が発生させた闇に視界を阻害された為か、それとも腹部からの出血故に勝負を急いでしまったか。
 ともかく、カッシスの勿体ぶったような長々とした勝利宣言などは、既にカッシスの耳には入っていなかった。
 相手の口にするしょうもない言葉にいちいち反論をしていられるほど、今の自分に余裕がないことを、分かっていたから。

 だがそうして必死に捻出した思考の時間をも、グリラスは長く与えない。

 「フン、もう耳障りな言葉を発する余裕もないようだな。それなら――私の勝ちだぁぁぁぁ!!!」

 激情を露わに叫んだグリラスは、カッシスの右足から鉤爪を、腹から触手をそれぞれ勢いよく引き抜く。
 それに一層出血を深めながらクロックアップを駆使して敵の射程範囲内から離れようとして、しかしカッシスは動けない。
 未だ自身の剣が、左腕ごとグリラスの甲殻にめり込んで未だ離れないのである。

 「オアァァッ!!!」

 だが互いを不本意ながら繋いでいたその半強制的な拘束は、次の瞬間に終わりを告げた。
 相当な硬度を誇るはずのカッシスの左腕は、グリラスが叫びと共に振り下ろした鉤爪に切り裂かれ遂にその身体から別たれてしまったのだから。

 「グォ、オオオオオォォォォ!!!」

 「ハハハ、ハハハハハハ!いい気味だ、このゴミ虫が!ハハハハハハ――!!!」

 絶叫と共に、肘から先を失った左腕を押さえながら、カッシスは呻く。
 そんな無様な彼の姿を前に、自分がワームを直接に追い詰めている、という状況に愉悦を抑えきれない様子で笑うグリラスは、今一度ネイティブとなった自分の身体をこれ以上ない誇りに思った。
 人間であった頃は下らない武器に頼らなければ抵抗もままならなかったワーム、その中でも最高峰の実力者を前に、自分は圧倒的優位に立っている。

 だが、それも当然と言えば当然か。
 マスクドライダーシステムの鎧に用いられるヒヒイロノカネをさえ容易に打ち砕けるオオヒヒイロノガネ。
 それをふんだんに用いた自身の鉤爪を前に、戦い方も知らないような薄汚い虫けらが単独で敵うわけもない。

 元々誰よりも力への固執が強かった彼にとって、何らの道具さえ用いない、己が身体が敵を追い詰めているという実感は、これ以上なく幸福感を刺激されるものだった。
 だが瞬間、その笑い声は止む。
 これ以上化け物が苦しむだけの光景を見ていても目に毒なだけだとでも言うように溜息一つ吐き出して、グリラスはそのままいつもの、鉄仮面のように代わり映えしない無表情をその顔に張り付けた。

 「ガ、ア……」

 対するカッシスは、徐々にその距離を狭めるグリラスを前に、ただ弱弱しく嗚咽を漏らすのみ。
 得意の頭脳さえ右足と腹、そして失われた左腕の肘から激流のように押し寄せる痛みの前にろくに働きはしない。
 今度こそ、本当に万事休すなのか。ワームは、単身ではネイティブに劣る有象無象だということを、認めなければならないというのか。

 それを認めるあまりの悔しさとしかし一人では到底覆しえない結論にカッシスはただ獣のように咆哮したい衝動を覚え――。
 しかし瞬間目の前に迫っていたグリラスが突然に闇に飲み込まれたことで、それをやめた。

 「なッ――?」

 思わず、驚愕が漏れる。
 何が起きたのか理解できないままにただ茫然とその闇の出所を振り返れば、その先にあったのは――あぁ認めたくはないが待ち望んでいた――最高の救援であった。

