京介「黒猫じゃなく、名前で呼んでもいいか?」


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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:13:18.35 ID:7gETv3M/0

黒猫「……何ですって?」

京介「いや、だから名前で呼んでいいかって聞いてるんだが」

黒猫「急に何を言い出すかと思えば……くだらない」

京介「くだらなくはねえと思うぞ」

黒猫「黒猫とう名こそが私の“真名”よ」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:15:50.70 ID:7gETv3M/0

京介「……それに関しちゃ理解はしてるつもりなんだがなぁ」

黒猫「そう。なら、今まで通り黒猫と呼んで頂戴」

京介「いやな? 例えば、学校であった時だ」

黒猫「それがどうしたというの」

京介「いや……一般の方々の前で“黒猫”って呼ぶのはさすがに、なぁ」

黒猫「……」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:18:55.85 ID:7gETv3M/0

黒猫「……っふ、何を言い出すかと思えば」

京介「なっ、良いだろ?」

黒猫「他人が私の事をどう思おうと、私は気にならないわね」

京介「別にお前のことだけを言ってるんじゃねえっての」

京介「あのな、後輩のことを“黒猫”って呼ぶ先輩ってどう思われる?」

黒猫「間違いなく、痛い人間だと思われるでしょうね」

京介「わかってんのかよ!」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:21:52.94 ID:7gETv3M/0

黒猫「あら、その程度の事象は“眼”を使わなくても簡単に予測出来るわ」

京介「だったら良いだろ? 頼む!」

黒猫「フッ、そこまでお願いされたら仕方無いわね」

京介「! よし、これで一安心d」

黒猫「断固拒否するわ。絶対に厭」

京介「……くっ! こいつ、面白がってやがるな……!?」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:25:43.96 ID:7gETv3M/0

黒猫「先輩、人に物を頼む時にはどうすれば良いのかしらね?」

京介「……交換条件、ってわけか」

黒猫「ええ。夜の眷属に願い事をするのには、代償が必要なのよ」

京介「……チッ、しゃあねえな。その条件ってのは何なんだ?」

黒猫「そうね……まずは、跪いて足を舐めて貰おうかしら」

京介「名前で呼ぶだけでそんな屈辱的な真似をしなきゃならんのか!?」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:30:12.67 ID:7gETv3M/0

黒猫「クックッ、冗談に決まってるじゃない」

京介「俺にはマジに聞こえたよ」

黒猫「そうね……それじゃあ――」

京介「……」

黒猫「……っか、帰り道は私を“守護”してもらおうかしら」

京介「ん? 一緒に帰ろう、ってことか?」

黒猫「……」

黒猫「ば、莫迦ね。勘違いしないで頂戴」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:34:10.61 ID:7gETv3M/0

京介「勘違いも何も……」

黒猫「黙りなさい。そして、聞きなさい」

京介「……」

黒猫「近頃、堕ちた魂の気配が濃密に感じられるようになってきたの」

京介「はぁ、そうすか」

黒猫「これは戦斗の兆し。それに備えるため、私は“力”を蓄えておかなければならないわ」

京介「……なあ、その話長くなりそうか?」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:37:20.56 ID:7gETv3M/0

黒猫「そのためには、日常に割いている“能力”も制限しておく必要がある」

京介「……だから、俺に一緒に帰れと?」

黒猫「先輩にしては察しがいいわね」

京介「なんだかバカにされた気がするが……まあ、そんくらいなら良いぞ」

黒猫「ほ、本当に……? 偽りだったら、地獄の業火が……」

京介「こんなことで嘘ついてどうするよ」

黒猫「……そ、そう。なら、良いのだけど」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:41:15.89 ID:7gETv3M/0

京介「部活が終わってからじゃ日も落ちてるしな」

黒猫「ええ。その時間帯こそ、妖が活動的になるわね」

京介「妖云々は知らんが、変質者が出ないとも限らないしな」

黒猫「……そ、そんな輩を恐れる私ではないわ」

京介「そうかい。ま、可愛い後輩の頼みとあっちゃ仕方無い」

黒猫「何を言っているの。頼みごとをしてきたのは先輩でしょう?」

京介「へーへー、そうでしたね」

黒猫「……」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:44:30.18 ID:7gETv3M/0

京介「そんじゃ、もう名前で呼んでも良いんだな?」

黒猫「何を言っているの」

京介「はい?」

黒猫「私は条件が一つだとは言ってないわ」

京介「んなっ!? それ、ズルくねえか!?」

黒猫「フッ、それが“私と取引する”ということよ、人間」

京介「いや、お前も人間だから」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:47:29.32 ID:7gETv3M/0

京介「……で、もう一つの条件ってのは?」

黒猫「そうね……何がいいかしら?」

京介「俺に聞くな。っつうか、出来るだけ簡単なのにしてくれよな」

黒猫「あら、どうして?」

京介「どうしても何も、無茶苦茶言われてもどうしようもねーからだよ」

黒猫「そうね。なら――」

京介「あとな、さすがに条件は二つにしてくれよ」

黒猫「……ふん。人間にしては随分と知恵が回るじゃない」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:51:28.14 ID:7gETv3M/0

