(*゚ー゚)ニッ
2月14日
とうとうこの日が来る
私は準備と特訓を重ねてきた
料理なんて自分からすることもないし、
やったとしても酷い物が出来上がるだけだったけど、
全てはこの日の為
2週間前から続けてきたこのクッキーを作る作業も今日でお終い
もう、段取りが頭に染みついてて夢にまで出てくる程だ
それなのに、肝心な事を前日まで忘れてた
どうやって渡すのかっていう事だ
渡す時になんて言ったらいいのか
そもそも直接手渡しなんて出来るのかな
その所の予行練習は一切やって来なかったから、
結局昨日は深夜まで眠れなかった
その結果が今の状況
普段と同じ位の時間に起きたけど、
今日ばかりはそれじゃだめだった
どうしてもその日に作ったものを持って行きたかったから、
早起きするつもりだったのに
お父さんは既に家を出ていたみたいだったけど、お母さんはまだ家を出ていなかった
お母さんには、どうしても作って持っていくと言い張って無理を通した
絶対に遅刻しちゃだめよと言われたけど、
そんなの無理だって分かりきってるよね
―――そして今、8時30分
生地をオーブンに入れて、ようやく一息つけた
このままなら、2限には間に合うかな、なんて考えてた
その時、玄関のチャイムが鳴った
私は、お母さんが忘れ物でも取りに来たのかと思って、
そのまま鍵を開けた
( ^ω^)「あ、まだいたね」
( ^ω^)「おはよう」
(;゚ー゚)「あ、わっ、わ」
( ^ω^)「大方寝坊でもしたんだね」
( ^ω^)「そんな事になってるんじゃないかとも思ってたんだお」
私は急な展開に驚いて、何が何だか分からなくなった
なぜなら
(;゚ー゚)「ど、どなたですかっ」
お母さんだと思ってインターホンで確認もせずに扉を開けたせいだ
誰なんだろうこの人は
私と同じ学校の制服を着てるけど、
学校で見かけた記憶はなかった
( ^ω^)「おじゃましてもいいですかな」
制服がはち切れそうなほど太っていて、ずいっと寄ってきたときには、
生理的に受け付けない悪臭が漂ってきた
さらに、近寄ったせいで肩や襟の辺りにたくさんフケが付いているのが見えてしまった
(;゚ー゚)(き、気持ち悪いっ!)
(;゚ー゚)「駄目です!入らないでください!来ないで!」
力いっぱい扉を閉めようとしたけど、
もう遅かった
その太った人は、体を無理やり扉の間に押しこんできて、どうしても閉まらない
必死に押し出そうとしても、結局力では勝てず、玄関に押し入られてしまった
(;゚ー゚)「な、何なんですか!?何するつもりですか!?」
( ^ω^)「そんな邪険にしないでほしいお、しぃちゃん」
(;゚ー゚)「あなた誰ですか!?どうして私の名前を知ってるんですか!?」
( ^ω^)「今日が何の日か知ってるよね?2月14日だよ?」
太った人は私の質問には答えず続けた
( ^ω^)「バレンタインのプレゼントを頂きに上がりましたお」
太った人は黄ばんだ並びの悪い歯をむき出しにして、笑った顔をした
笑い声は出さず、とても短く息を吸ったり吐いたりを繰り返した
犬のするそれよりずっと速く、今まで見た物の中で最も気持ちの悪い笑い方だった
(;゚ー゚)「いやあああああああ!!!!!」
(;゚ー゚)「助けて!!!誰かっ!!!」
( ^ω^)「静かに」
そういうとその人は、私の口を押さえつけた
そしてそのまま首を絞め始めた
芋虫みたいな醜い指が首に食い込んで、息ができなくなる
(;゚ー゚)「・・・うう・・・」
容赦なく、凄い力で首を絞めつけてくる
(; ー )「・・・・・・・・」
( ^ω^)「お、そうそう、静かにしないと近所迷惑だお」
――――
肌寒さを感じて目を覚ました
(*゚ー゚)「ん・・・・・」
何が起きたんだっけ
寝坊して、クッキーを作ってたらチャイムが鳴って、それから・・・
変な人が来て
(*゚ー゚)「そうだ・・・私!」
辺りを見回してみる
私の家の中だった
その時ようやく自分の体勢に気が付いた
ドアノブに両手を括りつけられ、足も縛られて、床に座っていた
(*;ー;)「何なの・・・本当に・・・」
あの太った人は見当たらないけど、まだどこかにいるのかな
(*;ー;)「何でこんな・・・」
( ^ω^)「呼んだかお?」
(*;ー;)「ひっ!」
太った人は、キッチンから突然ぬっと現れた
いつもはそこにはお母さんしか入らないのに
この家も、キッチンも、お前みたいな醜い奴が入っていい所じゃないんだ
急に悔しさが溢れてきて、ますます涙が止まらなくなる
(*;ー;)「うう・・・・」
最終更新:2011年02月15日 16:45