俺がモデルになれるわけがない!! 7


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「それで?、好きになるっつったって具体的にはどうすんのよ?」

何故か皆何も喋らなかった昼食中、桐乃は喋ったかと思ったらいきなりリアに対して質問を投げかけた
俺は気まずい空気が無くなったのに内心喜びながら話に耳を傾ける、実はこの話題は俺も気になっていたところなのだ。

好きになるって言ったってただ一緒に居るだけで好きになるんなら世の中カッポーで埋め尽くされてしまうからな。リアはそこらへんをどう考えているんだろうか、ただ漠然としか考えていないのか、それとも結構明細に考えているのか。どっちにしろリアの意見を聞かなければ対処の使用がない。

多分俺の予想ではリアは前者の漠然としか考えていない状況だと思う。

「ん~……デート?」
「反対!!」

リアがデートと言った瞬間凄い勢いで立ち上がった桐乃はいきなり叫んだ。何をそんなに必死になっているんだろうか、最近桐乃の挙動不審さが際立ってきている気がする。
なぁ皆、と言わんばかりに加奈子と沙織を見るとこの二人も例外では無かったらしい、半ば尻が浮いていた。

はぁ、何でこう俺は信用が無いのかねぇ、俺が小学生を襲う奴に見えるか?、安心しろ、俺はどっちかと言えば年上好きだ。
何でかと聞かれると答えに困るが、多分俺の予想では俺の周りの奴らが年下ばかりだからだろう。人間その状況に馴れてしまえば逆を体験したくなってしまう物なのだろう。
まぁ何が言いたいかというと俺はリードされたいのであってリードしたいわけでは無い、よって年下より頼れるお姉さんの方が好きって事だ。

俺はそんな事を一人で考えて深く二・三回頷くと、リアの援護にまわった

「別にいいんじゃねぇの?、デートっつったって一緒に買い物に行くとかぐらいだろ?」

第一お前らと買い物に行くよりも絶対楽そうだしな。と一言心の中で付け足しておく。

「っ……、だ、だったらダブルデートにしなさいよ!!、それだったら譲ってやらない事も無いけど!?」
何を譲るんだ、何を。

そんな事を心の中で思うが、声に出してのツッコみは控える、ここでそんな事を言ったら何をされるか分からんからな。
まぁ、とにかくそんな事より

「そのもう一組のカップルはどうすんだよ?、誰か候補でもいんのか?」

そう、そこが問題である。別に俺はダブルデートだろうとトリプルデートだろうとカルテットデートだろうと構わんのだが、いかんせん、そのカップル候補がいなければどれも成立しない。

「それでしたら彼氏役に拙者、沙織バジーナが立候補するでござる!」
「それじゃ、仕方が無いから私が沙織の彼女役に立候補してあげる!!」
「か、加奈子はクソマネの彼女役に!!」

いきなり立ち上がったと思ったら大きな声でそんな事を言い出す桐乃達。
俺はそんな皆に一言こう言ったのだった

「却下」

当たり前だ、まず第一に沙織が彼氏役で桐乃が彼女役のカップルを想像してみろ、シュール過ぎるわ。俺はそんな奴らとダブルデートするぐらいなら家に引きこもって抗議の声をご近所に向かって叫び散らしてやる。
そして第二に加奈子の意見。根本的に間違っているので却下、今回俺はあくまでリアの彼氏役なのであしからず。

と、ここまで考えたところで俺は何やら叫んでいる桐乃達に意識を集中させた。ここ最近聞きたくない話が多すぎたせいか、俺は聞きたくない話を右から左に流すスルースキルを獲得していた、感覚的に言うと本に集中し過ぎて周りの声が聞こえない感じだ。

とにかく何やら騒いでいるこいつらを宥める為にも俺が知っている中で一番妥当なペアを言ってやるとしよう。

「まぁそんなに怒るなよ、別にお前らが無理してカップルのふりしなくてもこっちで何とかするからさ。赤城なんかどうだ?、結構妥当な提案だと思うが」

俺がそう言うと狙い通り騒がしさは無くなり、何やら三人で相談を始めた
仲が良かったり悪かったり、気ままな連中だねぇ。

「あ、赤城?、それって兄貴の友達だよね?」
「はい、そうでござるな。拙者の情報によると何やら重度のシスコンらしく、妹の瀬菜さんに似たラブドールを買うかどうか検討中との事でござる」
「うはぁ、何それキメェ、流石の加奈子でもそれは引くわ」
「って、今はそんな事どうでも良いのよ!!、その妹の赤城瀬菜って子は兄貴とは何も無いんでしょうね!?」
「その点は大丈夫でござろう、まぁ時々京介氏と浩平氏のいけない想像でウハウハしているみたいでござるが」
「うはww、兄妹揃って変態かよww」
「まぁとにかくその二人なら特に問題は無いでござろう」

