('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです その1


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                     『衆道』


   若衆道の略語。男性における同性愛・少年性愛の形式あるいはそのものを指す。
   主に女犯を忌避し禁欲生活を強いられる僧たちの間で流行した独自の男色文化。


~柔即山毘譜寺~


(´・ω・`)「それではドクオさん」

('A`)「はい」

(´・ω・`)「今日よりあなたには我々雲水とともに修行をしてもらいます」

('A`)「はい」

(´・ω・`)「……三年、でしたか」

('A`)「そうです」

(´・ω・`)「禅僧に混じっての生活、あくまで出家ではないゆえ、何も開眼せよとは申しません」

(´・ω・`)「しかし己を見つめ直し大悟してもらえれば、それに如くことはありませぬ」

('A`)「努力はします」

(´・ω・`)「では改めて意気込みをお聞かせ願いたい」

('A`)「分かりました」

('A`)「えー、自分はこれまでのだらけきった生活に終止符を打ち」

('A`)「こちらのお寺にて精神の鍛練を積ませていただくべく……」

('A`)「修行を希望しました」

(´・ω・`)「成程。結構結構」

('A`)「しかし、あのー、諸梵和尚」

(´・ω・`)「なんですかな?」

('A`)「大変申し上げにくいことなんですけれども……」

(´・ω・`)「なんでも遠慮なさらずお話なされ」

('A`)「オナニーも禁止なんですかね?」

(´・ω・`)「は?」

('A`)「ですから自分でシコシコぴゅっぴゅすることです」

(´・ω・`)「残念ながら自慰行為は忌むべきものとされております」

('A`)「やはりですか……」

('A`)「ですがこれを禁じられると私の人生の存在意義が……」

(´・ω・`)「そうした煩悩を振り払うための修行である」

('A`)「ですよね」

(´・ω・`)「しかしながら禁忌事項でがんじがらめと言う訳でもない」

(´・ω・`)「最近は妻帯も肉食も許されております」

('A`)(妻とか俺にゃまるで関係ない話だな……)

(´・ω・`)「とはいえこちらの寺では旧来の修行様式を守り続けておるのです」

(´・ω・`)「規律には従っていただきたい。よろしいかな」

('A`)「承知しました」

(´・ω・`)「うむ」

(´・ω・`)「それではドクオさん」

(´・ω・`)「あなたはこれより毒念と名乗りなさい」

('A`)「えっ?」

(´・ω・`)「私は只今より本名ではなく毒念と呼びますので」

('A`)「まだ正式に仏道に入ると決めたわけじゃないですよ」

(´・ω・`)「ですがこの場所での扱いは我々と同じ」

(´・ω・`)「名を一時預け、寺院に馴染んでもらったほうが何かと都合がよろしい」

('A`)「はあ」

('A`)(ネトゲみたいに自分で決められないのか……)
(´・ω・`)「では……おい」パンパン

(*゚ー゚)テッテッテッ

(*゚ー゚)「はい!」

(´・ω・`)「今から毒念さんに寺の内部を案内してあげなさい」

(*゚ー゚)「心得ました」

('A`)「……あの」

(´・ω・`)「なんでしょう?」

('A`)「この方は、というかこの子は……尼僧かなにかですか?」

(´・ω・`)「いえいえ立派な小僧でこざいます」

('A`)(男かよ!)

('A`)(この顔でちんちん付いてるのは神様の悪ふざけだろ……)
('A`)「えーと、名前は」

(*゚ー゚)「椎伊でございます。先日十三を迎えました」

('A`)「十三歳って、義務教育は」

(´・ω・`)「椎伊はみなしごなのです」

(´・ω・`)「赤子の頃に寺の前に預けられておりました」

(´・ω・`)「戸籍もありませぬゆえ」

('A`)「はあつまり、純粋な寺育ちと」

(´・ω・`)「その通りです。幼少から紳士に修行に励む、いやはや立派な僧ですよ」

(*゚ー゚)「私の素性は分かってもらえたと思います」

(*゚ー゚)「それでは参りましょう。後ろからついてきてください」

('A`)「お、おう」

('A`)(ケツちっちゃいな……)

(*゚ー゚)テクテク

('A`)「……あのさあ」

(*゚ー゚)「はい?」

('A`)「ちょっとさっき聞けなかったんだけど……諸梵和尚って何者なんだ?」

('A`)「なんか何考えてるか全然読めないんだけど……」

(*゚ー゚)「諸梵様はこの寺の管主……貫首・住持・住職ともいいますが」

(*゚ー゚)「要するにこの寺の頂点に座する方なのです」

(*゚ー゚)「本来なら下山して禅を広める立場にいるべきお方なのですが……」

('A`)「ですが?」

(*゚ー゚)「悟りに至らぬ私たちのために残ってくださっているのです」

('A`)「ふうん」

(*゚ー゚)「まずは六知事の紹介からさせていただきます」

(*゚ー゚)「寺の造りは前日見学で既に把握していらっしゃるでしょうから」

('A`)「六知事ってなんだ?」

(*゚ー゚)「噛み砕いて答えますと……禅寺には寺院経営を担当する重要な役職が六つありまして」

(*゚ー゚)「その位に就いておられる六名を総称して六知事と呼ぶのです」

(*゚ー゚)「いずれも徳の高い僧侶がなります」

('A`)「なるなる、諸梵和尚が社長とするとそれに次ぐ幹部が六人ってことか」

(*゚ー゚)「どういう意味でしょうか? なにぶん不勉強でして……」

('A`)「ああ気にしないでくれ」

('A`)(そうかあ、ずっと寺にいたから社会のこととか分かんねえんだな)

