無題:4スレ目37

37 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 22:16:42.40 ID:ZejeBiMo
 俺と黒猫は無事恋人同士になった。
 告白されてから返事するまでの間に、まあ色々あったわけだが、その辺は察してくれ。
 そしてその色々のうちに夏休みも終わり、今日から新学期だ。と言っても今日は特に何事も無く終わり、本格的には
明日からだな。……ああそうさ、受験も目の前ってわけだ。

 そんなわけで机に向かっていると、例のごとくノックもしねーで妹様が部屋に入ってきやがった。
 正直そのいろいろのせいでこいつとも若干気まずくはなっているんだが……
「……ねぇ」
「なんだよ……ノックぐらいしろ」
「あ……ごめん」
 ん?今日はやけに素直じゃないか。何事かと思って桐乃の方に向き直ってみた。
「……なんだよ」
「あ……うん」
 桐乃はうつむいて、パジャマのすそを握り締めたまま突っ立っている。
「あの、あのさ」
「ああ……」
「やっぱり……」
 そう言うと桐乃は決然とした表情で顔を上げた。
「やっぱり、あんたが黒猫と付き合うの、納得いかない」
「またその話かよ……」
 それは夏休みの間に散々やったろうが。まあ俺も桐乃の恋愛(といっても偽装だったが)に対して口を挟んだ手前、
人のことは言えねーけどよ。
「やっぱそれって酷くない?その、い、妹の友達とさ……付き合うとか」
「酷いとまでは思わんが……まあ悪いとは思うけどよ」
「だったら!」
「でもそれはもう散々話し合ったろうが。そんで返事もしちまってるし」
「……」
「それにその、俺も黒猫のことは……」
「す、好き、なんだ……」
「っ……あ、ああ……」
 ああー!妹の前でこっ恥ずかしいたらないぜ!
 気まず過ぎて俺は桐乃から視線を外した。


38 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 22:17:11.16 ID:ZejeBiMo
「で、でもさ」
「ん?」
「あんたもいったじゃん、御鏡さんの前で……その」
「あ?ああ」
 俺が一番大切にするとかいうあれな!だからそういうの思い出させないでくれね?!
 恥ずかしさの二重奏に死ぬぞ!俺が!
「あ、あたしだって、同じだし!」
「は?」
「あたしだって、あんたのこと、黒猫より、その、た、大切にするかもしれなかったりしなくもないってゆーか」
「どっちだよ!」
 思わず突っ込んじまった!
「だから!」
「いやまてまてまて!」
「う……何?」
 顔を真っ赤にして、上目遣いに見てくる桐乃。うっ、可愛いじゃねーか。
 じゃなくて!
「桐乃さー、お前それいくらなんでも説得力無くね?」
「なんでよ!あ、あたしだって」
 だがそれを俺はさえぎった。いやまあ、気持ちはわかるよ?でも俺としても、一度は言っとこうと思ってたしな。
「いやー、でもお前、いつも俺に対する言い方とか扱いとかどうよ?」
「う……」
「蹴ったりビンタしたり、ウザいだキモいだってよー。もうお前、口癖とかの域に達しちまってね?」
 ううっ、と唸って桐乃はまた下を向いちまった。罪悪感か?でこっちもチクチク胸がいてーよ。
「ま、まあ、それはいいとしても、だ」
 俺の脳裏には、こいつに趣味のことをカミングアウトされてから起きた色々なことが巡った。
 まー、どれもろくでもないことっつーか、ヤクでもきめてなきゃ出来ねーだろお前!って自分に突っ込みたくなるような
出来事ばっかで、涙なしには回想すらできねーよ。
「例えばお前、そー言うけどよ、俺のために何かできるわけ?」
 いや、マジな話、別にしてくれなくてもいーんだけどさ。ギブ&テイク?そう言うつもりじゃないんだよ。
 ぶっちゃけ、違う方面で結構返してくれたりもしてるしさ。その過程で俺も色々得たり学んだりしたこともあるわけで。
 でもまー、これはあれだ。この妹様の本気度ってやつ?聞いてみたいと思ったんだ。
「……例えば、何すればいいワケ?」
 ちょっと酷かもしれねーが、一番きつそうなこと言ってみっか……?
「そうだな……例えば、俺と麻奈実が大喧嘩したりしたら、お前間取り持ってくれたりできんの?」
「うっ……!」
 うわ、露骨に嫌な顔してやがる!
 でもよ、これくらいはマシだと思うぜ?あの親父とか、覚醒あやせに立ち向かうことを思えばよ。
 いかん、また泣けてきた。てか震えてきた!よく生きてたな俺!

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最終更新:2010年12月20日 02:14
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