 「おいおいどうした?随分と良いようにやられたようだな?」

 皮肉を吐いたその紫の影は、その頭部から生える角の有無を除けばまさしく自分自身。
 そう、この第三の命によって与えられた、もう一人の自分その人であった。

 「こんなものが……効くか……!」

 だがそんな援軍を素直に喜ぶよりも早く、彼はもう一人の自分が放った暗黒掌波動の中で少しずつ、しかし着実に自分に向けて突き進んでいるグリラスの声を聴いた。
 こうして見る分にはなるほどこの男もまたライジングアルティメットにも相応しかねない防御力を誇っているのかもしれないが、しかしそれを自慢できるのもこれまでだ。

 「フン!」

 残された力を振り絞って、目前にまで迫ったグリラスに向けて自身も暗黒掌波動を放射する。

 「――グアアァァァッ!」

 さしものグリラスといえどこの会場内有数の威力を誇る必殺技を二発も受けてしまえばただではすまない。
 暗黒掌波動によるインパクトを前にその巨体は火花を散らしながら宙を舞い、見事な放物線を描いて廃工場内に積み上げられた木箱の上に落下した。
 だがそれでそのまま敗北に至るほど三島は軟ではない。

 自身の身体の上に撒き散らされた木片を勢いよく弾き飛ばしながら、一瞬で飛び上がる。

 「ガアァッ!」

 だが、すぐさまに立ち上がり戦いを続けようとした彼を待っていたのは、ただ廃工場内に木霊する自身の咆哮のみだった。
 そして、察する。つまり奴は、自分を前に逃げたのだと。

 「……所詮は、数で押すしか知らない虫けら、か」

 状況を理解し、突然冷めたように落ち着きを取り戻した彼は、そのままネイティブとしての身体から三島正人の姿へと擬態する。
 そうしてゆっくりと自身の胸ポケットに収めた眼鏡をかけなおす頃には、もう彼から先ほどまでの闘争本能に支配されたような獣染みた雰囲気は消え失せていた。
 どころかまるでもう、乃木との戦いになど興味はないとばかりに踵を返して、そこでふと思う。

 まさかとは思うが、あの乃木が、この先に待つこのエリアの秘密を手に入れようと未だ近くにいる可能性があるのではないか、と。

 「……一応、確認しておくか」

 まずそんなことはあり得ないと思うが、万が一ということもあり得る。
 ゆっくりと、しかし警戒は怠らず奇襲にたけるワームであれど逃げきれないほどの注意を払いながらそのまま少しの間歩き続けて、彼は目当てのものの前へと辿り着いた。
 果たして自分がこのエリアを任された最大の理由である“それ”は、全くの無事であった。

 乃木ももうこのエリアにいないのだろうことは確認したし、もう問題はないはずだ。
 そうしてようやく人並みの安堵を抱いた彼の、目の先にあるそれ。
 大ショッカーが直々に幹部を設置してまで隠そうとしたその“鍵のかかった車”は、この18時間未だ誰に触れられることもなくそこに在り続けていた。


【二日目 早朝】
【G-1 廃工場】

【三島正人@仮面ライダーカブト】
【時間軸】死亡後
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)
【装備】なし
【道具】なし
【思考・状況】
0:このG-1エリアをなんとしても死守する。
【備考】
※大ショッカーより送り込まれた刺客の一人です。
キング@仮面ライダー剣とは違い明確にこの場所を守る為だけに派遣されました。余程のことがない限りこの場所を動くつもりはありません。

【備考】
※G-1エリアにある三島の守っている秘密とは「車@???」の存在でした。ちなみにこの車には鍵が掛かっており、運転席は勿論荷台にも同様の鍵で開くと見られます。
※なぜこの車を大ショッカーが秘匿したがったのかは秘密です。秘匿したかったのは車そのものなのか、それとも荷台の中の荷物なのか、或いは車そのものや中身には大した理由はなく参加者ではない乃木が第一発見者となることを避けたかったのかもしれませんが現状は不明です。
※荷台に何が入っているのか等は後続の書き手さんにお任せします。



