夢見る少女


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「プロデューサーさん、おつかれさまです。」
「あ、小鳥さん、片付けおつかれさまでした。もうほとんど終わりましたかね?」
「ええ。ところで、春香ちゃん達は?」
「春香もやよいも、遊園地で遊んで行く気まんまんだったんですけど、控え室を出たところで、たまたまいた
ファンの人たちに囲まれちゃって、なんとか抜け出したところで、そのまま帰しました。」
「そうですか。二人とも終わった後も楽しみにしていたみたいなのに、ちょっと可哀想ですね。」
「まあ仕方ないですよ。じゃあ、我々も引き上げましょうか。」
「そうしましょう・・・あら?あの男の子は?」
小鳥さんの言う方を見ると、小さな男の子が泣いていた。ちょうど今泣き始めたところという感じである。
と、その真上を風船が空に舞い上がって行くではないか。
「あ、さっきのイベントで配った風船か!」
「ああ・・・これは、風船を配る企画をしたプロデューサーさんが、責任を取らないといけませんね。」
「責任・・・ですか?」
「はい。さあ、プロデューサーさんは、どうやってあの子を泣き止ませるんでしょう?ワクワクしますね。」
俺は直感した。小鳥さんがこういう言い方をする時は、すでに解答を用意してあるに違いない。
さもなくば、むしろオタオタわたわたするのは彼女の役回りなのだから。
「・・・降参です。風船も、もう全部撤収しちゃいましたし、俺には打つ手が見つかりません。」
「あら?今日はあきらめが早いんですね。仕方ないですね、明日のランチ、おごりですよ。」
そう言うと、小鳥さんは裏にまわって、黄色い風船を一つ、手に持って来た。
「そんなことだろうと思いましたよ。」
「うふふ、ランチ、約束ですよ。この風船は、私が自分で持って帰ろうと思って取っておいたんですから。」
「へえ、小鳥さん、年甲斐も無く風船を持って帰るなんて子供じみた真似をしようと思ってたんですか?」
「何か言いましたか?」
「いえ、何も。じゃあ、早速あの子に風船を渡しに行きましょう!!」
俺たちは、泣いている男の子に歩み寄った。

「坊や、どうして泣いてるの?」
「ひっく・・・ふうせん・・・ふうせんがとんでっちゃったの・・・」
「そうなの?その風船、坊やは誰にもらったの?」
「あまみはるか!」
「あら、よく覚えてるわね。坊やは、春香ちゃんのこと、好き?」
「うん!」
「そうなんだ。じゃあ、これからも春香ちゃんのこと、応援してくれるなら、この風船をあげちゃいますよ。」
「ほんとう?!」
「約束してくれるかな?」
「うん、おうえんする!」
「ありがとうね。じゃあ、はい。今度は飛ばさないようにね。」
「うん、ありがとう!じゃあね、バイバイ、おばちゃん!!」
「お・・・おば・・・?!」

子供は、時に残酷なまでに素直だ。
おっとあぶない、今の感想も、あやうく口に出すところだったじゃないか。
「おばちゃん・・・おばちゃんか・・・はあ、子供にはそう見えるわよね・・・」
今度はこっちが泣き出さんばかりだ。やれやれ。

「小鳥さん、俺には、夢があるんですよ。」
「えっ?!」
「俺の手で、トップアイドルを育て上げる、という夢が。」
「は、はあ・・・」
「ほら、よく言うじゃないですか。夢を追いかけている男は、いつでも少年だ、って。女の人も同じじゃない
ですかね?小鳥さんにも、夢があるでしょう?」
「あ、はい!そうですね。うちの女の子たちに、トップアイドルになってもらうって夢があります。」
「じゃあ、小鳥さんも未だに少女と言えますね。」
「そうですよね!でも、このままじゃ夢見るまま本当のおばちゃんになっちゃいますから、プロデューサーさん
には本気で頑張ってもらわないと。」
「いや、それはもうすでに手遅r
「お願いしますね!!」
「頑張ります!ええ、それはもう頑張りますとも!」