( ^ω^)ブーンが拗らせた童貞を武器に戦うようです 第二話

第二話「流星スターダム」


<#ヽ;;;∀;;;>


イ从,';,';,';';,';,',,';, サラサラサラ



象った形は砂と化し、風と共に流れる。
傍らに主を残して、狐目の女は青き炎と共にその姿を消した。



(;^ω^)「消し炭ってレベルじゃねえお……」

(;ФωФ)「ぬぅ……」

ξ゚⊿゚)ξ『?』


杉浦も絶句するほどの力。
その力を振るった少女自身はまだ何も理解していない。
内藤は、無邪気な暴君の強大さに恐怖を覚えた。

だが、同時に欲が湧く。






『この力を自分の好きなように振るえたら、一体なにができるだろうか?』







好奇心という名の欲望が。

己が内に沸く恐怖と欲望。
内藤の中で天秤にかかる両者はぐらつきながらも拮抗する。

だが、好奇心というものは恐ろしい。
太古の神話から現代の三面記事まで。

虜になったものは必ず行動を起こし凄惨な末路を辿る。
抗いようの無い、代替できない欲望。
肉体ではなく、己が知能に直接働きかける原初的欲望。

それが好奇心という名のアクマだ。

(; ω )「お……おお…………」



うち震える内藤の脳裏に言葉が響いた。



『シたいようにすればいい』




(  ω )




『ボクもそれをミたいんだ』





  ( ゜ω゜)

ξ゚⊿゚)ξ『おいこら。さっきは外したけど無事で済むと思ってんのか変態』

(;;;#;; ω ;;) プスプス

ξ゚⊿゚)ξ『結構しぶといわね』

(;;#;;;ω;;;)「横暴だお!!マミたんみたいなおっぱい天使様をきたいしてたのに……、これじゃはな琳様じゃないかお!!」

ξ゚⊿-)ξ『命があるだけ感謝なさい』

(;;#;;;ω;;;)「うわああああああん!ブーンの甘酸っぱいトキメキ返せおおお!!」

lw´‐ _‐ノv 『30過ぎのおっさんが甘酸っぱいとかきめぇwwwww』

( ´ФωФ)「我輩50過ぎ……」

(#^ω^)「これじゃ命がいくつあっても足りないお!」

( ФωФ)「安心しろ内藤。己の幻我の攻撃では死なん」

ξ゚⊿゚)ξ『あら、そーなの?』

(#^ω^)「そーゆー問題じゃないお!生きてるからって何べんも黒漕げにされてたまるかお!」

lw´‐ _‐ノv 『ごめんね、ロマはいつもどっかズレてるから』

(;´ФωФ)そ「い、いつも!?そういうことはもっと早く教えて欲しいのであるよ!」

いつの間にか杉浦が救急車を手配したらしく、傲慢な男は運ばれていった。
救命士の話では、重度の火傷だが命に別状はない。


( ФωФ)「能力者と幻我は繋がっているが、ダメージはそのまま能力者には反映されないのである」

( ^ω^)「ロマさん!そんなに詳しいならもっと童貞異常能力のこと教えて欲しいお!」

ξ゚⊿゚)ξ『物凄く欲しく無くなる名称ね』

(;ФωФ)「あ、うん。幻我ね。幻我」


コホン、と咳払いを一つ。
杉浦の作り出した間により、空気は緊張感を帯びた。


( ФωФ)「三十路童貞が授かった能力。それは幻の自我と書いて『幻我』と言う」

ξ;゚⊿゚)ξ;^ω^) ゴクリ

杉浦は語る―――――――――-


  4日前の0時に、全国各地で光の柱が観測された。
  政府の指示を受けた国の研究機関が調べたところ、柱の発生源は三十路以上の童貞と判明。
  そして彼らの誰もが、常識では測りきれない不可思議な能力を有していた。

