無題:11スレ目242


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242 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/02(土) 22:46:38.64 ID:PtS2t8zGo [3/6]
ケータイを握り締めてベットに伏せる。
そして3分も経たない間に返信が届いてないことを確認すると、ため息を吐いてからまたベットに伏せる。

「ぁ~……もぅ……」

顔を枕に押し付けて足をじたばたさせる。
この動作も何度したかわからないほど繰り返している。

「早く返信きなさ……やっぱくんな……ぅぅ~」

あいつにだって、予定や事情があることなんてわかってる。
完璧にあいつのスケジュールを把握してるわけじゃない。
なにか急用で手が離せない状況なのかもしれない。
もしかしたら、突然妹からおかしなメールが来て戸惑っているのかもしれない。
結局のところあいつに非はないんだ。
だけど、だからこそ返信が来ないことにいら立ってしまう。

「……なんでこんなことに……」

昨日の飲み会のことを思い出す。




「……っよし!たぶんギリギリ!!」
「ぐぬぬ……」

あやせがグラスに氷を入れ、ぎりぎりのところでその中身はこぼれなかった。

「あら?なんだかんだで1週してしまったわね?」
「あらら、きりりんさん。大ピンチですね」
「おら~、桐乃~!さっさとラスト入れちゃえ~!」

黒いの、沙織、加奈子が次々に囃し立てる。
次の私のターンで最後だというのが確定だとでもいうかのように。

「う、うっさい!!次こぼさなきゃいいのよ!」

私は比較的小さめの氷を選んでゆっくりとグラスの中に入れた。

―――チャプ―――

「っ!!」
「きりりんさん!アウトー!!」
「あ~あ、最初もう1個だけ入れておけば、あやせが負けだったな~」
「セーフ!ギリギリでセーフ!」

周りがやかましく私が負けたことを盛り上げる。
加奈子の言う通り、最初でもう1つだけ多く入れておけばよかった。

「というわけで、桐乃」

黒いのが肩に手を置いてさっきまでのグラスを指差す

「一気!」
「できるか!!あんたアレ度数いくつだと思ってんのよ!?」
「大丈夫よ。焼酎が150ml、氷が解けてるとしても200mlもないわ」
「私は度数のことを言ってんのよ!!」
「桐乃、瑠璃さんが一気はヤバイっていうのは40度を超えてからだよ」
「マジで!?」

本当にこの黒いのは肝臓がどうなってるのか、本格的に知りたくなってきた。
しかし一気が大丈夫ということは、胃での吸収をコントロールできるんだろうか?
特に運動や食事制限をしなくても体型を維持できる、黒いの秘密のヒントを得た気がした。

「……どうしてもできないの?」
「できないっての!兄貴よりは強いケドさ、私もそんなにお酒強いわけじゃないもん」
「仕方ないわね」

243 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/02(土) 22:48:14.49 ID:PtS2t8zGo [4/6]
そういって黒いのは中身がこぼれないようにグラスを自分のところにゆっくりと寄せた。

「それじゃあ私がやる代わりに、あなたには……そうね、先輩にメールを送ってもらいましょうか。
 質問系で、できるだけ恥ずかしいものを」
「はぁ!?」
「いいですわね!さすが黒猫さん!私たちができないことを平然とやってのけますわ!」
「そこにしびれる!あこがれる!」
「当然送るメールの内容は加奈子たちがチェックすんだよな!」
「ちょ、ま!何勝手に話進めてるのよ!!」
「……はぁ!……ちょっと氷が解けすぎたわね」
「もう飲んでる!?」

黒いのは空になったグラスをテーブルにおいて、口直しとばかりにもう一度グラスにお酒を注いだ。

「さあ、きりりんさん!これでもう後には引けませんよ!」
「まさか、桐乃。瑠璃さんがここまでやったのに、できませんとか言わないよね?」
「写メが必要なら撮ってやるぜー!」
「……なんなら私が好き勝手に思いついた文を送ってあげるけれど?」
「どうしてこうなった……」

私はダメ出しを10数回された後兄貴にメールを送った。



「よく考えれば『一気』じゃなくて『飲み干す』のが条件だったんだよね……」

あの時は負けたことと、黒いの言葉に気が動転してそのことを指摘しなかった。
それがこんな結果を生むことになるなんて……

「もうお酒の席で無茶なんてしないよ」

某番組の事故後の外国人のようにつぶやいて、再びベッドに伏せた。

―――コンコン―――

「おーい、桐乃。いるか~?」

ビクゥッ!!

体が必要以上に大きく反応する。
メールを返信せずに直接攻撃とは、さすが兄貴。
女の子の心をちっとも理解してない。

「なななななに!?」
「……昨日のメールのことだけどよ」
「ちょっとまったーーー!!」

ベットから飛び上がり、ドアノブを抑えて、あけられないようにする。

「OK!さあ!続きをいえ!」
「なんでだよ!なんでお前は全力で俺が部屋入るのを防いでるんだよ!!」
「こっちにも事情があんのよぉ~~!!」

兄貴とドアはさんで押し問答をする。
物理的にも、言葉的にも押し問答。
なかなかうまいこと言った!(キリッ

「ったく!んじゃいいよ。このままいうから」
「…………うん」

ドアをはさんで私は正座して兄貴の言葉の続きを待つ。
兄貴と本当の兄弟じゃないってことは私がハタチの誕生日に教えてもらった。
お父さんとお母さんはわたしと兄貴の関係をみとめてくれた。
兄貴はわたしとの関係に腹を括ったと言ってた。



だけど……

244 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/02(土) 22:48:56.10 ID:PtS2t8zGo [5/6]
それでもまだ、わたしは兄貴から大事な、「その言葉」をまだ聞いていない。


どれだけ愛の言葉をささやかれても

どれだけ体を重ねても

どれだけお互いの温もりを感じあえても

どれだけ大切にされても

その言葉を聞いていないから、時折ふと不安になる。

だから黒いののあの罰ゲームはある意味助かったのかもしれない。



もしかしたら、そこまで把握してあの行動に出た可能性もある。
本当に食えない女だ。


だけど
本当に友達思いで、やさしい女だ。
そんなことを考えていると、ドアの向こう側から、やっと兄貴が続きの言葉を繋いだ。

「俺にとって、お前は……さ」

さあ、わかりきっている

だけど、わたしが求め続けた言葉をかみしめようかな
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