俺がまたもやスルースキルを使い、ボーっとしていると、話が終わったのだろうか俺に話しかけてきた

「ま、まぁその二人なら問題無いんじゃない?」

当たり前だ、少なくともお前と沙織のカップルよりかは何倍も良いよ。いや、マジで。
兎にも角にもまずは浩平の野郎が行けるかどうかが問題だな。
俺は適当に「そうかよ」と返すと一応確認の為浩平に電話をかけるために携帯を取り出す

まぁこんな誘いをシスコンの浩平が断る筈も無く、返事は一瞬で返ってきて、五分も経たない内に俺は電話をきる。ちなみにデートの日時は明日の午前9時、何時もの公園だ。
携帯を閉じ、ポケットへとしまうと、俺は明日どうなるんだろうか、と考えながらすっかり覚めてしまったスパゲッティをフォークに絡めたのだった
思う事があるとすれば、嫌な予感しかしねぇ、だな。はぁ。


   ・・・・




「さて、これから一緒に生活していく訳だが、そこで注意事項がある」

昼食を食い終わり、只今自分の部屋、もとい俺の部屋に俺とリアは居る。何やら桐乃の部屋の方からガサガサとゴキブリのでかい奴が這いずり回る様な音がするがこの際無視で良いだろう。別に盗み聞きされても困る事は何一つ無いからな。

「其の一、お風呂の後に全裸で歩き回らない!」

はいこれ重要!!

「え~と、それってタオ――」
「この家ではタオル一枚も全裸同然だ!!」

アメリカではタオル一枚で部屋の中を闊歩する奴がわんさか居るんだろうか、もしも本当にそんな世界なら是非一度は死ぬ前に言ってみたいものだ。
まぁ、それはともかく

「其の二、むやみに俺に抱きつかない!」
「またまた~、それはキョウスケおにいちゃんも嬉しいくせに~!!」

「嬉しいけど!!」
嬉しくない!!

―――――――しまった。つい心の声と口から出た言葉が逆になってしまった。
やっちまったぜ。

案の定、リアの奴は俺がそんなに素直に認めるとは思っていなかったのか、耳まで真っ赤にして俺の事をポカンという効果音がつきそうな目で見つめてきている。
……まずいな。俺は注意事項だけ言ってさっさと解散するつもりだったから桐乃達の盗み聞きを許していたんだが、こんな状況は想定外だ。このままだといつ桐乃達が乱入してきて俺を袋叩きにするか分かったもんじゃない

「り、リア?」

今さっきからリアの行動が危ない、完全にトリップしていらっしゃる。何故腰をクネクネと動かす?、何故頬を両手で隠している?。お前は恋にときめく女子高生か。
とりあえず正気に戻っていただこう
うん、それがいい。

「大丈夫か……?」
「うひゃい!!、け、けけ、結婚はまだ大丈夫じゃないです!!??」

………駄目だこりゃ。

そんな諦めの言葉が頭に浮かび、遠い目で窓の外を眺めていると俺が予想していた通り桐乃達が扉を壊れるんじゃないか?、と思ってしまう程勢い良く開き俺の部屋へと乱入してきた

最近よく思うんだが、ため息をしたら逃げていくっていうのは間違いだと思うんだ、俺はこう思うね、幸運が逃げようと口をこじ開ける現象をため息と言うんだ。
だからため息をして幸運が逃げていくんでは無い、幸運が逃げた後にため息は出るのさ。

って言う事で、幸運が逃げたのでさぁ、いっちょ言ってみますか
さん、はい。

「はぁぁ」

その後俺は女子三人による袋叩きにあった。



「どう? 反省した? この変態エロ兄貴!」
「Yes」

顔にあざが残っていないかちょっと気にしつつ桐乃に意味的な選択肢が一択しか用意されていなかった返事を返す
ここで反省していないなんて答えたら今さっきのリピートの様にもう一度俺が袋叩きにされる。まぁ実際は反省するも何も俺に後ろめたい事など一つも無い訳だが、そんな常識が通用しないのは今までで充分理解しているので無駄にエネルギーを消耗するより大人しく反省しているふりをした方が身の為だ。

……ん? 何だ? 