  『幻我』。
  ある研究者により、もう一人の自分を意味する『ドッペゲンガー』から名付けられた能力。

  抑圧された己の性的衝動による欲望、妄想を現実に表象し、
  その象徴として具現化された女性。

  彼女らが持つ、主が欲望を叶えるための力。
  膨大な性衝動を律することが可能な童貞、即ちウィザード級の童貞のみに備わる究極の力。

  その力は無から有を生み出し、物理法則を完全に無視する。
  更には相手の精神にまで影響を及ぼすものもある。
  常識の範疇を超える危険な力。

  武力として用いれば、既存の軍事力など砂塵に帰すほどに危険な力。


―――――――――-

( ФωФ)「それが、幻我だ」

(; ω ) 「す……」

( ФωФ)「ふふ、どうだ?恐ろしくて声も出まい。一説によれば、光の柱の尾に含まれる成分は30年前に飛来した隕石のエネルギー結晶と99.9%一致して――――」






ヾ(*^ω^)ノシ 「すっごいお!それって無敵ってことじゃいかお!」




(;ФωФ)「ず、ずいぶんあっさり受け入れるのであるな」

( ^ω^)「適応力と好奇心、それにオナニーバリエーションだけがブーンの取りえですお!」

ξ゚⊿゚)ξ『えい!』

(;;#;;;ω;;;)「いちいち燃やすのやめてお!!ブーンからオナニー取ったら何が残るんだお!」

lw´‐ _‐ノv 『キミキミ。今度から飯盒を持ってはくれまいか?イカ飯に興味があるんだが……』

(;;#;;;ω;;;)「地球だけじゃなくてブーンにも優しくしてお!!」

(;ФωФ)「シュー。そんなばっちぃの食べちゃダメであるよ……」

( ^ω^)「でも一体どこでそんな情報を?マスゴミなんて役に立たないお?」

( ФωФ)「傭兵時代の情報ネットワークと研究機関のツイッターをフォローしていたのである」

( ^ω^)「ツイッターwwパネェwwwwwビバ情報漏えいwwwww」

lw´‐ _‐ノv 『科学オタめ』

( ´ФωФ)「なんで棘のある言い方するのである?」

lw´‐ _‐ノv 『愛情さ』

(;*ФωФ)「ばっ、ばかっ!!」

( ^ω^)(純だ!)

ξ゚⊿゚)ξ(この人見た目よりも純だ!)

(;ФωФ)「とととtt、ところで内藤。光の柱が立った際、普通ならば能力に目覚めるはずだが何をしていたのであるか?」

   モヤモヤモヤ
( ^ω^)。o( (*^ω^)「んほおおおおおおおっっ!!!マミさんシュッシュwwwwwwww」 )

     炎メラメラ        ハッ!
ξ゚⊿゚)ξb          (^ω^;)彡

(;ФωФ)「何していた?」

( ^ω^)「黙秘で」

ξ゚⊿゚)ξ『チッ』

(;´ω`)「ツン、もう燃やすのやめてお。熱いのヤなんだお」

ξ゚⊿゚)ξ『ツン?私のこと?』

(;^ω^)「(ツンツンしてるから、とは言えないおね……)ツ、ツンドラの永久凍土ように気高い?から?」

ξ゚⊿゚)ξ『気高い……』

ξ*゚⊿゚)ξ『なんかいいかも!』

(;^ω^)=3 ホッ

( ^ω^)「それよりブーンの能力は何なんだお?セクロスに役立つのかお?せめて新しいオナネタくらいにはなって欲しいおwwwww」

( ФωФ)「そうだな、お前の能力はだな……」

  1.    +   +   +  +
ξ0゚ ゚⊿゚)ξ0゚ ^ω^) ワクワク テカテカ
 (0゚∪ ∪ (0゚∪ ∪ +
 と_)_) と_)_) +





( ФωФ)「さっぱり解らん」


       ヽ(^ω^)/   ズコー
      \(.\ ノ
    、ハ,,、  ̄
     ̄

ξ*゚⊿゚)ξそ

      ヽξ*゚⊿゚)ξ/   ズ、ズコー
      \(.\ ノ
    、ハ,,、  ̄
  _,
ξ゚⊿゚)ξ『マネしたけど思ったより楽しくなかった』

( ^ω^)「そんなんマネするくらいならブーンがアナル見せるからツンのも見せてお」

ξ゚⊿゚)ξ『やあ!』

炎炎^ω^)「うん、なんにでも興味を持つのはいいことだお」

lw´‐ _‐ノv 『ちょwwおまwwww適応能力すげぇwwwww』

( ФωФ)「単純に考えれば能力は炎だが、それだけとは思えん。何か副次的効果があるのである。
        いずれにせよあれだけでは判断できないのである」

( ^ω^)「じゃあのロマさんの能力はなんだお?さっきシューたんがおっぱいユサりながらお米弄ってたお」

lw´‐ _‐ノv 『私のお米イジッちゃらめええええwwwwww』

( ФωФ)「能力は己の生命線だ。正直に答える奴がいるかバカモノ!」

ξ゚⊿゚)ξb炎;^ω^)「手厳しいおね……」

(*ФωФ)=3 「当然だ!戦場ではいついかなる時も情報が生死を分け――――」

lw´‐ _‐ノv 『万物操作』

( ФωФ)

( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv 『他人が所有するモノから所有権を奪い取る。それが私の能力。さっきは炎を奪ったのさ』

(;´ФωФ)「な、なんで言っちゃうのであるか?」

lw´‐ _‐ノv 『コソコソするのは武人であるロマの望むことじゃないから』

( ´ФωФ)「時と場合によるのであるよ?TPOって大切なのであるよ?」

lw´‐ _‐ノv 『ホントは面白そうだったから』

(;´ФωФ)そガーン!! 「わかっててやったのであるか!?」

lw´‐ _‐ノv 『反省はしている。だが後悔はしていない』

(;´ФωФ)そガガーン! 「余計タチ悪いのである!!絶対またやるに違いないのである!!」

(;^ω^)「幻我って、やっぱり思い通りに動くダッチってわけじゃないようだおね」

時間に差し迫られたことに気づいたブーン。
3人でドクオとの待ち合わせの場所へ向かった。
ツンは、


ξ゚⊿゚)ξ『歩くの?だるい』


と言って消えた。ブーンは少し泣いた。




('A`)「ようブーン来たか――――」

(;'A`)そ 「ってうわぁ!?」

  _
( ゚∀゚)「おせーぞブーン――――」
 _
(;゚∀゚)そ 「ってうわぁ!?」


( ^ω^)「お?生まれ変わったブーンの溢れるフェロモンにクラクラかお?」

(;'A`)「いや……、って言うか、なぁ?」
 _
(;゚∀゚)「あ、ああ……」

 _
(;゚∀゚);'A`)「そのゴツイ人、だれ?」





        /⌒ヽ  そ むっ!?我輩か?         
       ( ФωФ) ̄"⌒ヽ  
      / ) ヽ' /    、 `、  
     γ  --‐ '    λ. ;  !   
     f   、   ヾ    /   )   
     !  ノヽ、._, '`"/  _,. '"    
     |   ̄`ー-`ヽ 〈  < _ ヽ.   ムキッ!
      !、__,,,  l ,\_,ソ ノ  
          〈'_,/ /   /   
              | |  イ-、__





( ФωФ)+「杉浦ロマネスク、53歳。童貞さ」

カラダは初老、ちんこはコドモ。それを地でいく五十路である。

すげぇ存在感だ、並みの男じゃない。二人は感じた。
だが二人も名だたる童貞。
どこに出しても恥ずかしくないきれいちんこボーイズだ。礼儀を失することは無かった。

  _
( ゚∀゚)「そいつぁ奇遇だな。俺はジョルジュ長岡、30年童貞拗らせてんだ」

('A`)「俺もまぜろよ。鬱田ドクオ30歳。童貞だぜ?」

( ФωФ)「このエロス満載のご時勢に守り続けるとは……。若いのに敬服に値するのである。
        先ほどは失礼した。我輩の名は杉浦ロマネスク、気軽にロマさんと呼んでくれて構わないのであるよ」

('A`)「把握した。俺たちは共に童貞、いわばソウルメイツ。俺たちのことは年上らしく呼び捨てにでもしてくれ」

( ФωФ)「心得た」

( ^ω^)「ロマさんは海外の戦地に長いこと住んでたから日本の情勢に疎いんだお。たまに変なこと言うけど大目に見てあげてお」

( ´ФωФ)そ 「やっぱり変なのであるか!?」

( ^ω^)「こっちはドクオとジョルジュ。ドクオは人相どおりヴァイブレーション的なものの研究者で、
      ジョルジュはイケメンで商社勤めなのが鼻につくけど重度のマザコンだから勘弁してあげてお!
      二人ともブーンの友達だお!」
 _
(;゚∀゚)「よ、よろしく……」

