無題:11スレ目60


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60 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/18(土) 01:51:58.46 ID:S6cuGuv+0
俺は高坂家の本当の・・・高坂大介と高坂佳乃の息子じゃない。別に親父とお袋から聞かされたわけでも
まして桐乃から聞いたわけでもない。多分だが桐乃は気づいていないと思う。
でも俺は親父もお袋もきっと俺を本当の息子のように思ってくれている。俺はそう信じていた。



今日の俺はどうかしてる・・・俺が選んだ選択肢は

『桐乃の趣味を守る!』

「親父、そのゲームは俺のだ!!」

「なに?お前は実の妹に実妹にたいしていかがわしいことをするゲームをさせていたのか!?」

「そ、そうだ・・・別に男がそういうゲームに手を出したって問題ないだろ!!お袋はエロ本だって
 黙認してくれてんだ!!どうだ、参ったか!?」

「この!!」

数発は殴られるくらいの覚悟をしていたが思っていた衝撃はこなかった。

「俺がお前なんぞを引き取ったのは間違いだったようだな!!」

変わりに親父が放った言葉は俺の何かを粉々に壊した。・・・だけどいま逃げるわけにはいかない。

「・・・だから、桐乃の趣味を認めてやってくれ」

俺はそう言うのだけで限界だった・・・親父の顔も見ず答えも聞かぬままリビングをでていった。
なんとか気力をしぼって部屋までもどったがドアを閉めるなり俺は崩れ落ちた。
そして俺は自分の部屋が気持ち悪く感じた。俺はここにいたらいけない。自分が異物のように感じた。
俺はまだお袋と桐乃が帰ってこないうちに家を出て行った。


61 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/18(土) 01:52:24.31 ID:S6cuGuv+0

「ただいま・・・」

あたしは嫌な予感がした。自慢じゃないがあたしの感は良くも悪くもよく当たる。家に帰ってリビングに戻るとお父さんが
ソファに座っていた。珍しく入り口に背を向けるように座っていた。

「桐乃・・・お前の趣味を認めてやる」

「ありがとう、お父さん!!」

なんだ、あたしの感は良いほうに当たってくれたのか。あのお父さんを兄貴はどうやって説得したのだろう。
でも・・・お礼くらいは言わないとね。あたしじゃどうやってもお父さんを説得できなかった気がするし。
だけどお父さんはなんであんなに暗いんだろう・・・兄貴によっぽど酷いことでも言われたのだろうか。でも
あのお父さんが何か言われたくらいで暗くなるようには思えないけど。

「ただいま~」

お母さんの間の抜けたような声がリビングに響いた。

「あら?暗くなってどうしたの?」

お母さんがお父さんに聞くとあのお父さんがビクッと震えた。

「佳乃・・・俺は京介に言ってはならないことをいってしまった」

「え?まさか・・・」

「俺は”お前を引き取らなければよかったと”・・・なんてことを言ってしまったんだ」

お父さんはよほど後悔してるのか物凄く弱々しい声だった。・・・まって・・・どういうこと?

「ねえお母さん、お父さん・・・引き取るってどういうこと?」

「桐乃・・・京介はね私たちの本当の子どもじゃないの。桐乃は私たちの実の子よ」

そして聞いた。兄貴の秘密を。
兄貴はお母さんのお兄さんの子どもだったらしい。しかし兄貴がまだ小さい頃本当の父親、つまりお母さんのお兄さんが事故死。
母親も病に倒れ亡くなったらしい。そして施設に入れられそうになった兄貴を引き取るとお母さんが言ったらしい。


62 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/18(土) 01:53:04.29 ID:S6cuGuv+0
「すまない、佳乃・・・」

私は慌てて兄貴の部屋に走った。バンッと勢いよく兄貴の部屋に入るがそこに兄貴はいなかった。

「お、お父さん、お母さん、兄貴がいない・・・」

「え?」

私はフラフラとしながらリビングに戻るとそう告げた。お母さんはショックを受けているようだ。

「探しに行かないと・・・」

私が言うがお父さんは動かない。お母さんも呆然としている。・・・沸々と怒りが湧き上がってきた。

「お父さん!お母さん!いつまでそうしてるの!?兄貴がほんとにいなくなってもいいの!?」

「まさか本当に兄貴を引き取ったの後悔して「そんな訳ないだろ!!!!」

あたしの声をさえぎってお父さんが叫んだ。

「あいつは誰にも優しい立派な奴だ。俺の自慢の『息子』だ!!」

だったら・・・

「だったら早く兄貴を探しに行こうよ!!いま行かないと絶対に後悔する・・・」

「行きましょう。大介さん・・・私たちの『息子』を探しに」

「そうだな、行くぞ・・・まさか娘に言われないと動けないとは。情けない父親だ」

お父さんは立ち上がると兄貴を探しにいった。
お父さんはまるで兄貴のいる場所が分かっているかのようにどこかに向かっているようだ。


63 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/18(土) 01:55:43.54 ID:S6cuGuv+0
そして近くの高台の公園にきた。