何か用なんだろうか、なにやら加奈子の奴が俺の事を睨んでいる。というか顔が赤いんだが大丈夫なんだろうか、まぁ一応顔見知りではあるので心配なのは心配なのだ。

「第一なぁ、クソマネもロリコンならロリコンらしく可愛いツンデレ加奈子ちゃんにもっと反応しろよなぁ」

なにやら加奈子がほざいているがこの際だ、適当に返事をしとけばいいだろう。っていうか心配した俺がバカだった、バカは風邪引かないと言うではないか。
それに何がツンデレだ、お前がデレた事なんて無ぇじゃねぇか、お前なんかツンツンで充分だ。どうせ顔が赤いのも熱いとかそんな初歩的な理由に違いない。うん。

「あっははは、そうだ――――」

そこまで言って最後の『ね』を言う前に俺は加奈子に小突かれていた。
何しやがる。

「だれがツンツンだ!」
「俺口に出してなかったよね!?」

前にも思ったんだがこいつらはエスパーなんだろうか、ていうか女子という生物がエスパーなんじゃないだろうか。
加奈子だけじゃなく、桐乃にあやせにブリジットに沙織に黒猫にリア、とにかく俺の周りにいる女子という女子は全員俺の心を読んでくる傾向があるのだ。
早めに何故こいつらが心を読めるか究明しなければならないな、俺の平安のために。

「簡単よ、あんたってば顔にですぎなんだよねぇ、どうせババ抜きでも負けてばっかでしょ?」

うぐっ、何故そのことを。
言っていることは合っているのだが非常に顔が気に入らない、何だ、その得意気な顔は。止めろ。

「ていうか、そんなに怒るんだったらお前らからリアに禁則事項を説明してくれよ。このままだと何をするか分からないぞ?」
ひとまず流れの悪いこの話を切り替える。さっさと終わらして俺は寝るのだ。

それにこのまま何も話さずに俺の生活が無茶苦茶にされるのだけは勘弁だしな。

「………しょうがない、仕方ないから私達から話しといてやるわ!」
「おう、それじゃ頼むわ」

そっちの方が俺は楽なんでね。
そう心の中で付け足すと俺はベッドに寝転がろうとした。だが、俺の行動がうまくいかないのはもう自然の摂理なのか、俺の体が完全に寝る体制に入る前に桐乃によって俺は首根っこを掴まれていた

「あのぉ、何でせうか桐乃さん」
「あんたなに一人だけ寝ようとしてんのよ、話に参加はしなくてもいいから黙って見とけっての」

Yes理不尽。別に良いじゃないか寝るくらい。
桐乃への文句を心の中でぼやきながらも俺は体制を元に戻す、………仕方ない、仕方ないんだ。


「あっははは、すっかり尻に敷かれてるでござるなぁ? 京介氏!!」

後に「実に 愉快愉快」とつけんばかりに大爆笑する沙織。気分的には一発お見舞いしてやりたいが、そこは一応女の子なので自粛。
爪が食い込んだ手が痛い。

「うるせぇ」

手が痛かったので力を緩めるとちょっと小さめの声でそう言い返す。
事実なので否定できないのが非常に辛い。

「まぁまぁ、そう不貞腐れず、一緒に空気とかしましょうぞ!!」
「――――ごめん」
思わず謝罪してしまった。

あれ?、目からしょっぱい液体が流れてきやがる。
とりあえずこの湿った気持ちを何かで吹き飛ばしたい、お笑い番組なんかだと俺的に非常に嬉しい。

最近のテレビは一体何をやっているんだろうか、世間に疎いのも考え物である。

「なぁ、下に行っててもいいか?、テレビでも見とくからよ」
「何言ってんのよ、私は私達が真面目に話してんのにあんたが一人だけノホホンとしてるのが許せないって言ってんの!」

どんだけ心が狭いんだ。プンスカプンッ。
いや、きもかったのは自覚している。すまなかった。

「ほんと、やめてよね!、見なさいよ鳥肌たっちゃったじゃない!!」

心を読んだお前が悪い、と言ってやりたいがキモかったのは事実なので、またもや自粛。人間時には我慢も必要だ。
第一だな、我慢を忘れ『ガチャッ』たら人間終わり『ガチャッ』だと俺は思うのですよ、忘れた者の『ガチャッ』馴れの果てがこの『ガチャッ』俺の前に……って