 ◆


 「……どうやら、廃工場の外にまでは追ってこないようだな」

 言外にこれ以上俺の肩を煩わせるなと示したもう一人の自分の声に従って、左腕を失った乃木はその場に力なく座り込んだ。
 怪我人相手に随分なことをしてくれるものだと人間諸君なら思うかもしれないが、ワームである乃木にとってはこのくらいのドライな関係のほうがやりやすい。
 ましてや自分自身が相手なのだから、気遣いや無駄なやり取りも不要なのはこの傷ついた体には随分とありがたいことであった。

 そして勿論、ここまでの重傷を負い止血処理を残った右腕で懸命に行っているからと言って時間を浪費するほど、“俺”が愚かでないことも、理解している。

 「あの男、報告に聞いた三島正人と見たが、なぜ奴がネイティブになっている?一体何があった」

 ほら来たぞ、と内心で思う。
 幾ら姿形記憶能力全て同じ“自分”が傷ついたからといって、我々ワームに慈悲の心はない。
 貪欲に情報を欲する相方の問いに対し、しかし乃木は冷静に返す。

 「さぁな。だが奴はどうやら大ショッカーの幹部になったらしい。
 我々の考えた大ショッカーが隠したい秘密、とやらはあそこにあるとみてほぼ間違いないようだ」

 「そうか」

 短い返答。
 だがその表情からは、僅かに困惑したようなものが見て取れる。
 とはいえ、自分をこうして容易く拉致してきた相手の秘密が存外簡単に見つかったとなれば警戒しても当然か。

 それにA-4エリアに向かうという当初の目的も意味のないものになったのだから、これから先の身の振り方を考えてしかるべきだった。
 と、そこまで考えて、左腕を口と右腕を器用に使って一際強く縛り付けた後、乃木はようやく笑みを浮かべた。

 「さて、俺は聞かれたことに答えたぞ。次はお前の番だ」

 「……何のことだ」

 「すっとぼけなくていい。“俺”が聞きたいことは分かっているだろう?」

 その言葉を受けて、もう一人の乃木は極めて罰が悪そうに眼を背けた。
 改めて彼をよく見れば、その身に刻まれた傷は――自分に比べれば天地の差だが――それなりに深い。
 バイクさえ自分から奪い取ったというのにおめおめと自分の元へトンボ返りしたというこの状況は、幾ら危機一髪の局面を救った救世主面していたところで無視できないところである。

 そしてそれを一番に理解しているのはもう一人の乃木も同じ。
 少しばかりの逡巡を経た後に、その重い口を開いた。

 「……間宮麗奈と会ってな。信じがたいことにワームとしての記憶を保持したままに人間の心を持ち俺を出し抜こうとしてきた」

 「あの間宮麗奈がな……珍しいこともあったものだ」

 どことなくただの世間話のように流しながら、しかし乃木は催促するように目でもう一人の自分に合図する。
 間宮麗奈如きにいいように自分がやられるとは思っていないのだろう。
 まぁ、まさしくそれは正解なのだから、この状況で隠し事を出来るはずもないのだが。

 「……彼女を処刑すべく戦いを進めていたが、あと一歩というところで門矢士に出くわした」

 その名前を聞いて、乃木はオーバーリアクション気味に右腕で眉間を押さえ首を振る。
 まさに「あーあーやっちまった」とでも言いたげに見えるその動作を前にもう一人の乃木は僅かにイラついた様子を見せ……、しかしすぐに目を逸らして続けた。

 「うまく彼を丸め込もうとしたが失敗してね。残念ながらこうして傷を負い体制を立て直すためにここに来たというわけだ」

 「なるほどな、そういうわけだったのか」

 そうして何事もないように返すが、しかし乃木も、またもう一人の乃木もとある事情に気付いている。
 それを認めるのは彼の著しく強大な尊厳を傷つけるもので……しかし今後生き残り目的を達成するためには必要なことだった。

 「どうやら、俺たちは最早変身制限がないことを踏まえたうえでもこの会場を単身で闊歩できるほどの実力を有していないらしいな」

 「……あぁ、そうだな」

 自身の発言に対する相方の一瞬の間。
 それを恐らくはそのプライドの高さ故、自分の実力がこの会場内でのランキングでは低い方から数えたほうが早いという事実を認めたくないという、そんな葛藤の表れなのだと勝手に納得して、乃木は続ける。