黒猫「さっきの、私を“守護”するという条件は、
    ベルフェゴールに妨害される恐れがあるから……」

京介「お前、自然に麻奈美のことをベルフェゴールって呼ぶなよ」

黒猫「――決めたわ」

京介「……もう一つの条件ってのは?」

黒猫「……」

京介「? なんで顔が赤くなるんだ?」

黒猫「……き、気のせいよ」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 21:55:45.89 ID:7gETv3M/0

京介「まあ、いいから条件ってのを言ってくれ」

黒猫「え、ええ」

黒猫「……スーッ……ハーッ……」

京介「……深呼吸しなきゃ言えないような条件って何だよ」

黒猫「――先輩」

京介「――おう」

黒猫「私の頭を――撫でなさい」

京介「……おう?」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:02:49.25 ID:7gETv3M/0

京介「頭を撫でろって、お前……」

黒猫「勘違いしないで頂戴」

黒猫「夜の眷属は、獣としての姿をとらなければならないの」

黒猫「その姿を晒さないようにするには、かなりの闇の力を必要とするわ」

黒猫「だから、人の姿を維持しつつ力を蓄えるには他者から得るしかない」

黒猫「本当なら色々と手順が必要だけど、私の“力”で先輩の手から吸収するわ」

京介「えっと……つまり、頭を撫でろってことだよな?」

黒猫「……そ、そうよ。悪い?」

京介「……」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:05:54.02 ID:7gETv3M/0

京介「……あー」

黒猫「……フッ、やはり人間風情には荷が重すぎたかs」

京介「まー、その位ならいいぜ」

黒猫「っ!? そ、そう……なら、良いのよ」

京介「それじゃ、撫でるぞ」

黒猫「っ……!」

京介「なんで固まるんだ」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:10:22.78 ID:7gETv3M/0

黒猫「……じゅ、術式を展開しているだけよ」

京介「そ、そんなに緊張されるとこっちも緊張するんだが」

黒猫「き、緊張? 誰に対してものを言っているのかしら」

京介「ま、まあいいや」

黒猫「そっ、そうね」

京介「それじゃ……撫でるからな?」

黒猫「そっ、そうね」

京介「……」

ナデナデ…

黒猫「くっ……!///」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:14:40.26 ID:7gETv3M/0

なでなで…

黒猫「……///」

京介「……黒猫っつうか、借りてきた猫みたいに大人しいな」

なでなで…

黒猫「む、無駄口を叩かないで頂戴……!」

京介「わかったよ」

なでなで…

黒猫「……」

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:16:37.83 ID:7gETv3M/0

京介「……」

なでなで…

黒猫「……」

京介「……あー、もういいか?」

なでなで…

黒猫「……」

京介「……まだか」

なでなで…

黒猫「……」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:18:54.31 ID:7gETv3M/0

京介「……」

なでなで…

黒猫「……」

京介「……」

京介(……しっかし、コイツ本当に猫みたいだな)

京介(さっきまで緊張してたってのに、
    頭を撫でられてるだけでリラックスして目を細めてるし)

京介(信じられるか? “あの”黒猫がだぜ?)

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:21:07.76 ID:7gETv3M/0

なでなで…

黒猫「……」

京介「……」

京介(ここまで猫っぽいと、色々やってみたくなるな)

京介(例えば――喉をごろごろしたりとかは……どうだ?)

さわっ

黒猫「っ!?」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:23:40.77 ID:7gETv3M/0

京介(驚いたみたいだが、まだ目はつぶったままか)

黒猫「……!」

京介「……」

京介(コレ、いけるんじゃね?)

京介「……」

さわさわっ

黒猫「んっ……ふふっ……」

京介「……」

京介(――ヤバい。超かわいいんですケド、こいつ)

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:26:04.02 ID:7gETv3M/0

京介「……」

なでなで…

黒猫「ん……」

京介「……」

さわさわっ

黒猫「……ん~っ……」

京介「……」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:30:53.68 ID:7gETv3M/0

京介(……っつーか、今の状況ってどうなんだ)

京介(――桐乃が帰ってくるまで黒猫は俺の部屋で待つって言った)

京介(――だから当然、桐乃はいない)

京介(――それに、親父もお袋も出かけてていねえ)

京介(……――つまり、二人っきりってこった)

京介(二人っきりで、ベッドの上で頭を撫でたり喉をごろごろしたり?)

京介(ああ、チクショウ! エロゲにはこんなトリッキーなイベント無かったぞ!)

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:34:17.57 ID:7gETv3M/0

京介「……」

なでなで…

黒猫「……ん」

京介(こいつって、やっぱりかなり可愛いよな)

京介(色は白いし、睫毛も長いし、年下なのに美人って感じだ)

京介「……」

京介(……って、何を考えてんだ俺は!)