('A`)「それでそっちにいるのが?」

lw´‐ _‐ノv 『シューちゃんでっす☆ああ死にたい……』

(;ФωФ)「慣れないことしないで」

( ^ω^)「なんでシューは出っぱなしなんだお?」

lw´‐ _‐ノv 『世界のすべてをみたいんだお!』

( ´ФωФ)「この子どうしても言うこと聞かないのであるよ」

('A`)「俺達はわりと上手くやってるけどな」
 _
(;゚∀゚)「そっ、そうだな。うん、そうだ」

( ^ω^)「おっ!?みんな能力使ったことのあるのかお!?」

ヾ(*^ω^)ノシ「ブーンはさっき始めて使って大興奮なんだおん!!フヒヒwwwww」

('A`)「キメェwwwww」

( ^ω^)「ロマさん、みんなにも幻我のこと教えてあげてお」
  _
( ゚∀゚)「おっと待ってくれ、時間が惜しい。向かいながらの説明で頼むぜ」

v速公認アイドル篠崎愛のおっぱいが掛かっているんだ……。長岡は天を仰いで力強く呟くいた。
真白に染まった震える両手が、彼の真剣さを物語る。

自分の中の優先順位を見失わない男、長岡の意見に従って一同は全力でテレビ局に向かう。



三三三三 ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブンブーン

( ФωФ)「幻我……。それは幻の自我」


杉浦は同じ話を繰り返す――――――――――――――――。


            ∧_∧'"'"{ ̄` ̄ ̄`ヽ、.._    < 邪魔しないでね。
           (ФωФ*)' ',    人 ゙ヽ、       真面目なお話中であるよ☆
            ゝ`ニニ´,\ヽ.   ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
         /', `ヽ_リ,__,,... ゝ- '´ ,ノヽ   i   }
.          ./´'´ ̄7´ `/  /   ,'      }  ,{
       /    }   人  !          ,∧ノ ゙i   
         {   _,ノ -‐‐-}-- 、   {     , '"´、 ∨, }   
      /!,.ノ`ヽ.     {   ヽァ-、,/i    ヽ∨!  
.      ./ ,      }\   ヽ   i r'´  } ,.-‐'" ',.}'
    ,∠',{     リ, /`‐-イ `ー--i._,.ゝ- 、     /|
  /   ∨ ,..-‐-、ノ   ゙i‐‐-/´     ',   / |
  八    リ 〉   `ヽ`ー‐‐''",,... -‐‐‐-.ノ  /   |
 /,....-、.._  ヽ、 >/..__ `ー‐--.. -‐ ''"´,. .リ ,...ノヽ
 (ー- '"Y  ノ \_>―--=、._      ,..-‐'"´ヽ.  ',
 ( ニ二'ノ/           〉ー---‐'" / ノ   ',  }
  ヽ--'′              / 〉 、"´ /′/     ', }






――――――――――――――――

( ФωФ)「武力として用いれば、既存の軍事力など砂塵に帰すほどに危険な力。それが幻我だ!」
 _
(;゚∀゚)「危険な、力……?え、そうなの?」

( ФωФ)「ああ。だからこそ危険思想は排除せねば、我等能力者全員が危険分子として当局に狙われることになる」

('A`)「欲を満たすために軽々しく使うなってことだな」

....( ФωФ)「ああ、そんな危険なヤカラはこの筋肉で罰せねばならん、なぁ?」
 _
(;゚∀゚).... 「ゴ、ゴメンナサイ……」

( ^ω^)「なんで謝るんだお?」
  _
( ;∀;)「だって……、だって念願のおっぱいシュノーケリングを実現するための能力だと思って!!」

('A`)「自分の幻我にひっぱたかれる気分ってどうよ?」
  _
( ;∀;)「クセになりました!」



いつだって自分を見失わない男。それが長岡である。

~ TV局前 ~


('A`)「さて、ここで待ち合わせることになってんだが……」


ドクオに案内され局の裏口へと向かう。
人目につかない、物品搬送車の出入り口。そこで待つこと5分。
内藤とドクオがアイドルの使用済みホニャララを求めて始めたゴミ箱漁りに飽きた頃だった。



扉| -゚)ノシ



ソロリと開いた扉から、妙齢の婦女子が手招きをしていた。
怪しい、ワナか?と杉浦は思った。

しかもよく見れば美人ではないか。
怪しい、美人局か?と長岡は考えた。



扉| ゚ -゚)ノシ「どうしたドクオ?早くしろ」



その美人が、あろうことかJAPANが誇る世界のBUSAIKU、ドクオの名を呼んでいる。それも親しげに、だ。
これはもはや現実ではない。怪しいを通り越して内藤は驚愕した。

どうやらこの恐るべき友人は、遂に次元の壁の向こう側から女性を呼び寄せる装置を開発したらしい。
そうに違いない。そうでなくては悔し涙が止まらない。げに恐ろしきは童貞の探究心である。


