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探偵編 最終章 プロローグ
あの日、
【阿頼耶識】の話を聞いた
ルーキは、急いで“深淵”へと向かった。しかし、彼女が辿り着いた時には、すでにジゴロックと
ルパンの姿はどこにもなく、すべてが終わった後だった。
愕然とするルーキは、やがてある者の存在に気づく。一体のクリーチャーが、頭上から見下ろしていたのだ。
その
クライム・クリーチャー、
モリアーティーは、ルーキに告げる。
「ジゴロックは死んだ」と。
ルーキが真実を確かめようとした時、“深淵”の威力に耐えきれなかった「ライヘンバッハ」が崩壊を始める。結局、彼らの生死は確認できぬまま、【阿頼耶識】の手助けにより、彼女はどうにか「ライヘンバッハ」を脱出したのだった。
第一話:予想外の再会⁉︎
ルーキは一人、「ライヘンバッハ」の跡地を訪れていた。ジゴロックの行方に繋がる手がかりがないか、
ワトソンにも内緒で調査に来たのだ。
しかし、どれだけ探しても手がかりは見つからない。本当にジゴロックは死んでしまったのだろうか?
彼女でさえも諦めそうになったその時、ある人物が現れた。
「久しぶりだね、ルーキ君」
そこに立っていたのは、なんと行方不明になっていたはずのルパンだった。どうやら彼は無事だったらしい。しかも、話にのると、ジゴロックが彼を助けたのだとか。
「その後ジゴロックくんがどうなったのかは、私にもわからない。気がつくと、私のそばにこれだけが残されていたんだ」
そう言って、彼が差し出したのは
ジゴロックのピストルだった。ルパンはそれをルーキに渡そうとするが、何か裏があるのではないかと警戒されてしまう。
彼は必死に説明した。今まで自分が
“フィオナの一雫”や
“グラディアン・レッド・アイ”を盗み出して来たこと、そして「ライヘンバッハ」の“深淵”を破壊しようとしたのは、すべてモリアーティーに悪用されるのを防ぐ為だったのだ、と。しかし、これまでの行いが祟ってか、なかなか信用してもらえない……。
第二話:殲滅者!ジェノサイダー!
一方その頃、「ホームズ」の街ではすでに異変が起こりはじめていた。様々な場所に、同時にクライム・クリーチャーが出現したのだ。
ジャスティス・ポリスが対応にあたるも、あまりの数に手が足りず、状況は悪化していった。
そこで立ち上がったのが、街の私立探偵たちである。ベテランの
ポアロや
マープルを筆頭に、
オーガスタスや
ギデオン、
エラリーなど、名だたる探偵たちの活躍により、暴動は鎮圧されるかと思われた。しかし、彼らこそが、モリアーティーらの真の獲物だったのだ!
突如として現れた凶悪なクライム・クリーチャー、
ジェノサイダー。彼らは
ディテクティブ・クリーチャーを狩る為に生み出された、恐るべき殲滅者である。ジェノサイダーの
容赦ない攻撃の前に、探偵たちは次々と倒れていった。特に、モリアーティーの側近である
セバスチャン・モランの力はすさまじく、ポアロとマープルが二人がかりでも敵わないほどであった。
第三話:犯行声明!
ルーキたちが戻って来た頃、「ホームズ」はほぼモリアーティーらの手に落ちていた。有力な探偵のほとんどが倒され、ジャスティス・ポリスも壊滅状態。通りには
オートマタ?が跋扈し、
狂気の音色を奏でていた。どうやら、彼らの楽器から微粒子状になったサイコ・パスが振りまかれており、それを吸引した者が、クライム化してしまうらしい。
どうにかワトソンと合流したルーキたちは、彼に事情を説明し、街を護る為に戦おうとした。
しかしその時、彼らの頭上に巨大な映像が浮かび上がる。そこに映っていたのは、事件の首謀者であるモリアーティーだった。
生き残っている住民たちに向け、モリアーティーは告げる。街のシンボルである「レイヴン塔」を占拠したこと。そして、彼らは二つの爆弾を「ホームズ」内に仕かけており、1つは「レイヴン塔」に、もう1つはこの街のどこかにあることを。
この2つの爆弾には微粒子化されたサイコ・パスが搭載されており、爆発すれば「ホームズ」の街が消し飛ぶだけではなく、世界中がサイコ・パスに汚染されると言う。
探偵たちに課せられたタイム・リミットは、明日の夜明け。果たして、ルーキたちはそれまでに爆弾を見つけ出し、モリアーティーを逮捕することができるのか⁉︎
第四話:「ホームズ」を奪還せよ!