「お前はいつになっても変わらないな・・・」

「ほんと、昔から何かあるとここに来るんだから」

お父さんとお母さんが並んで街を見下ろせる位置に座っている兄貴に話しかける。

「親父?お袋?・・・いや俺は他人だろ?よくてただの甥なんじゃないのか?」

兄貴は振り向かずに言う。

「っ・・・知っていたのか?」

お父さんが驚きつつも聞く

「知っていた・・・高校の修学旅行で戸籍謄本をとりにいって知った」

「どうせ、兄の子が施設行きとかが哀れで引き取ってくれただけなんだろ」

「そんな哀れみや義務感だけで育ててくれたんだろ」

兄貴はこっちを見ていないのでどんな顔をしているかわからない・・・だけど、声が震えている。

「この・・・大馬鹿息子が!!」

お父さんが急に兄貴の襟をつかむと叫んだ。

「お前を1度して他人と思ったことはない!!お前は俺の自慢の息子だ!!お前がどう思おうがそれだけは変わらない!!
 ・・・さっきはすまなかった。だから帰って来てくれ・・・俺が悪かったから」

始めて見た。お父さんが泣く所を

「京介・・・私もあなたを自慢に思っているわ。私の大好きな息子なんだから」

お母さんは兄貴を抱きしめた。慈愛に満ちた優しい顔をしている。

「俺は・・・俺は親父とお袋の息子でいいのか?」

「何を言っている・・・当たり前のことを言うな」

「京介がどう思おうと私の大切な息子よ・・・」

兄貴は安心したのか、分からないけど泣いていた。なぜかあたしも涙が出てきた。
馬鹿兄貴のせいで泣くなんて・・・
それから兄貴とお父さん、お母さんの・・・親子の絆っていえばいいのかな?はより深まったように見えた。


73 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/18(土) 14:07:48.09 ID:S6cuGuv+0
あれから数日たった。親父とお袋は言葉の通りにいままでとなにも変わらなかった。
だけど1人、桐乃の態度がよそよそしくなった。今までのように睨んでくることもなければろくに話すこともない。
冷戦状態のときとはまた違った感じだがいったいどうしたんだろうか。

「ハア・・・」

「どうしたの、京ちゃん?」

俺が教室でため息をついていると麻奈美が話しかけてきた。

「・・・まあ、いっか」

そして俺はあの日のことを話した。

「そんなことがあったんだ・・・う~ん、私は何もできそうにないな~
 でも、妹が元気なかったらお兄ちゃんが頑張んないと」

そうだな、麻奈美。俺はあいつの兄貴だもんな・・・帰ったらあいつに聞くか。



「ねえ桐乃、最近なんか暗いけどどうしたの?」

机に座ってぼーっとしてるとあやせが話しかけてきた。別に暗くなってるつまりはないのだけど

「え?そんなに暗い?」

「うん、何かをずっと考え込んでるみたいで・・・どうしたの?」

そっか、そんなに顔に出ていたのか。でもこんなこと誰にも相談できない。
・・・あたしが『兄貴を好きなんて』

「ごめん、これはちょっと相談できないんだ」

「私ってそんなに頼りない?」

「ううん、そんなことない!!でもこれはあたしの問題だから」

そう、あたしの問題なのだ・・・

「分かった、でもいつでも私を頼ってね」

あたしの親友は本当に優しい。親友のためにも解決しないと。


74 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/18(土) 14:08:24.13 ID:S6cuGuv+0
「ただいまー」

桐乃はもう帰ってきているようだ。いつものように麦茶をのみ落ち着き着替えまで済ませると
俺は桐乃の部屋に向かった。

「おい、桐乃ちょっといいか?」

「なに?」

中から不機嫌そうな声が聞こえてきた。

「話があるんだけど、入っていいか?」

「・・・うん」

そう言うと桐乃は俺を中にいれてくれた。いつものように座布団を渡された。

「なあ桐乃、お前最近おかしくないか?」

「はあ?何言ってんの?」

この態度・・・俺の気のせいだったか?

「なんていうかさ・・・よそよそしくないか?」

「そんなこと!!・・・ううん、たしかに最近、兄貴のこと避けてた」

桐乃は叫ぶように否定しようとしたが急に俯きつぶやいた。

「あたしさ・・・兄貴が本当の兄貴じゃないって聞いてショックだった」

「だけど・・・それ以上に嬉しかった!!」

まあ・・・こんな不出来な兄と血が繋がってないとしると嬉しいよな・・・じゃあなんで最初ショック受けたんだ?