(#^ω^)「ところでこの凄い美人は一体どういったお知り合いだお?」

('A`)「あいつは素直クー。家が近いだけのただの幼馴染だ」
  _
(# ∀ )「へぇ~……、タ・ダ・ノ・オ・サ・ナ・ナ・ジ・ミ?」


ジョルジュはこの世の衆愚を掻き集めたような物凄い顔をしていた。
内藤は心底同意した。

( ФωФ)「離れろお前達!」


不意に杉浦が叫ぶ。


( ФωФ)「局がジャックされたのだろう」

川 ゚ -゚)「ああそうだが……?」

(#ФωФ)「ならば、なぜ貴様は拘束されていない、敵のワナではないのか!?」


ドクオの言葉を聞いていないあたり、流石はそそっかし屋さんの杉浦である。
内藤は代表して、ロマさんは戦地に長くいたから疑い深くて……、と頭を下げた。

その仕草はKYな父を庇う子供のようで、どこか微笑ましいかった。


( ´ФωФ)「えー、絶対敵であるよコイツ。撃っちゃおうよ?違っても後で100円供えて拝めば神様も仏様も赦してくれるのであるよ?」


しかし、杉浦は予想の斜め上を行くKY。
内藤は杉浦の尻を力の限り蹴り上げた。硬かった。ちょっと泣いた。なんだコイツ。

(;'A`)「すまんクー。折角協力してくれるってのに」

川 ゚ -゚)「構わんよ。一応誤解をといておくが、私達は完全に自由というわけではない。」
     奴らの能力とやらに監視されているので外には出れん。その代わりに内部での活動は比較的自由だ。」



  _
( ゚∀゚)「あれ?でも局内に入ることはできるみたいだけど……?」



皆が目を向けると、長岡が局内に足を踏み込んでいた。

  _
( ゚∀゚)+ 「ね?」


『ちょww俺大発見wwww』と言わんばかりのキラキラ顔で微笑んでいる。
迂闊さNo1。それがジョルジュ長岡という男の二つ名だ。


(;^ω^)「な、何も、起こらないおね……?」

( ФωФ)「だがおそらく敵には感知された。攻めて来いということだろう」

(;'A`)「自分の能力に絶対の自信があるのか……。やっぱヤバいかな?」

川 ゚ -゚)「ずいぶん思い切ったことをする奴だな。それにイケメンの癖に」

(#'A`)「重度のマザコンだけどな」
 _
(#゚∀゚)「違うつってんだろうが!」

( ^ω^)「でもこれで時間が短縮できたお!ありがとだおジョルジュ!」
 _
(*゚∀゚)「おうよ!」


調子に乗った彼は、そのまま呆気に取られたクーの豊満なバストに目をやり拳で叩かれた。
鼻血流しながら『冗談冗談』などとケセラセラと笑っている。


(#'A`)「イケメン氏ね」


同意する。だが幼馴染持ちも氏ね。

杉浦の言葉に従い、既に存在がばれているものとして行動することにした。
クーを先頭に局内を早足で移動する。
可能な限り、早く、だが居場所はつかまれない様に先を急ぐ。


川 ゚ -゚)「アイドル達が軟禁されているのは第4スタジオだ。他に重役やらPやら偉い人達も何人かいる」
  _,
( ^ω^)「ぬぅ……、救出人数が増えると大変だおね」

川 ゚ -゚)「気にするな。そいつらは私の出世の邪魔だから別にどうなっても構わない」

(;^ω^)「そ、そですかお……」
  _
( ゚∀゚)「ヒュー。クールじゃん」

('A`)「お前、女子の前だとキャラ変わるよな」
 _
(;゚∀゚)「う、うっせ!」


お前も……、と言いかけて長岡は口をつぐんだ。
ドクオは厨二を拗らせているだけで、コレが地なのだ。

川 ゚ -゚)「ちなみに第4スタジオを選んだのは、アホADが命欲しさに『エロいセットが多いから』と勧めたからだ」
 _
(;゚∀゚);'A`);^ω^)「なん…だと……?」

川 ゚ -゚)「バニーからア○ナミラーズ、ヘソ出しセーラーまでまで揃っている。テロとは言ってもくだらん連中だな」

(;'A`)「クッ、見栄を捨て実を取るとは……!」
  _
(;゚∀゚)「実に恐ろしい、合理的な策謀に満ちた敵だぜ!!」

(;^ω^)「クソッ!このままじゃ夏帆がお色気ナースにされてしまうお!」




 _
(#゚∀゚)#'A`)#^ω^)「急がねばっ!!一刻も早く天g……、第4スタジオへ!!」





( ФωФ)「何してる遅れているぞお前ら!中腰でどうした!?」


勃起です。

TV局は最上階の35階にある展望室の一角がスタジオとなっている。
そこが第4スタジオ。一般開放され、この狭い町の観光名所でもあった。

クーの話では、その下のフロアにはSTLやスイッチャを備えTV局の放送を司るマスターコントロールルーム(タイプ面倒なので、以下「マスター室」)がある。
放送の要であり、別系統電源や厳重なセキュリティが整備され、警備用も監視モニターも同フロアに集約されている作りになっていた。

