( ^ω^)美味しいカレーのようです その4


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鶏冠のような髪を振り回し、充血した目は飛び出るかというほどにまでひん剥かれ、
口は唾液を流しながら、筋肉質の囚人は叫んだのです。

(#゚∋゚)「あああああああああああああああああああああああ」

屈強な見た目とは裏腹に誰よりも心が弱く、今までは自分だけが生き残ると信じていた、
そんな彼が四日目にして自分の身に起きた異変に気が付いたのです。
その衝撃は、なんとか自分が有利な状況であることだけを考えて正気を保っていた彼の精神を破壊するには充分すぎるほどのものでした。

(#゚∋゚)「あああああああああああああああああああああああ」

奇声を上げながら彼は立ち上がります。
すると、彼の両方の足首が後ろへと折れ曲がり、踵がふくらはぎへとぶつかりました。

(#゚∋゚)「ああああっ!」

今度はその衝撃ですねがくの字に折れ曲がります。
重力に逆らわず膝をついた彼は、膝から大腿部にかけて複雑に崩れていきました。

(#゚∋゚)「あああっ!」

こうなると次に地面にぶつかるのは腰です。
垂直に腰を打った彼は、不自然な形で背中を折り曲げ、それなりの勢いを持って頭を床へとぶつけてしまいます。

(# ∋ )「あっ!」

平常の彼ならば、額にコブを作って終わりだったのでしょうが、今回に限り彼には異変が起きています。
異様に鈍い音を立てたかと思うと、体の角度に対し、不自然に後ろに折れ曲がった首と、床にあわせてへこんだ額。
彼が頭をぶつけた床には、大量のどす黒い血がどんどんと広がっていきました。

三人目にして、初めての出血をともなう死者が出たのです。

(*;ー;)

(´゚/ω/゚`)

そして、気が狂い死んでいった筋肉質の囚人を見ても、残った二人の囚人は大きく取り乱すことはありませんでした。
その目に恐怖を滲ませてはいるものの、すでに自分の身体も人外のものとなり、
慌てふためく余力も残っていなかったのです。

女の囚人は静かに泣き続け、太った囚人は痛みにもがき苦しむばかりでした。

五日目です。
この日は、二人ともさらに症状が進行してしまいました。

(*;ー;)「……」

真っ赤になり、固まってしまった女の囚人ですが、辛うじて生きていられたのは内臓がまだ生身だったためです。
その内臓さえも、異変は侵食し始めたのです。
胃が固まり、腸が固まり、肝臓が固まり、膀胱が固まりました。

(*;ー;)「……!」

だんだん体内で起きていく変化を感じ取った彼女は、数日間続いていた涙をさらに増やします。
それでも変化は止まず、肺までも固まってしまいます。
空気をいくら体内に取り込んでも、肺がそれを受け付けなくなってしまったのです。

(*;ー;)「……! ……!」

吸えども吸えども、息は苦しくなるばかり。
真っ赤に染まってしまった身体も固まり、内臓も固まってしまった彼女は、
それでも生きようと最後の最後まで空気を取り込もうと必死になりました。

(*;ー;)「……!」

しかし、異変は止まらず、無常にも彼女の脳や、心臓さえも固めてしまったのです。

(* ー )「……」

五日目にして、やっと彼女の涙が止まった瞬間でした。

(´゚/ω/゚`)「……!」 

さて、一人残された囚人も気が気ではありません。
彼の筋肉が、遂に筋に沿ってめくれ始めてきたのです。
それは強烈な激痛をともなってやってきました。

(´゚/ω/゚`)「ぴょ……!」

頭の肉が剥がれ、頭蓋骨が見えてきます。
筋肉の中をはしる血管や神経が音を立ててちぎれていきます。
だんだんと肉は下へと向かい、首やあばらの骨を露わにしながら、筋に沿って一枚一枚落ちていきました。