 「……とはいえまぁ俺のこの傷を考慮したうえでも、なお俺達二人がこうして合流できた今、大抵の敵には負けることもあるまい。
 取りあえずは少しの間傷を癒しながら間宮麗奈、門矢士らのような明確に俺たちに敵意を持っているだろう相手を避け、殺し合いに反対的な参加者との合流を目指すべきだな」

 そうして対主催集団の中でそれなりの立場を築けた後であれば、門矢士らもそう易々と自分たちと戦うわけにはいくまいと、言外にそう示して。
 今後の行動方針を纏めた乃木は、まずは打倒三島の決意と情報を持ってどうにか他参加者と合流する道を示し、もう一人の乃木に向けて自身に残された右手を伸ばす。
 肩を貸してくれという合図。自分がいなければ生きられないということさえ再認識させた今、それは当然に受理されるはずの要求だろうと。

 そう、“自分”を軽んじていた。
 思えばそれが、彼の最大の過ちだったのかもしれない。
 彼がそれに気付いたのは、自身の手を言葉もなくはねのけたもう一人の自分の、あまりに冷たい表情を見たためだった。

 「――なんのつもりだ?」

 怒気を込めて、乃木は問う。
 まさか腕を失い一人で立つこともままならない自分を嘲るという、そんな下らない目的の為だけにこんな無駄な動作をすることもあるまい。
 こんな時間は無駄なだけではないかと言外に批難する乃木を前にしかし、もう一人の乃木は冷ややかに笑った。

 「いや、何、この第三の命で生き返った瞬間から一つ、試してみたいことがあってね」

 「なんだと?」

 今の自分と紛れもなく同じ顔をしているはずだというのに、もう一人の自分が浮かべている表情の下には底知らない悪意とそして何よりの好奇心を感じる。
 我ながら不気味だとゾッとした心地を覚えた乃木は、僅かに身動ぎをして自分の腹を庇う様に後退った。

 「疑問に思ったことはなかったか?なぜそもそも自分の能力であるはずのフリーズや特定のエネルギーを用いた必殺技の吸収を、俺たちは新しい命の度に使えなくなるのか」

 もう一人の乃木は、勿体ぶったように語りだす。
 だがその顔に張り付いた邪悪な興味は常に自分を視線から外すことはなく、目だけで逃がす気はないと示すかのようだった。
 そんな彼を僅かに恐れ再び後退った乃木を気にすることもなく、話は続く。

 「勿論、俺たちにもそれぞれの能力の原理はよく分からん。
 そんな能力を使えこなせなくなっても、無理はないのかもしれん」

 だがな、と言いながら、見せつけるように両手を大きく広げ。

 「だが、考察を重ねることは出来る。最初は以前に殺害された時の理由を潰すように進化した結果なのではないかと思った。
 時間停止を見越した時間差の必殺技に敗北したからそれを受け止められるように必殺技の吸収能力を。
 必殺技さえ用いない、しかし並のライダーのそれよりも遥かに強い打撃を放てる存在を……ライジングアルティメットを知った為に、そんな規格外に対処できるように複製を」

 ここで話している彼らが知る所以はないが、この理論には、より強くそれを裏付けられる根拠が存在する。
 それは元の世界で彼らがカッシスワーム・グラディウスとして敗北した際の事象。
 その命における直接の死因はカブトが放ったマキシマムハイパーサイクロンによる粒子分解であるものの、それをただ享受せざるを得ないようなダメージを受けたのは、三人の仮面ライダーによる同時攻撃をその身が吸収しきれなかったためだ。