川 ゚ -゚)「人質は第4スタジオに集められているが、テロ集団の多くはマスター室のあるフロアを占拠している」

( ФωФ)「妥当な選択だ。そこさえ抑えれば局を掌握したも同然、中東でもテロの奴らは皆そうしていたのである」

杉浦は、過去の闘いに思いをはせる。
が、黙殺された。

川 ゚ -゚)「セキュリティレベルから、一般開放されている第4スタジオとは侵入ルートが異なる。」

エレベータの前で立ち止まり、そしてクーは問う。





川 ゚ -゚)「お前達はどちらを狙うんだ?」

内股で走る中腰の3人が追いつき、話に参加した。


川 ゚ -゚)「私としては当然マスター室の解放をお願いしたいし、そのつもりで案内しているのだが……」

( ^ω^)「ブーンたちはアイドルを助けるために来たんだお!」
  _
( ゚∀゚)「アイドルのおっぱいをな!」


クーはため息をつき、上目遣いに隣の男に顔を向ける。

  _,
川 ゚ -゚)「ドクオもそうなのか?」


ポーカーフェイスの彼女は少しだけ困ったような顔をしていた。
だがそれは、長い付き合いの者でなければ誰もわからないような僅かな変化。
それは例えば、家族や古い友人、そして、幼馴染。



( A )「お、俺は……」

川 ゚ -゚)「すまん。無理を言った。でも後からでもマスター室に向かってもらえると嬉しい」

('A`)「あ……、あぁ。すまん……」


ドクオのちんこはシュンとした。




この間、杉浦は背後に移動して警戒を深めていた。

戦場に身をおく杉浦が自然と身につけたチームプレー。
各々が自分の担当する方向を注視・警戒する360度の索敵結界
こうしていれば、余程のことがない限り敵に不意をつかれることは無い。



だが彼は一つだけ、だが最も重要なことを誤認していた。



今行動を共にする者たちは戦いのプロではない。



そして誰もが、エレベータが動いていることに気がついていなかった。

エレベータの扉が開くと同時に、中から二本の曲線が弾け跳び床を抉る。


(;^ω^)「ちょ!あぶっ!!」

(#;・;;3;;・)「ななななんだお前らららぁあ!?おおおとおとなしkられろぉ!!」

川;゚ -゚)「お、お前は変態ADの田中っ!?童貞だったのか!?」

(゚、゚トソン『なんですか貴方達は?大人しくしてください。と、主は申しております』


田中と呼ばれる醜く太った男と、髪を後ろで止めた清潔感のある女性。
エレベータの中の2名は、共に身を包むボンテージ衣装が違和感に溢れていた。

( ФωФ)「やはり見透かされていたか!」

(#;・;;3;;・)「ぼぼぼすはおみともみおしなんだんだ!!」

(゚、゚トソン『ボスはお見通しだ。と、主は申しております』


憤怒に駆られた意思疎通すら危うい醜悪な男。
その傍らで、たおやかな仕草で付き従う女性。
アンバランスな二人。

その二人に備わる唯一の共通点。
彼らの瞳に加速度的に殺意が宿る。


(#・;;3;;・)「『トソン』!弾けぇっ!!」

"(-、-トソン『主の命です。突然のご無礼ご容赦ください』


黒革の裾を持ち、上品に会釈する女性。
内藤は脳内画像フォルダにトソンの肢体を納めるのに余念が無い。
長岡は中腰を深くし、釣られて会釈をしたドクオはクーに睨まれた。

(゚、゚トソン『それでは失礼して……、先導された方からシバかせて頂きます!』

(;'A`)「なんだとっ!?クー……っ!!」


トソンが手首を振とると、両手に持った真白な鞭が一瞬で視界から消える。
未だ中腰の二人は動けない。杉浦とシューは後方だ。


( ФωФ)「皆避けろっ!」

(゚、゚#トソン『はぁぁあああああああっ!!!』



目では決して追えない複雑な軌道を描き、白鞭がクー目掛けて迫り狂った。



川;> -<)「!!」

川;> -<)


川;- --)


川;゚ -゚)