(´゚/ω/゚`)「ひぎゃあああああああああ」

太った囚人は痛みに我を忘れてもがき苦しみました。
やがて全ての肉が落ち、残ったのは骨と内臓。
それでも不思議なことに、彼は生きていました。

(    )

零れ落ちそうになる眼球を眼孔に必死にとどめながら、骨で内臓を包んだ不可思議な姿になった彼は思うのです。

もしや、自分はこの姿のまま生きながらえるのではないのかと。

翌日、六日目です。
彼の骨に筋が入り、やはり筋に沿ってめくれていきます。

「……!」

さらに翌日、最終日の七日目です。
内臓と脳と眼球だけという不気味な格好になった彼が、さらに残された部位もめくれていきます。
脳がめくれ、それに繋がる視神経ごと目もとられ、最後に内臓が全て落ちたとき、彼は気が付くのです。

「……」

全てを失った状態でも、魂だけ。つまりは透明人間として生きていることに。

太った囚人は喜びました。
どんな形であれ、自分は何故か死ななかったことを。
自分だけが生き延びたことを。

「……!」

そして、一週間開かなかった部屋の扉が、外の力によって開かれます。
自由が待ち受けている外の世界に、太った囚人は心をときめかしました。

するとどうでしょう。開く扉の風圧に、僅か二十一グラムしかない彼の魂は吹き飛ばされ、
誰の知ることもない場所へと飛ばされてしまったのでした。

/ ,' 3

(*゚ー゚)

( ゚∋゚)

('A`)

(´・ω・`)


部屋に残った、茶色い山、でこぼこの死体、体中の骨が折れて血抜きの済まされている死体、赤く硬直した死体、太った囚人のめくれた跡。

(-@∀@)「実験成功だ」

白衣の男は部屋の中に入ると大きく笑い、それらを外へと運び出すのでした。

( ^ω^)「これはとても素晴らしいチキンカレーだお」

カレーハウスに住む権力者は大きな声で目の前のカレーを褒め称えました。
彼の作り出した極上の米に吊り合う、極上のカレー。
探し続けたものが、白衣の男の手によって彼の前に現れたのです。

(-@∀@)「そうでしょう。僭越ながら説明させていただきます。まずはカレー粉。
      人生においての経験はスパイスと申しますが、それはもう多分に経験豊かなものを用意させていただきました」

(-@∀@)「そして、鶏です。こちらは活発に運動し、適度に筋肉のついた鶏をしっかりと血抜きしたものです。
      余談ですが、人間が鳥のように飛ぶには、骨を極端にスカスカにしなければいけないらしいです。こわいですね」

(-@∀@)「そしてじゃがいも。見た目は醜い野菜ですが、皮をむいてみればなんと美しいことか。
      適度な甘みがカレーのスパイスをひきたてます。じゃがいもの芽にはソラニンという毒が含まれていて、
      多分に摂取すると昏睡状態のまま死に至るそうなので、そこは抜かりなく除去しております」

(-@∀@)「ニンジンはとても美容によい野菜ですが、こちらも美しいニンジンを用意させていただきました。
      とても硬いニンジンもしっかりと熱を通せばこんなに柔らかくなるんですね」

(-@∀@)「さぁ、たまねぎです。肉厚のものをあめ色になるまで炒めれば、それだけで極上の一品となるのです。
      そういえば、食いしん坊のゴリラがたまねぎの皮をむいても実がなくて驚く童謡がありましたね」

(-@∀@)「それから、それから」

( ^ω^)「カレーうめぇwwwwwwww」

人間を食材に変える薬を発明した白衣の男の説明は続きます。
しかし、そんな彼の説明もどこ吹く風で権力者はひたすらにカレーを口へと運び込みます。

彼の胃へと入っていく囚人たちは、やがて権力者の血となり肉となり、彼とともに生きていくのでしょう。
ほとんど死んでしまった彼らも、このように形を変えて生きていくのでした。






めでたし、めでたし。

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