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退屈な授業も終わり晩御飯の買出しに出かけようと教室から出よう
とした時だった。

「三女さーん、一緒に帰ろう」

その声を聞いて私はガクンと肩を落とした。

「・・・松岡さん・・・」

万遍の笑みで私の方に近づいてくるこの少女は
私のことを天才美少女霊媒師だと勘違いしている。
もう気付いてもいいと思うんだけど・・・

それに何故か最近よく話しかけられるんだよね。

「ね、一緒に帰りましょ♪」

この人と一緒にいるとろくな目にしか遭ったことがないんだよなあ。
それに早く行かないとスーパー特売に間に合わないんだよね。

「ゴメン、私ちょっと用事あるから」

「ええ、もう三女さん最近つれないよお」

「ゴメン、また今度」

そう言って足早に教室を後にする。

少し悪いことしたかな?と思ったが今は298の豚肉500gの方が
優先順位が上だということに気付き私は駆け足でスーパーへと急いだ。



「・・・・・三女さんの馬鹿・・・」

翌朝

「三女さん、おはよう~」
「・・・おはよう松岡さん」

またこの人か・・・でも、昨日あんな態度をしてしまったので
たまにはちゃんと話すのもいいかな。

「松岡さんって朝早いんだね」

「うん、三女さんに会えるんじゃないかと思ってね///」
「え・・・///」

松岡さんは少し照れながらそう言った。
その時、私の心臓がドキッとした気がした。

「な、何言ってるのさ///」
「え~だって本当なんだもん。三女さんと仲良くしたいんだもん」

      • まあ、それはそれで嬉しい気もするかな。
社交性があんまり無い私にしてみれば・・・

ギュッ

「ちょ、ちょっと何手繋いでるのさ///」
「え~いいじゃん」
「は、恥ずかしいよ///」

と私が必死に懇願しているのだが

「あっ、三女さん昨日の心霊特集見た?」

って話題転換早い、この人割とマイペースな性格なのかも・・・

「見てないよ」
「そっかー、三女さんほどの能力者ならそんな番組みる必要無いもんね」
「・・・・・」

反論しても無駄なことは百も承知の上なのでここはスルーする。
別に洒落じゃないよ?


私の胸の高鳴りはまだ一向に収まらない。
何でだろう?

次の日の朝

下駄箱を見てみると手紙が入っていた。

「もしかして・・・ラブレターってやつ?」

      • 差出人は書かれてない。
今時ラブレター出す人なんているんだなあと少し感心しながら
手紙を開けてみる。
待ち合わせ場所は屋上か・・・って普通こんな朝早くからこんな手紙出すかな?
と考えながら私は屋上へと足を運んだ。