訪れるはずの衝撃の刹那。
クーは、その不来に戸惑い瞼を開く。
しかし、光を求めた眼前には、温かい影が差していた。


( 'A)「よう、無事か?」


間一髪、ちんこの縮み身軽になったドクオがクーに覆いかぶさる。
クーは感謝の言葉を口にしかけ、彼の軟体動物の如き体臭でむせた。


(((#;;;3;;;) )「おっおっおまおまおまあああああああああっっ!!?」

( (゚、゚#トソン ))『お前らイチャつくんじゃねえよおおおおおおおお!!!!』


抱き合う三十路男女を前に吠える童貞とその化身。
彼らの周囲空間の濃度が歪んだ。

(;ФωФ)「まずいっ!幻我との感情の共鳴が強い手練の童貞である!」
 _
(#゚∀゚)#゜ω゜)「いちゃつくなあああぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁああぁぁぁ!!!!」


こちらでも吠えるが童貞二名。
そしてドクオに迫り来る、童貞のXマスの予定のように真白な第二撃。

クーが再び恐怖に目をつぶろうとしたそのとき――――


( 'A)「目を開け、クー。それじゃ俺が見えないだろ?」


――――厨二までをも拗らせた童貞中の童貞。


不細工。チンフェ。顔面崩壊。虚弱体質。異臭源。



産まれながらの不運を一心に背負う、彼の才能が華開いた。

降り注ぐ蛇の如き艶かしい軌道――――


 (( A ) 「右斜め上……、2拍遅れて後方左下」


ドクオを襲う数多の白蛇の牙――――


*1「30度、2時の方向と……」


だがその全てを――――


('A`)「投石、か……!」


まるでシリコン男根のようにしなやかに、柔らかに揺れてドクオは鞭撃をかわす。


(゚、゚;トソン『何故っ!?何故目視不可な私の鞭を回避できるのですか!!??』

('A`)「残念だったな、職業柄その手の玩具の動きは把握している。肝心なのは鞭の動きじゃあない。」
    注視すべきは――――手首の動きだ!」


ウィン、と右に体を逸らして後方からの鞭撃をかわしたドクオ。
彼はそのまま一歩ずつ歩を進める。

(;・;;3;;・)「くっククるkるkるんあななくくるるkるなあああああああ!!!!」


怒り、怯え狂う田中。
それに呼応したトソンが、上ずった絶叫と共に無差別に鞭を振るう。


(゚、゚#トソン『ぬあああああああっ!!』






~ξ´・ω・`)ξ「ア・イ・ド・ルッは~。抱かれるのっっもお仕事なのよ~♪」

 ピシピシ
ノシξ´゚ω゚`)ξ

ξ*´;ω;`)ξ「っ!んあっ!んぁ!んんんっ!!痛いぃ!でも響くぅぅ!!体と心と魂に響くぅぅぅ!!
         下腹部ジンジンしてピュんピュんしちゃうううううう!!!!!」



偶然後ろを通りがかったアイドルが鞭打たれ、悶え果て涙と体液と嬌声が噴射した。

 _
(;゚∀゚)「あ、あいややや……。ああんな惨めな様に……」

( ФωФ)「幻我によるダメージは肉体のみに留まらん。強制的にリビドーを高められ、やがて果てる……。
        それが幻我の闘いなのである!」

(;^ω^)「ド、ドク――――」

川;゚ -゚)「ドクオォォッ!!」

(^ω^)


主人公が空気になり戦場の空気も変わる。
必殺の雰囲気が肌を刺した。


('A`)「!?」


(゚、゚#トソン『一気に終わりにして差し上げます!』

(#;;;3;;;)「覆い尽くせ!!千現万象!!」

( 、 #トソン『あああああああああああああああっ!!!』


白蛇の鞭が物理法則を無視して伸長する。
さらに鞭先が分岐。分岐、分岐分岐。そして分岐。
その果てに、ドクオの眼前は牙を剥く千匹、万匹もの白蛇に覆いつくされた。

(;゜ω゜)「ド、ドクオ避――――」

川;゚ -゚)「ドクオ避けろォォッ!!」

(#^ω^)