「だって・・・あたしは兄貴が好きだったんだよ!許されないと思ってたけど・・・」

俺はあの事件と同じくらいショックを受けた。だけど桐乃は泣きながら気持ちを教えてくれた。
俺はどうすればいい?俺は桐乃の兄だ・・・この答えはどの答えをだしてもおそらく俺と桐乃は今までと同じ
関係ではいられないだろう。


75 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/18(土) 14:08:53.16 ID:S6cuGuv+0
「兄貴があたしを妹としか見てないのは分かってる・・・だけどあたしは好きだった。小さい
 頃から兄貴だけをみてきた。それは今も変わってない!!愛してるといってもいい!!」

俺に必死に思いを伝えてくる桐乃・・・俺はどうすればいい・・・このまま行けばどうなるか分からない。
もしかしたら冷戦よりも酷く冷めた関係になるかもしれない。親父とお袋は息子だといってくれたが嫌な言い方だが
俺は他人だ。もう2度と桐乃との仲は戻らないかもしれない。
俺はそれでいいのか?またあの冷え切った関係に戻ってもいいのか?・・・・・・そんなのは嫌だ。
なら答えは・・・

「桐乃、本当にいいのか?」

「え?」

「俺みたいなのが彼氏で・・・それに色んな人から侮蔑の目で見られるかもしれない。その覚悟はあるのか?
 親父とお袋を嫌でも巻き込んでしまうけど、それでもいい覚悟はあるか?」

「お母さんとお父さんには酷いことするかもって何度も考えたけど・・・でも何度も同じ答えだった」

「あたしは兄貴が好き。大好き」

桐乃は最高の笑顔で言い切った。なら俺も覚悟決めるか。

「桐乃・・・俺はまだお前を妹としてみてるけど、それでもお前が好きだ。こんな俺でいいなら
 彼氏にしてくれ」

「うん・・・ありがとう。兄貴!!」

桐乃は俺に飛び込むように抱きついてきた。
そんな桐乃を俺は抱きしめた・・・絶対に離すまいとするように。


84 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/19(日) 10:06:35.49 ID:Rj24URa20
後日談
俺と桐乃が付き合うようにはなったが表面上はできるだけいつものように振舞うようにした。
いきなり恋人のようにしたら。どうなるかわからないからな・・・桐乃は不満げだが一応は納得してくれている。

「ねえ、兄貴。今度の休みでかけるわよ」

「ああ?・・・ったく、わかったよ」

桐乃は相変わらず我侭だが悲しいかな、俺は抗うすべを持っていない。可愛い彼女の多少の我侭は受け入れてやらないとな。
そして約束の日・・・

「ほら兄貴、次はここ行くから」

「分かったから、そんな慌てんなよ」

桐乃はあらかじめ行く場所を決めていたのだろう。あちこち俺を連れまわしてくれている。
今までと変わらない?いや・・・気恥ずかしいんだが桐乃と俺はずっと腕を組んで行動している。
周りの視線が地味にいたい。

「あ・・・あのアクセサリーショップ行ってみよ」

目的の店の少し前で桐乃は目に入った小さなアクセサリーショップが気になったようだ。

「はいはい、わかったよ」

中は静かな雰囲気の漂う店だった。アクセサリーも種類は小さい店構えのわりに結構あり驚いた。

「へ~、結構いろんなの置いてんだ」

「そうだな・・・」

ふと見回すと1つのアクセサリーが目に付いた。銀色のシンプルなデザインのネックレスだ。

「また今度こよ・・・次いこ、京介」

「ああ、ちょっと外で待っててくれ」

桐乃は怪訝そうにしていたがたいして何も言わずに外へ行ってくれた。ちなみに桐乃は2人だけになると
俺のことを京介と呼ぶようになった。最初は照れて赤くなりあわあわしだしてムチャクチャ可愛かった。

「すいません、これください」

俺はそのアクセサリーを手に取ると購入した。


85 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/19(日) 10:07:54.17 ID:Rj24URa20
そして桐乃の予定してたのは全て夕方には終わった。

「さて・・・帰ろうか京介」

「そうだな、と言いたいところだがちょっと行くとこがある」

そういうと俺は桐乃をある店に連れて行った。じつはネットで検索して有名なレストランを予約していたのだ。

「ここって有名なレストランじゃん。大丈夫なの?」

「大丈夫だから連れてきたんだよ」

桐乃は珍しく緊張した様子で店に入る。おかげで俺は逆に落ち着いていられるが。
俺たちは予約していた席に案内された。

「な、なんでここを予約してくれてたの?」

「俺たちが付き合いだして1ヶ月だろ?記念とお礼をかねてだな・・・」

うっわー恥ずかしい・・・俺は気恥ずかしさから目をそらしながらいう。

「な、なななな・・・」

「それとこれ、今日買ったやつだけど・・・プレゼント」

そして俺はアクセサリーショップで買ったネックレスを渡す。

「なんでこんなに・・・」

「俺ってさ、普段は何もしてやれてないだろ・・・それに普段桐乃に我慢させている
 たまには彼氏らしいことしてやりたくてだな」

「あ、ありがと」

桐乃は照れながら大事そうにネックレスを抱きしめ最高の笑顔でお礼を言ってくれた。
ちょっと奮発したかいがあったぜ。

「失礼します」

料理が運ばれてきたようだ。

「さっ・・・食べようぜ」

「・・・うん」

俺はこんな幸せがいつまでも続くといいなと思った。
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