京介(ここで何か変な事したら、からかわれるのがオチじゃねーか!)

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:37:57.23 ID:7gETv3M/0

京介「……」

なでなで…

黒猫「……ん~っ」フニャッ

京介(ああ、駄目だ。この表情は反則的なもんがある)

京介(これ以上は……やめといたほうがいいな)

京介「……なあ、そろそろいいだろ?」

なでなで……

黒猫「ん~?……んふふ……」

京介「……答えになってねえ」

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:41:27.71 ID:7gETv3M/0

京介「も、もうやめるからな!?」

黒猫「……あっ」ショボン

京介「っぐっ……!」

…なでなで…

黒猫「ん~っ」

京介「……」

京介「……俺、なんかもう駄目かもしんねぇ」

―トタトタトタッ

京介・黒猫「!?」

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:45:13.83 ID:7gETv3M/0

京介「きっ、桐乃が帰ってきたぞ!」ヒソヒソッ

黒猫「あ……わ……!?」

京介「パニくりすぎだろ!」ヒソヒソッ

黒猫「ど、どうすれば……!?」

京介「何もしなきゃいいだけだろ!」ヒソヒソッ

ガチャッ!

黒猫「ひいっ!?」

京介「うわバカ、押すな――」

…ドシンッ!

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:50:17.06 ID:7gETv3M/0

京介「……いつつつつ……!」

黒猫「……あぅ」

桐乃「……あ、ああ、アンタら……何やって……!?」

京介「お、おぉ。お前が帰ってくるまで――って……」

黒猫「――っ!?」

京介「と、とりあえずどいてくれないか?」

黒猫「む、無理……! 腰……抜け……!」

京介「驚きすぎだろ!」

桐乃「……」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 22:55:14.67 ID:7gETv3M/0

桐乃「腰が抜けるようなことを……!?」

京介「いや、それは今お前が驚かせたからであってだな!?」

黒猫「そ、そうよ……!」ワタワタ

京介「おいコラ! 変なトコ触らな……ひょうっ!?」ビクンッ!

黒猫「ご、誤解よ……!」ワタワタ

京介「おほうっ!?」ビクンッ!

黒猫「~~~っ!?」

桐乃「こ、この……」

桐乃「変態共があああアアアアアアアアアアァァァッ!」

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 23:00:01.60 ID:7gETv3M/0
     ・    ・    ・

京介「――というわけで、何もなかったんだって」

桐乃「ホントにぃ? チョーあやしいんだケド……」

黒猫「本当よ。私と、こんないやらしいオスがどうにかなるわけがないわ」

桐乃「散々人をビッチよばわりしておいてさぁ、押し倒すとかありえなくな~い?」

黒猫「……っふ、私を怒らせたら大変なことになるわよ?」

桐乃「邪気眼乙」

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 23:06:28.97 ID:7gETv3M/0

桐乃「……まあいいや。とにかく、あたしの部屋行くわよ」

黒猫「そうね」

京介「――あっ、ちょっと待ってくれ」

桐乃「何? まさかとは思うけど、一緒に来るつもり? キモいからやめてよね」

京介「ちげえっつの。なぁ」

黒猫「? 何かしら」

京介「桐乃達の前じゃ、“瑠璃”じゃなく“黒猫”って呼んだ方が良いのか?」

黒猫「っ!? 莫迦、それじゃまるで――」

桐乃「――あんた達、やっぱりエロい事してたんでしょ!?」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 23:12:08.56 ID:7gETv3M/0

京介「あ、いや、これはだな……」

桐乃「る、ルリルリって呼ぶぅ……!?」

京介「ルリルリじゃねえって! 瑠璃だ、瑠璃!」

黒猫「人を少し前の萌キャラクターのように呼ばないで頂戴!」

京介「とにかくだな、何もなかったっつーの!」

桐乃「……」

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 23:15:20.94 ID:7gETv3M/0

桐乃「……フン!」

…バタンッ!

京介・黒猫「……」

京介「……と、とりあえず……どう呼べば良い?」

黒猫「……好きにしなさい。こうなってしまっては、どちらでも変わらないわ」

京介「……そうだな」

京介・黒猫「……」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/12(木) 23:21:05.50 ID:7gETv3M/0

黒猫「……今日はもう帰るわ」

京介「そう、だな。あの様子じゃ遊ぶどころじゃねーだろうし」

黒猫「……明日、なのだけど」

京介「一緒に帰るってやつだろ? わかってるって――瑠璃」

黒猫「っ!……///」

黒猫「……フッ、頭を撫でるのも忘れないで頂戴」

京介「ああ、勿論だ」

京介「……」


京介「――って、頭を撫でるのも続けなきゃいけねえのか!?」


黒猫「……それが契約という名の“呪い”よ……///」


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