圧倒的な物量の前に、繰り返す空気のダルセーニョ。
しかし、ドクオは氷のような冷静さで対峙した。


('A`)「急くなよ早漏。もっと楽しもうぜ?」



問いかけを機として、遅漏のドクオを中心に風が渦を巻く。



( A )「いつだってな……」



(゚A゚)「女王様のムチに打たれるのは豚野郎だって決まってんだ!」


濃縮された風はやがて青い輝跡となり、彼の足元にスカイブルーのサークルを描いた。

(# A )「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!」


(#゚A゚)「惑わせろっ!!『キューーーート』!!」



虚弱な体躯から発せられる怒声。
振動する大気に呼応して、サークルが一際強く煌いた。


そう、これはまるで――――



(;ФωФ)「光の…柱だと……?」


(;゜ω゜)「あ…あああ……」


何というリビドー……。そう呟く杉浦を他所に、
内藤はただ眼と口を開けるだけだった。

ドクオの顔色と同じく青白い光の柱。
天を貫かんばかりの発光の中に人影が踊る。

それは組まれた両手の平を揺らしながら上下させ――――



(( o川* ー )o )



――――腕を一気に広げて飛び出した。




o川*^ー゚)o 『はぁーい!!みんなキューちゃん、魅ってねーっ!!!』




全裸である。

      _
川;゚ 3゚);゚ 3゚);゜ω゜);Ф3Ф)・゙;;゙゙;゙;`; ブーーッ!!


4人から飛び出すは唾霧。
そして光の中からは、程よい肉付きの全裸女が飛び出した。

(*'∀`)「ああああああぁぁん!!キューちゃーん!!」


キュートの後方には光の中で脱ぎ捨てたスカイブルーのPコートが横たわる。
ボタンは丁寧にはずされていた。


(*'∀`)「もうっ!キューちゃーんかっわいーーー!!」


虚しく響く歓声。


      _
川; - ); ∀ ); ω ); ω )



それに応える閑静。

止まる時間と凍る空間。



(;*'∀`)=3 「いいよいいよー!!キューちゃん輝いてるよー!!」



だが、一部では温度を奪い情熱が昂ぶり続けていた。

o川*^ー゚)o『みんなー?キューちゃんのことー、すきーー?』


(*'∀`)「すきすきー!だいすきー!!」


o川*^ー゚)o『どれくらいすきー!?』


(*'∀`)「超スキ!ダイダイスキ!」


o川*^ー゚)o『体で表現するとー?』


(*'∀`)「見ててね!いっくよー!!」

       |           「L!」
       |('∀`)_
       (  )
       ノ |

      ┌  .┐      「O!」
       |('∀`)|
       (  )
       ノ |

    \\(;('∀`)/    「V!」
       ( (  )
       ノ ノ |

      ┌─ ┌─     「E!」
      (;゚;;3;;('∀`)
      /└ /└─
     ノ | ノ |


(*;・;;3;;・(*'∀`)「「らぶりー!キューちゃーーーん!!」」

いつの間にか、ドクオの隣には声を揃えて熱狂する田中がいた。
肩を組み、ハイタッチを交わして、時には歌に合わせて額に汗してオタ芸を繰り広げる。


『友』。

短時間ではあるが、二人の間には偶像を通して確かな絆が生まれていた。

(;・;;3;;・)「あ、あ…れ……?なん…で……お、おれ……こっち、に?」


当然の疑問に惑う田中。
だが事態はそれを許さない。


(゚、゚#トソン『はああああああああああああああっ!!!!』


('A(;*゚;;3;;゚)「アヒィ!ブファ!アヒィヒィ!!」



突如現れた肉の壁が、降り注ぐ鞭の連打を受けきった。

(゚、゚#トソン『クソッ!』

('A(;*゚;;3;;゚)「ブヒィ!」

(/、//*トソン『アァン!』

(゚、゚#トソン『そりゃ!!』

(;*゚;;3;;゚)A`)「ンヲゥ!」

(/、//*トソン『ハァン!』


鞭を振るうたび、主である田中がドクオの壁となる。
むしろ積極的に鞭に当たりにいっている。
トソンは苛立ちと、リビドーの高まりを隠せない。


(゚、゚*#;トソン『ちょ……、邪魔しないでください主!!主が受けるとコッチにも衝撃がくるんですよ!?』

(;* ;;3;; )「でででもっ」

(;* ;;3;; )「俺は今っっっ!!猛烈にっっっ!!」


(;*゚;;3;;゚)「ムチで打たれたい気分んんーーーーーっっっっ!!!」


田中がこの場で口にした、初めての流暢な言葉。
それは、成人男性が決して人前で発していいものではなかったという……。


        第二話「流星スターダム」


                                    醜


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  • 途中改行できてませんよ。 -- 名無しさん (2011-03-22 02:45:18)
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最終更新:2011年03月23日 11:53
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*1 A )