 この世界でも元の世界でも、「必殺技の単一的な吸収では事足りない」と判断した為にその身体を二つに別ったのではないかという推論は十分に説得力を持つものだろう。

 「……そんなことを話して何になる?
 まさかそんな下らない、答えの出ないご高説を披露するのが目的か?」

 思わず声を怒りに震わせながら、乃木は問う。
 失血死こそないだろうとはいえ、ダメージの大きい自分にとって、こんな下らない話に付き合っている時間はない。
 だがそうして結論を急ぐ乃木の姿さえ愉快だとばかりに鼻を鳴らして、もう一人の自分はなおも話を続ける。

 「まぁまぁ、そう言うな。……とはいえそうだな、俺が考えていたのはずばりそこなんだ。
 この話は、考えても答えが出ない。そうして切り捨ててしまうのはあまりに勿体ない気がしてね」

 「はぁ?」

 今度こそ困惑を込めて、乃木はただ疑問符を浮かべた。
 まるで言っている意味が分からない。
 或いは――そう思い込みたかったのかもしれない。

 その先に待つ答えが、あまりに恐ろしいものだから。

 「間宮麗奈がワームでありながら人間として生きたいと言い切ったのを見て、俺も少しばかり答えの出ない問いに興じてみてもいいかもと思ったのさ。
 そうして考えるうち、もう一つ疑問が浮かんできた」

 「新しい疑問だと?」

 最早もう一人の自分の話す推論に付き合う以外ないらしいと観念したか、乃木はテンポよく問いを投げる。
 それに気をよくしたか、もう一人の乃木はその笑みを深め続けた。

 「あぁ、俺は疑問に思ったのさ……俺たちのこの形態は、この乃木怜治の最後の命を費やしたにしては、あまりに弱すぎるのではないか、とね」 

 「それは……」

 もう一人の乃木が提示した疑問に、思わず言葉を詰まらせる。
 正直、思ってしまう。そんなこと言っても仕方ないではないかと。
 勿論、今までの能力そのままに二人に増えたなら、この第三の命はこれ以上なく強力なはずだった。

 しかし現実はそうではない。
 フリーズも必殺技吸収能力も失い、その果てに残されたのは先の命で吸収できた僅かな必殺技のみ。
 身体能力さえ一体一体は著しく低下し、ネイティブ最強のグリラスはともかく、あの間宮麗奈と互角などと第一の命の時では思いもよらなかったほどのパワーダウンを果たしている。

 とはいえ、それは先ほども言ったように話しても仕方のないことである。
 熱血教師染みた根性論を語りたいわけではないが、今は配られたカードで戦うしかないではないか。
 言葉を詰まらせた乃木に対し、もう一人の乃木は極めて流暢にその舌を回す。

 「だから考えてみた。
 考えても答えの出ない問いだとしても、もしもこうして二人に増えたことに意味があるとするなら、それはなんだろう、とね」

 「その様子からすると、答えは出たらしいな」

 「あぁ、勿論。とはいえ未だ確実な答えは出ていないがな」

 言ってもう一人の乃木はニヤリと不敵に笑って――しかし次の瞬間、その顔から表情は一辺に消え失せた。

 「なぁ……もしかしたら、こうして二人に増えたことは、一種の選別だと捉えることは出来ないか?」

 「選別だと?」

 思わずオウム返しに乃木は返す。
 だが何故だろう。ゆっくりとその足を自分に向けて進めだしたもう一人の自分の存在が、先ほどまでと違い威圧的に感じるのは。

 「そうさ。つまりはこの命の真価は、こんな出来損ないのコピーを増やすことにあるんじゃない。
 よく似た、本当に自分そっくりの存在を生み出した後で、どちらか優れている方を自然に選別することにある、そうは考えられないか?」

 「……そんなことをして、一体何の意味がある?」

 冷静にもう一人の自分と話を合わせながら、ゆっくり、ゆっくりと乃木は立ち上がることさえ出来ないままに徐々に後ろに退いていく。
 しかし、もう一人の乃木は常に自分を視界の隅に置き、自分と同じペースでこちらに向かって歩を進め続け、両者の間の距離は一向に広がらない。
 明らかに意図的なはずのこの静かな攻防を、しかし全く気づいてさえいないように振舞いながら、もう一人の乃木は一つ鼻を鳴らした。