屋上のドアを開けてみると意外な人物が立っていた。

「おはよう、三女さん」

そこには松岡さんが笑顔で私に挨拶を送ってきた。

「松岡さん?」
「こんな朝早くからゴメンね。私ってせっかちな性格だからさ・・・」
「それで、何の用?」

呼び出された時の常套句を言う。

「私ね、実は三女さんが心霊能力が無いってこととっくの前から知ってたんだ」
「え・・・そうなの?」

これは意外だ・・・ここで浮かんだ一つの疑問をぶつけてみる。

「じゃあ、何で知らないふりをずっとしてたの?」
「それはね・・・三女さんと会話するきっかけが欲しかったの」
「え・・・///」

また私の胸が高鳴るのを感じる。
一体何なんだろうこの現象は・・・・・

「それって一体どういう・・・」
「三女さんの鈍感・・・」
「え?」
「だから、三女さんのことが大好きなの!!」

「え???あ・・・う・・・///」

こんなこと急に言われてもどう反応すればいいか分からないよ。
私の胸の高鳴りはしだいに大きく鳴っていく。
顔が真っ赤になっていくのも感じる。

「じゃあ、放課後に答え聞かせてね///」

松岡さんはそう言うと足早に屋上を後にした。

      • 私はどうすればいいの?
助けてガチレンジャー・・・

「であるからして~ここの問題は」

私は憂鬱な気持ちでその日の授業を受けることになった。
今まで誰かに告白されるという経験など勿論あるわけ無い。
ましてや、女の子に告白されるなんて・・・

「じゃあ、ひとはちゃんここの問題をry」

どうすればいいんだろうか・・・・・
私は彼女のことをどう想ってるんだろう・・・
それにこの心臓の鼓動は何なのだろう?
まさか私は本当に彼女のことが・・・

「ひとはちゃん、どうかしたの?」
「え?あ、いや、すいません。何でもないです」

私としたことが先生の話を聞き逃すなんて・・・
う~んどうすればいいんだろう・・・


何も解決策が見つからないまま昼休みになってしまった。
はあ~どうしようかなあ・・・

と悩んでいると一人の少女が声をかけて来た。

「あのー三女さん、ちょっといいかな?」
「・・・吉岡さん?」

この人は恋愛話が大好きな吉岡さんだ。
一体何の用だろうか?

「何か用?」
「・・・うん、あのね・・・」

彼女は躊躇いがちに口を開いた。

「もしかして、三女さん誰かに告白でもされた?」
「ぶはっ」

咄嗟のことだったので口に含んでいた牛乳を噴出してしまった。

「がはっ、げほほっ、ど、どうしてそれを?」
「だって、三女さん授業中もどこか上の空だったし、それに・・・」
「それに?」
「なんか何時もより顔が紅かった気がしたし・・・」

第三者から見た私はそんな風に見えたのか・・・orz

「三女さんはどうしたいの?」
「わ、私は・・・」

どうしたいんだろうか?
というか、それが分からなくて悩んでるのに・・・

「分かんないよ」
「じゃあ、その人のことを想うとどんな感じがする?」
「べ、別にどうも・・・」

またあの現象だ・・・心臓がドキドキする謎の現象・・・

「何か、心臓がドキドキするかな・・・」
「うん、じゃあもう答えはひとつだよ」
「え・・・」
「三女さんはその人のことが好きなんだよ!」

えっ・・・・・そうなの?
私は今まで誰かを好きになるとかそういった経験が無いので分からなかった。
たしかに彼女といる時に限ってこの現象は起きる。
なるほど・・・

もう少し一人で考えてみようかな・・・

「有難う吉岡さん・・・もう少し一人で考えてみるよ」
「うん、頑張ってね三女さん」

彼女はにっこり笑って杉崎さん達の所へと戻った。
彼女のお陰で答えの指針が見えた気がする。




そして放課後・・・

もう4時を回っただろうか・・・彼女と私を沈黙が支配する。
もう9月ということもあって大分日が短くなってきた。
少し外が暗みがかってる気がする。

もう私は言うべきことを決めていた。
心臓が今までの比にならないくらい高鳴っている。

「あの、松岡さん・・・」
「何?三女さん」

彼女は少しぎこちない笑顔で私の方を向いた。
松岡さんもやっぱり緊張してるんだ。
早く言って楽にしてあげよう・・・

「私も・・・松岡さんのこと・・・好きだよ・・・///」
「えっ///」
「だから、その、これからよろしく///」

そう言った瞬間のことだ。

ダキッ

「ま、松岡さん///」
「よかったあ~三女さん。私怖かったの、断られるんじゃないかって」

ホッとしたからなのか彼女は私を強く抱きしめながら涙を流した。

「松岡さん・・・」
「ふええん」

私は泣いている彼女の頭をそっと撫でてやることにした。
彼女が泣き止むまで。
10分くらいそうしていただろうか・・・

「大丈夫?松岡さん」
「うん、ゴメンね三女さん」
「もう暗いし帰ろうよ」
「そうね、帰りましょう♪」

私たちは教室を後にした。


「ねえ、三女さん」
「何?」
「ひとはって呼んでもいいかな?」
「・・・もちろん///」

私はどうやら彼女に取り憑かれてしまったようだ。


まあ、除霊する気なんて全く無いけどね。


END