モリアーティーからの犯行声明を受けたルパンは
分身を使い、無事な住人たちを
「奇巌城」へ集めた。
彼らの中には、当然ルパンのことを信用できない者もいた。しかし、時は一刻を争う。ここは彼を信じることにして、みなで作戦を練っていく。
彼らの立てた「ホームズ」奪還作戦はこうだ。まず、負傷した者は「奇岩城」の中で休ませ、元医者であるワトソンを中心に看護する。
その間、ジャスティス・ポリスの生き残りと
黒煙組で手分けして、街にしかけられた方の爆弾を捜索。また、それと同時に、
ソーンダイクらが「レイヴン塔」に突入し、モリアーティーたちと戦いつつ、爆弾を処理する。
そして、ルーキはルパンと共にある場所に向かい、万が一に備え「新たな力」を手に入れると言う。
ソーンダイクと
コースケの部隊には、
エグゼガリバーと
ミノスなどが同行を志願した。また、「奇岩城」の見張り役は
ストリート・イレギュラーズと
ピュアリーが引き受けることに。
かくして、各々やるべきことは決まった。奪われた街を“盗み返す”べく、探偵たちは作戦を開始する!
第五話:緋色の亡霊!エルロック!
ルパンとルーキを背中に乗せた
ヤブサメは、ある場所を目指して飛んでいた。彼らが向かうのは「ホームズ」の上空に浮かぶ大牢獄、
「アルカトラズ」。ルパンの話によると、この中に収容されているあるクリーチャーに会うことで、モリアーティーに対抗し得る力が手に入るのだとか。
無事侵入できた二人は、牢獄の最奥へと向かう。ルパンの
トリックを使って檻を開けると、巨大な独房の中にいたのは、ジゴロックに似た姿のクリーチャーであった!
驚きを隠せない様子のルーキ。すると、二人の背後には、いつの間にかあるクリーチャーが立っていた。
レキドウと名乗った彼は、この独房の門番をしていると言う。レキドウは、ルーキにこう語った。
「それは、かつて一人の男がここに閉じ込めていった、自らの分身。いわば彼は自分自身の中で膨れ上がった憎悪の化身を、この檻に封印したのです」
かつて、ジゴロックの中には犯罪者を憎む気持ちがあったのだ。そして、彼の過去が産んだ亡霊、
エルロックを倒すことができれば、ジゴロックのピストルをパワーアップできるらしい。
レキドウの手によって、エルロックの枷が解き放たれた!
第六話:それぞれの戦い!
一方、ソーンダイクたちの部隊は、すでに「レイヴン塔」へと突入していた。並みいる敵をなぎ倒し、快進撃を続けるソーンダイクとコースケの前に、セバスチャン・モランが立ち塞がる。師匠たちの仇を討つ為、二人は協力して、セバスチャン・モランに挑む!
その頃、街で爆弾を捜索するジャスティス・ポリスと黒煙組。それぞれを束ねている
レストレードと
ギロ長は憎まれ口を叩き合いながらも、協力して任務にあたっていた。
すると、彼らの元に、モリアーティーからの刺客が現れた。レストレードは
ダブルバイセップスと、ギロ長は
フォン・ヘルダーと、それぞれ戦うこととなる。
「奇岩城」に残っていたワトソンたちも、モリアーティーの部下による襲撃を受けていた。ジェノサイダーの一人である
サロメの相手を
アイリーンが、オートマタの指揮を執る
コンダクターの相手を、ワトソンが務める。
襲撃者はそれだけではなかったが、黒煙組で唯一城に残っていた
ゴロワーズが、一人で返り討ちにしてしまった!
第七話:奇跡の超合!スカイ・イズ・リミット!
「アルカトラズ」にて。エルロックと対決するルーキは、苦戦を強いられていた。なかなか状況を打開できない彼女に、レキドウがヒントを与える。「どれだけ強くとも、亡霊は所詮亡霊でしかない」と。
その言葉を聞いたルーキは、戦闘態勢を解いた。彼女はエルロックの攻撃を敢えて受け入れることで、その力を排除するのではなく、取り込もうとしたのだ。
この
決死の作戦は、見事に成功を収めた。エルロックの力はピストルに吸収され、その憎悪はルーキの勇気に打ち消されたのである。どうにか試練を乗り越えた彼女に、レキドウは自らの式神を貸し与えた。
「拙僧の式神は、きっとルーキ殿のお役に立つでしょう」
かくして、
パワーアップしたジゴロックのピストルを手に、ルーキたちは改めて「レイヴン塔」へと向かった。
一方、二人がかりでセバスチャン・モランに挑むソーンダイクとコースケだったが、戦況は芳しくなかった。
しかし、それでも奮闘する彼らに、
7つ道具が応える。仲間たちから借りてきていた7つ道具が奇跡の
超合を果たし、1体の巨大な
超道具・クリーチャーとなったのだ!無限の力を秘めた
スカイ・イズ・リミットはセバスチャン・モランを圧倒し、他のクライム・クリーチャーの力を封じ込めてしまった。
辛くも勝利したソーンダイクらはモリアーティーの元へ向かったが、そこへ辿り着く前に、
マガドリンネのしかけた罠によって足止めされてしまう。
第八話:犯罪皇帝!モリアーティー!