 「……さぁな。だが人間が研究した生物学によれば、傍目には全く同じように見える一卵性の双子を全く同じように育てたとしても、それぞれ得手不得手が異なるということもあるらしい」

 不思議なものだな、と付け加えながら、彼はもう一歩足を進める。

 「なぁ、もしかしたらその中には、双子のうち片方の……そう、いわば不憫な奴が不得意としているようなこと全てを得意とする、そんな器用な奴もいるかもしれない。
 ……そうは思わないか?」

 もう一人の自分の問いかけに、乃木は身体から止めどなく冷や汗が吹き出すのを感じていた。
 だがしかし、それでもなお舌は止めない。
 それこそがワームとしての意地そのものだと言わんばかりに、彼は口を開いた。

 「……だが、その器用な奴が不得意とすることを、お前の言う不憫な奴が得意としている可能性だってあるかもしれないぞ?」

 「あぁ、そうだな。もしそうなれば、そいつらはきっと、自分の生まれながらの相棒に対してこう思うに違いない。
 『こいつさえいなければ、もしかしたら自分は全部を持って生まれてきたのかもしれない。自分の才能はこいつに吸われたに違いない』ってな」

 次の瞬間、ゴト、と音を立てて、乃木の背中に冷たい鉄の感触が伝わった。
 ――壁だ。先ほど必死こいて逃げてきた廃工場の壁。
 最早、退けるところはない。

 自身の全身に一瞬で駆け走った戦慄を察したか、もう一人の乃木は自分に向けてまた一歩、距離を狭める。

 「――まぁ、だからそう、つまり俺の試してみたいことというのはそれなんだ。
 もしも二人に増えた俺たちが再び一つになれたなら、或いはその時こそ俺たちの最後の命、それに相応しいだけの力を得られるのではないか、とね」

 冷たくそこまで言い放って、彼の身体は一瞬でおぞましい音を立て紫の異形へと変化する。
 その姿を前に自分も同じように変態しようとして、しかし出来ない。
 まるでこの身体が、自分の役目を終えたのを察しているかのように。

 「最後になるが……じゃあな“俺”。文句は言うまい?
 『弱い奴は餌になる』それが俺たちの掟だと、貴様も知っての通りだろうからな」

 「待ッ――!」

 乃木が放った必死の抗議は、しかしもう聞き届けられることもなかった。
 彼がそれを言い終えるより早く、その身体はカッシスワームの腕に抱かれ――かつてガタックに苦戦したワームを、自らの糧にした時のように――粒子化し吸収されてしまったのだから。

【乃木怜治@仮面ライダーカブト 吸収】

 「オオオ……グオォォォォォォッッッ!!!」

 そしてもう一人の自分を吸収し、唯一無二の存在となったカッシスは、吠える。
 まるで、自分の中に沸き起こる力の奔流に突き動かされるように。
 同時、彼の身体はメキメキと音を立て変貌していく。

 その何も生えていなかった頭部からは、立派な一本角が天を衝かんと高く伸び、その甲殻もまた全体的に厚みを増し肩からはそれぞれ長い突起が生じる。
 そして同時に、今まで剣と盾とが生えていた両手もまた、止めどなく変化していく。
 レイピアに、剣に盾に、或いは人間の様な五本指に。

 ――数舜の後、今自分に起こった変貌を全て理解したカッシスは、理解する。
 今の自分には、これまでの形態の能力全てが備わっている。
 時間停止も、必殺技の吸収も。

 そして同時、この形態そのものが持つ戦闘力も、これまでの比ではない。
 恐らくは今この姿であれば、ライジングアルティメットとて単身で相手どれるに違いない。
 故に彼は、確信する。

