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ひとはさんが、僕がこちらへやってきたときからとても寂しそうにしていることです。  

ぼくはぼくでこちらでなんとか楽しくやっております。仲間もいます。

ですからひとはさんはひとはさんでそちらの世界で楽しんで欲しいのです。

でも…あ、そ、それじゃわたしも死んでそっちの世界に…。そうしたらまたチクビと遊ぶことが出来るよね?

それはだめです。こちらの世界へはそんな簡単には来ることが出来ないのです。

そちらとこちらの世界のルールで自分の意思と関係なくそちらにいられなくなったものだけがこちらに来ることが出来るのです。

そう門番が言っておりました。

そう…。

それにひとはさんはそちらに好きな方がいっぱいいるでしょう?家族とか矢部先生とか。

あ…先生…。それにお父さん、みつば、ふたば、おばあちゃん、杉崎さん達…それに他にも……。別れたくないよ…。

ぼくはひとはさんに元気になってほしい。僕のことを忘れてもいいから元気になってほしい。

それだけがぼくの願いです。

チクビのこと忘れるなんてそんなことありえない!!忘れるなんて……そんなこと言わないでチクビ……。

ありがとうございます。元気になってくださいね、ひとはさん今までありがとう そろそろお別れです ひとはさんさようなら ひとはさ…ん…

あ、チクビ…どこいくの?待って……まだもう少しお話しようよ?…チクビ…チクビ…チクビーー!!

「先生。」

「あ、ひとはちゃん起きた?ひとはちゃんあれからすぐ寝ちゃったからさ、ベッドに寝かしたんだよ。」
「そうですか…。もしかして熟睡したのをいいことにこの身体にいたずらしたとか?」
「そんなことするわけないじゃん!もー!///」

(いたずらしてもよかったのに///)

「先生今何時ですか?」
「お昼だよ。何か食べる?」
「ううん。朝ごはん食べてすぐ寝ちゃったので今はいいです。」
「そう。」
「あの先生。ちょっといいですか?」
「ん?何」

ギュウウっ

「わっ///ひとはちゃん、な、なに?急に抱きついて!!?」
「い、いつも…あ、ぁりがとう…ボソボソ…///」
「な、なに??」
「ちょっとこうしていていいですか?」
「い、いいけど…」


「………」


「………」


「おわり」
「終わりなんだ…///」


「それじゃお邪魔しました。あまり遅くなっても家族が心配しますので今日はこれで失礼させていただきます。」
「うん。またおいでよ」
「もちろんまた来ます。だって2号がいるんだもん。」
「えっ?」

「2号。今まで寂しい思いをさせてごめんね。これから君とは一生懸命遊ばせてもらうからね。覚悟しててよ?」
「チーチー!」
「それじゃ、先生また…ね!」ニコッ


なんだかやけに吹っ切れた様子だな…。
僕に自分から抱きついてきたりして…それにあの最後の笑みは何…?
ひとはちゃんのあんな悪意のない微笑を見たの初めてなような気がする…///
ひとはちゃん……だめだ。好きになっちゃいそう…。

ピンポーン!

誰だろう?ひとはちゃんかな?忘れ物?

「はい?」ガチャ…

「あ、先生。お久しぶりです。」

杉崎さんだ。


そういえば杉崎さんは、チクビが死んでひとはちゃんが落ち込んでいる時、
一番親身になって彼女の話相手をしてくれたっけ。
でもなぜ杉崎さんがそこまでしてくれたのだろう?
小学校の時は特別ひとはちゃんと仲が良い、そんな感じはしなかったけど…。

「あの…。ひとはは居てますか?」
「あ、いや、今帰ったところだよ。会わなかった?」
「そうですか…。」
「ひとはちゃんに会いにきたの?」
「はい。丸井家に行ってみたらこちらに来ているというのでそれで…」