ヤブサメに乗ったルーキたちは、上空から塔内へと突入する。彼女らを出迎えたのは、マガドリンネだった。彼の生み出した
猛毒植物により、ヤブサメが犠牲になってしまう。
マガドリンネの相手を引き受けたルパンは、ルーキに
自らのナイフを渡し、「
「ホームズ」の街を“盗み返す”んだ!」と、希望を託す。
ルーキは先に進み、遂にモリアーティーの待つ部屋へたどり着いた。そこにはモリアーティーの腹心の部下である
ソムニンが控えており、彼女の到着を歓迎する。
玉座に座ったモリアーティーは、ルーキに語った。彼とジゴロックは元々研究者であり、友であったこと。そして、原初のクライム・クリーチャーの襲撃により彼らの友情は引き裂かれ、別々の道を歩み始めたことを。
知られざる過去を語り終えた彼は、最後の生贄であるソムニンを取り込み、
犯罪の王の力を解き放った。
すべてを破壊する
咆哮を上げた犯罪皇帝に、ルーキは最後の戦いを挑む!
第九話:開眼!ルーキ・プロビデンス!
ルーキはレキドウから借りていた式神、
ゴギョウを呼び出し、文明の力を駆使して戦った。
しかし、モリアーティーの力は圧倒的であった。彼の発動させた
完全なるトリックにより、その身に触れることすらできない。
さらに文明の力を与えてくれたゴギョウが倒されたことで、ルーキは窮地に立たされる。
追いつめられたルーキに、犯罪の王は言う。
「君も、犯罪者を憎んでいたのだろう?だからこそ、君は心の象徴たる文明を失った。そして、復讐の為に探偵を目指していたのだ」
「……確かにそうかも知れません。でも、ボクはいろんな人たちから、それをもらってきました。この心は、もう空っぽじゃない!」
彼女の体が力で満ちていく。ルーキはこれまで出会ったすべてのクリーチャーたちから、少しずつ文明の力をもらい受けてきたのだ!
そのことに気付いた彼女は、ついに
探偵を超えた探偵へと開花する。
ルーキ・プロビデンスは
心に正義の火を灯し、反撃を開始!
それに呼応して、ジゴロックのピストルとルパンのナイフが
最強の超合を果たした。
ザ・ホームズ・ハートを握り締めたルーキ・プロビデンスは、必殺の一撃を放つ!
第十話:夜明け
ルーキ・プロビデンスの攻撃はモリアーティーのトリックを粉砕し、ついにその体を撃ち抜いた。さらにザ・ホームズ・ハートはクリーチャーへと変形。その刃で、犯罪の王をねじ伏せる。死闘の末、ルーキたちはとうとうモリアーティーを倒したのだ。
するとそこへ、ルパンがやって来た。マガドリンネを倒した彼は、他の仲間が爆弾を発見し、時限装置を解除したことを告げる。
しかし、問題はもう1つの方だった。ジャスティス・ポリスと黒煙組の部隊が捜索を続けているが、まだ見つかっていない。空はすでに白み始めており、リミットの夜明けは間近だ。
ルーキがもう1つの爆弾の在りかを尋ねると、モリアーティーはこう答えた。
「……爆弾は、ここにある。私の、体の中に」
つまり、「ホームズ」のどこかとは、彼の体の中を指していたのだ!
それを聞いたルーキはすぐに爆弾を解除するように言うが、モリアーティーは受付なかった。自分は「虚空の主」に相応しい最期を遂げるのだと……。
すると、ルパンがモリアーティーに歩み寄った。
「なら、俺も付き合わせてもらうぜ。首を突っ込むのが探偵の仕事だからな」
そう言って、彼は変装を解いた。そこに立っていたのは、なんと行方不明だったジゴロックではないか!そう、彼はモリアーティーの計画を阻止する為にルパンと協力し、彼に成りすましていたのだ。そして、本物のルパンが無事もう1つの爆弾を「盗んだ」らしい。
驚いたルーキは、すぐにジゴロックの意図を察した。彼を止めようとする彼女に、探偵は言う。
「後のことは任せたぜ、弟子」
“深淵”に飲まれた影響で時空を超える力を手にしていたジゴロックは、モリアーティーを連れ、どこか遠い場所へと旅立って行った。かくして、探偵たちの
長い夜が明けた。
探偵編 エピローグ
モリアーティーたちとの死闘から、約一年後。「ホームズ」はすっかり元どおりの様子を取り戻していた。街は活気に溢れ、様々な文明や種族のクリーチャーが行き交う。しかし、それでもすべての犯罪が消えたわけではなく……。
観光に来ていた
アイフェは、仲間とはぐれてしまった。彼女が困り果てていると、二人の男たちが声をかけてくる。彼らは「仲間を探すのを手伝う」と言い、その見返りとして多額の金を要求してきた。アイフェは素直に言うことを聞き、金を払いそうになる。
しかし、その時。性懲りもなく旅行客の少女を騙そうとしていた
オダイカンたちの前に、一人の探偵と、その相棒が立ちはだかった。
「お待たせしました。名探偵、参上です!」
彼らの活躍によりアイフェは助けられ、無事
ロセスと再会を果たす。
──とある大富豪の元に、一通の予告状が届く。差出人は、もちろんあの大怪盗。
「今夜零時、“カリオストロの首飾り”ヲ頂戴シニ参ル」
依頼を受けたルーキとワトソンは、さっそく富豪の住む城へ向かうのだった。
(探偵編 背景ストーリー 完)
最終更新:2017年07月20日 08:16