 この姿こそが、自身最後の命に相応しい究極の姿だと。

 そう今こうして誕生したこの新たな姿は当然、ディミディウス(半分)でも、グラディウス(剣)でも、クリペウス(盾)でもない。
 今までのカッシスワーム全ての能力を踏まえ、そして誕生した最強の戦士。
 なればこの形態を、敢えて今こう名付けよう。

 ――カッシスワーム・ディアボリウス(魔王)、と。

 そしてこの新たなカッシスワームの誕生に、誰よりも強く深く乃木怜治は歓喜する。

 「ククク、この力さえあれば、もう間宮麗奈も門矢士も相手ではない……!」

 そして彼が口にしたのは、先ほど自分に苦汁を飲ませた二人の忌々しい参加者の顔。
 今すぐにでも彼らを引き裂くために行動するべきか考えて、同時、脳裏に過ぎるは三島正人……グリラスワームとの生々しい戦いの記憶。

 その見たことのないはずのビジョンに、しかし乃木が動じることはない。
 何ということはない。ただもう一人の自分が吸収前に感じた全てが自分の中に還元されただけのこと。
 それこそ、ワームが人間に擬態したときに、その人間が持つ記憶や知識を全て手に入れられるのと同じだ。

 生まれながらに知っている当然の摂理がこうしたイレギュラーな事態でも発生したとして、今更乃木が動じるわけもない。
そんな些細な事象の是非よりも今考えなくてはいけないのは、自分がこのエリアの外と廃工場内、どちらに向かうべきかということだ。
間宮麗奈や門矢士を始めとして多くの参加者がはびこる会場に足を伸ばすか、それともこの新たな力を試すついでに三島正人との真に優れた種はどちらなのか雌雄を決するか。

自分は一体どうするべきかと逡巡思考して、そこで彼は第三回放送までもう残り10分ほどしかないことに気付く。
 ……まぁいい。どちらにせよこの身体の傷も、もう一人の自分を吸収し治癒力をも上げたとはいえ完全に無視できるものではないのだ。

 傷を癒やしながら放送を聞き、そこでもたらされた情報を整理した後にこの決断を下せば良い。
 そう、焦りは禁物だ。今はただこの新たな力がこの身体に馴染むまで、少しばかり休息を取るべきだろう。
 しかし、だからといってその瞳から戦意が陰ることはなく――どころかそこに写る復讐の炎は、より勢いを増して。

 「待っていろ、愚かな仮面ライダーとその協力者共、そして大ショッカーよ。
 貴様らの命が尽きるのも、もう時間の問題だ――!」

 力強く宣戦布告を果たして、乃木怜治は……ワームを統べる魔王は一人、廃工場を背に歩き出した。


【二日目 早朝】
【G-1 平原】


【乃木怜治@仮面ライダーカブト】
【時間軸】第44話 エリアZ進撃直前
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)
【装備】なし
【道具】ブラックファング@仮面ライダー剣
【思考・状況】
0:取りあえず放送までこの近辺で傷を癒やす
1:大ショッカーを潰すために戦力を集める。使えない奴は、餌にする。
2:状況次第では、ZECTのマスクドライダー資格者も利用する。
3:最終的には大ショッカーの技術を奪い、自分の世界を支配する。
4:志村純一を警戒。まったく信用していないため、証拠を掴めばすぐに始末したい。
5:乾は使い捨ての駒。
【備考】
※もう一人の自分を吸収したため、カッシスワーム・ディアボリウスになりました。
※これにより戦闘能力が向上しただけでなくフリーズ、必殺技の吸収能力を取り戻し、両手を今までの形態のどれでも好きなものに自由に変化させられる能力を得ました。
※現在覚えている技は、ライダーキック(ガタック)、ライダースラッシュ、暗黒掌波動の三つです。

131:飛び込んでく嵐の中(4) 投下順 133:未完成の僕たちに(1)
時系列順
130:居場所~place~ 乃木怜治(角なし) 140:夢に踊れ(前編)
127:What a wonderful worms 乃木怜治(角あり) GAME OVER
三島正人 152:第四回放送

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最終更新:2020年02月12日 14:26