「何なんだ!?、この礼儀知らずのスカポンタンめ!!」

ガチャガチャガチャガチャうるせぇんだよ!!、チャイムを鳴らせチャイムを!!!!。
折角俺が人生を心の中で語っていたというのに邪魔してくれやがって。

そんな怒りを込めて俺は部屋の扉を勢いよく開けた

「き、京介氏!、今玄関に行くのは危ないのでは!?」
「あぁ、うん。大丈夫。大体誰か予想ついてるから」

どうせあの誘拐会社だろう。

「で、では念の為拙者もご一緒するでござる」
怖いのだろうか、真っ青な顔で沙織は俺にそう言ってくる。

「いや、いいよ。怖いんだろう?」
そう言って俺は沙織の頭に手を乗せた。
ったく、何時もお前は心配し過ぎなんだよ。

「今回は本当に安全な奴だから心配いらねぇよ」
ちったぁ心配の加減を覚えないとお前が倒れちまうぞ?。

「で、でも、もし……もし京介さんに何かあったら!!」
素に戻ってますよ~。

メガネかけてんのに素に戻るぐらい心配してくれてんのか?。まぁそれはありがたいんだが、今回は本当に安全なのでそこまでシリアスになられると色々反応に困るのですが。
後ろの桐乃と加奈子なんか見てみろ、心配のしの字も見つからねぇじゃねぇか。


「大丈夫大丈夫、本当に心配いらねぇって」
俺はそこまで言うと沙織の耳元に顔をよせてこう呟いたのだった

「俺が無事に戻らなかったら今度皆に内緒でクレープでも奢ってやるよ」

そう言って笑うと沙織はやっと何も言わなくなり、俺はその隙に玄関に向かったのだった。

ちなみに沙織とのやり取りの間も『ガチャッ』という音は始終鳴りっぱなしだったが、そこはあれだ、気分的に除外させてもらった。その『ガチャッ』という音は現在進行形で鳴り続けているのだが無視している。

あ~うるさいうるさい、はいはい今出ますよ~

「…………」

ん?、でも待てよ?、このまま開けるんじゃちょっとしょうもねぇな。
奴は今扉の取っ手をガチャガチャしているんだろ?、という事は扉のかなり近い位置に奴は居る事になる。
という事はやる事は一つしかあるまい。

「日頃の恨みも込めて全力で扉を開く」

はい決定。よし決定。
「という事で高坂京介、行きまぁあす!!」

そう小さな声で叫ぶと俺は鍵を一瞬で開けて扉を壊れそうな勢いで開いたのだった

扉の風を切る音が耳に届くと外の景色がやっと俺の目に映りだした。
おかしい、今頃本当なら手ごたえをとっくに感じている筈だ、だが俺の手にそんな感触は一切無い。扉を開く前にも俺はちゃんとガチャガチャという音をこの耳で聞いている、だからあいつは確実に扉の前に居るはずだ。

『ゴンッッ!!!』

だが居ない、いや、居なかった。
居なかったから俺は今扉に顔面を強く打ちつけ鼻血を出しながら地面を這いつくばっているのだ。

「な、何故だ…」
「あっははは、簡単ですよ。ちゃちゃちゃちゃっちゃちゃーん(ドラエ○ンが何かのアイテムを出すときの音)マジックハンド~~(ドヤ声)」

殺したい。

「まぁ、そんな些細な事は置いといて」
「その些細な事のせいで俺は鼻血を流してんだよ!!」
「あっははは。今日はちょっと報告に、明日リアさん達と京介さんが一緒にスポーツしているところを撮影します!」

……こいつ「あっははは」で俺の鼻血の件をスルーしやがった

「撮影地はアメリカ、明日出発です」
「はいぃいいいい!!??」

「今日この家に居る人以外は話しておいたんで。京介さんはこの家にいる方々に説明して今日のうちに用意しておいて下さいね」

一方的にそう言ってニコッと笑ったハンサムは用事は終わったと言わんばかりにあの最悪な思い出が詰まった車に乗り込んでいった

ちょ…ま…
「待てぇえええハンサムウゥウウゥゥウウウウウウウウウウ!!!!」

まぁ待つわけもなく、俺が叫んで何秒もしないうちにハンサムが乗った車の姿は見えなくなった。
車が見えなくなって暫く固まっていたが、そうしてても現状に何ら変わりは起きないのでしかたなく家の玄関を見る。
ふむ、あいつらに何て説明しよう。
とか考えている俺は最早病気なのかもしれん、近々病院の精神科にでも行ってみるとしよう。

何て事を考えながら俺は皆に今回の事を説明すべくちょっと立て付けが悪くなった気がする玄関の扉を閉めると自分の部屋に向かうべく足を動かしたのだった。
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