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もう3月になって…直ぐに卒業式だ。
今年は本当に色々なことがあった。
大好きなチクビもできたし、とっ…友達もできた。

だから、卒業でお別れするものも多いけど、新しくなるものもあるはず。
それは私だけじゃなくて、みっちゃんやふたばはもちろん、今目の前で寝ている先生にも…。

先生も私たちが卒業すれば新しいクラスの担任になる。
その時に、私みたいな子がいたらどうするんだろう。
先生は優しいから、私と同じようにするのかな。チクビも学校に連れて行くのかな。
そうしたら…その子も私と同じように先生の部屋に…。

…嫌。絶対に嫌だ。ここは先生とチクビと…私の部屋。
だから、私は――――

先生が起きてからだいぶ経つ。意識もはっきりしているし、頃合かな。

「先生はこの状況をどう思ってます?」

「へ、唐突にどうしたの?」

「先生が私のいるこの状況を客観的に見て、と」

「え、どういうこと?」

「小学生女子児童を連れ込んでる大人という事実をどう考えているのかってことです」

「いや、連れ込むって…ひとはちゃんが勝手に来てるだけでしょ」

それは事実だった。確かに私が勝手に先生の家に上がりこんで、チクビに会っているだけだ。
けれど、ここで引くつもりはまったくない。

「だから私は客観的に、と言ったんです。社会的に見て、それで通るとでも?」

「う…でもそれは飼っているペットに会いに来てるってちゃんとした理由もあるし」

さぁ、ここからだ。私にうまくやれるだろうか。

「甘いです。世間はそんな理由で納得してくれませんよ。女児に手を出している教師の報道もあります。
現に近所の人に通報されたのか、警察も来ましたし」

「い、いつ!?」

「先生が留守の間です。適当に答えて帰ってもらいましたけど」

「な、なんて答えたの?」

い、言い切らなきゃ!

「い…許婚だって」

「ええええええええ!?そこは普通に教師と生徒でいいじゃん!ていうか妹とかでも十分でしょ!?」

「だから教師と生徒は先ほど言ったように逆に怪しすぎるじゃないですか。
それに妹としては苗字も違いますし、全然似てないですし…
何より許婚って言っておけば、家庭の事情ということでそこまで調べないでしょうしね」

「(いや君ら姉妹も大概似てない…)そ、そんなので帰ってくれたの?」

「いえ、淫らな行為をしていないかと聞かれました」

「淫らって…」

「そういうことは適齢期が来てからです。私たちはお互いのことを知り合っている最中なんですって伝えました」

「そもそも、許婚じゃないし!」

結構頑張って言ったのになぁ…。でもいきなりこれはハードルが高すぎるけれど。
それに今の目的はこれじゃない。先生をもっと焦らせなきゃ。

「……それとも淫らな行為、してみます?」

「しししししない!考えてもないよ!っていたぁ!何で叩いたの!?」

「先生は失礼です。私、これでも女なんですよ?」

「そんなこと言われても!」

本当に失礼な先生だ。私は先生の新しい生徒のことを考えただけで胸が痛むのに。それなのに。
知らず、声がかすれる。それでも、やることは忘れない。

「私、そんなに魅力ないですか?全然、ダメですか?」

「そんなことない!ひとはちゃんはとっても可愛いし、魅力的だよ!」

……これで、完成だ。ジーッ、ガチャ

『ひとはちゃんはとっても可愛いし、魅力的だよ!…ひとはちゃんのこと、いつも見ているよ!』

「先生、これ誰がどう聞いても告白ですよね」

「ひ、ひとはちゃん…」

「まったく、同じ手に二度も引っかかるなんて…先生は女を舐めすぎです」

酷い女だ。本当に酷い女だ。それでも。

「どうしてこんなことするの?」

「先生が…られちゃうから…」

「え?」

「先生は優しいから…こうでもしないと他の女の子を呼び寄せちゃうんです。
だから、そんな子にこれを聞かせてここは危ないよって教えてあげるんです」

「ないない。女の子が来るぐらいだったら今ごろ童貞やってないよ」

「そんなことないです。絶対に先生のところには女の子が来ます」

だって今、そんな子が先生の家に居る。先生の目の前に居る。来ない、なんてことはありえない。
だから、私は――――今の精一杯と、ほんの少しの本音を。

「ね、先生。せめて私以外の子を部屋に入れないでくださいね」