「あの、ひとははまだ先生の家に来たりしているんですか?」
「うん。毎週来るよ。チクビ2号の世話にね。」
「ひとは…もう大丈夫ですか?良くなりました?」
「あ、うん。あの時に比べたらもう格段に良いよ。だんだんいつものひとはちゃんに戻ってきているよ。」
「そう。よかった…。」
「って杉崎さん、ひとはちゃんのこと心配してくれているんだ?」
「えっ?…うん。高校一緒だけどクラスが違うから最近あんまり会うタイミングが無くてそれで…。」
「そっか…。優しいな。杉崎さん。でもそんなに仲良かったっけ?ひとはちゃんと?」
「…ひとはは…私もいろいろと助けてもらったし…優しいから…。」

ひとはちゃんが杉崎さんを助けたことがあったなんて…そんなこと全然知らなかった。
杉崎さんのグループの輪の中には入ってるのを見かけたことはあったけど
僕の机の下にいた記憶のほうが強い…。
でもこんなに彼女に慕われているということは
僕の知らないところでひとはちゃんはちゃんとコミュニケーションを
自分なりのコミュニケーションをクラスの中で果たしていたんだ…。
しかも友達を助けるってそんなこともしていたなんて……知らなかった。
僕は一体何を見ていたのだろう?…ちょっと軽くショックだ。

「先生。」
「矢部っちでいいよ。」
「ううん。もう小学生じゃないもん。ちゃんと先生って言わしてもらいます」

この子も成長している。

「先生あの…ひとはを…ひとはをどうぞよろしくお願いします!さっきここ出たところなんですよね。
ちょっと追いかけてみます。それじゃ失礼します!」

彼女達も小学校を卒業してからもう丸3年か。
知らない間ににずいぶん大人らしくなったな。
子供の成長は早く感じる。それに比べてあの当時から大人である僕は
同じ時間が経過しているにもかかわらず全然変わった感じがしない。いや変わっていない…。
いつか、なにからなにまで追い越されてしまうのかな…。

「矢部っち!」

「わっ!びっくりした。みつばちゃんにふたばちゃん。ど、どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないでしょ!ひとはを早く返しなさいよ!この変態!」

変わってない子もいた…。なぜかほっとしている自分が情けない…。

「矢部っちー。ひとがまだ家に帰らないんスよー。奥に居るんすか?」
「ごめんごめん。今帰ったとこなんだひとはちゃん。
今日はちょっと疲れたのか朝ここに着てから寝ちゃって。それで…」

「ひとはが矢部っちのところで寝た…? 変なことしなかったでしょうね?」
「す、するわけないよ!僕を信じて!」

みつばちゃん…怖い。あの事件以来、ひとはちゃんに対して一層お姉さんらしくなってきた。

「矢部っちのこと小生は信じるっすよ。…でもそれが嘘だったら…うふふ…うふふふふ…」

ふたばちゃんも同じだね…怖いよ…。

「で、でも今ここに来るとき会わなかった?ひとはちゃんに?」
「あ、小生たちちょっとスーパーに寄ってから来たので道が違ってたんスよ。
ほら、こんなにお菓子買ったんスよー。ほとんどみっちゃんのだけど。」
「ば、ばかふたば!///そんなこといちいち言わなくていーの!」
「じ、じゃ、矢部っち。またね!」

ふう…やれやれ。
この子達の担任を受け持った時は僕もどうなることやらと思ったけど
今思うとこうやって卒業してからも会いに来てくれたりして
教師冥利に尽きる…っていうのかな?なんだか先生やっててよかったと思う。
もしかして生徒に慕われてる僕って…教師の才能ある??教師の鑑?……なわけないよね…。
慕われているんじゃなくて遊ばれているんだよね…きっと…。
でも今受け持っている子達もひとはちゃん達もなんだかんだいってかわいい。
そして先生の僕を育ててくれている…そんな気がする。

さてと、明日からまたがんばろう。


「あ、いた!ひとは!」ハアハア!
「あ、杉…ちゃん」

「ひとーー!」
「ひとは!ち、ちょっと待ちなさいよー!」フタバ モ チョット…マッテ! ポテチテポテチテ
「ふたば、みっちゃん。」

「あれ?三女さん?」
「お!三女じゃん!」
「吉岡さんに、宮…下さん?」
「『宮下さん?』って語尾あげんな!一目見たらわかるだろ!」

「上尾だけに」

「ひとうまい!」
「うまくなんてねーよ!」


<HAPPYEND>