('A`)(しかしケツちっちぇえな……)

(´<_` )「おう椎伊じゃないか。どうした」

(*゚ー゚)「あっ、弟蛇和尚! ちょうどいいところに」

(´<_` )「おお、そのお方が今日から我々と一緒に修行するという」

(*゚ー゚)「はい。毒念さんです」

('A`)「よ、よろしくお願いします」

(´<_` )「そう肩肘張りなさるな、毒念殿」ポンッ

('A`)「あ、はい。ちょっと力抜いときます」

(´<_` )「うむ」

('A`)(顔つきからすると四十くらいかな……)

('A`)(しかし袈裟の上からでも分かる歳相応でない筋肉……こいつは明らかに鍛えている)

('A`)(肩叩かれた時痛かったし……)

(*゚ー゚)「弟蛇和尚は六知事の一人、典座であられます」

('A`)「『てんぞ』ってなんだ?」

(*゚ー゚)「ええとですね、私たち雲水の食事全般と御仏への供え物の準備を司る……」

(´<_` )「簡単にいうとコックさんだよ」

('A`)「そいつは分かりやすい」

(´<_` )「飯炊き坊主だ。大した僧じゃない。諸梵様のように偉くなんてないぞ」

(´<_` )「だから毒念殿も余計な気づかいは要らぬぞ」

('A`)「はっはい」

('A`)(いい人だなー)

('A`)(人に優しくされたのって……いつが最後だっけ……)

('A`)(……横断歩道のみどりのおばちゃんかな……)

(´<_` )「じゃあ自分は薬石のこしらえがあるから」

(*゚ー゚)「はい。お勤め頑張ってくださいな」

('A`)「薬石というのは」

(*゚ー゚)「夕食のことです」

(*゚ー゚)「毒念様は入山前に腥の類を喰いだめしたと聞いていますから不要でしょうが」

('A`)「焼き鳥はやっぱ塩だよ塩」

(*゚ー゚)「……弟蛇和尚はあんなことを言っていましたけど」

(*゚ー゚)「事実上の寺内五番目ですからね」

(*゚ー゚)「管主の諸梵様は既に修行ではなく教えを導く立場にいますから」

('A`)「それで実質五位か」

('A`)(生活の根幹である食事に携わってるんだから……実際の権力はもっと上に違いない)

('A`)(……媚びるか)

(*゚ー゚)「では次の知事のところへ行きましょう」

('A`)「……ってなんで建物の外に出るの?」

(*゚ー゚)「おそらく今頃は外におられるでしょうから」

(*゚ー゚)「あっ、いましたよ。茂羅和尚ー!」

( ・∀・)「やあ椎伊くん。どうしたのかね新顔を連れて」

(*゚ー゚)「挨拶回りです。こちらが毒念さん」

( ・∀・)「ほう。君が修行を積みたいと願書を出してきた者か」

(*゚ー゚)「毒念様もなにかお言葉を」ボソッ

('A`)「ど、ども」

(*゚ー゚)「もっとはっきりと喋らないと駄目ですよ」ボソッ

('A`)「この俺に目を見て話せと言うのか……」

(*゚ー゚)「こちらは監寺の茂羅和尚」

(*゚ー゚)「六知事のうちの上位三つは、昔は監寺のひとつでまとめていまして」

(*゚ー゚)「そこから三つに役職を分割したそうです」

('A`)「ほう」

('A`)(眠い)

(*゚ー゚)「近年はまた統合して監院、そして補佐する副監院と分けるのが主流です。しかし」

(*゚ー゚)「諸梵様もおっしゃられましたが毘譜寺では古くからの様式を保持し続けていますので」

(*゚ー゚)「役職の数も従来のままになっているのです」

('A`)「なるほど」

('A`)(眠気が加速する)

(*゚ー゚)「監寺の仕事は寺院自体の監督官です」

( ・∀・)「読んで字のごとくだね。つまりはお寺の管理人」

(*゚ー゚)「六知事で監寺より上の重職は都寺だけです」

('A`)(ということはこの男が組織のナンバー2……)

('A`)(ならばこっちに媚びたほうが得策か……)

('A`)「……でも随分お若く見えますけど」

( ・∀・)「今年でようやく三十歳になるよ」

( ・∀・)「まあ僕の場合は入山が早かったからね。十五でここに来た」

('A`)「それにしてもその歳で監寺……凄いですね」

(*゚ー゚)「序列に年齢は関係ありません」

(*゚ー゚)「もっとも出家してからの日数もそれほど関係はありませんけれど」

('A`)「しかし中卒でお坊さんとは……なんか妙な世界だな」

(*゚ー゚)「十五で寺に入る方はそれなりにはいます」

(*゚ー゚)「元々仏寺は稚児などを養う場でもありましたし、それだけの器量はあります」

('A`)(ああ、そういえば椎伊は……)

( ・∀・)「ただ若い子の中には、修行が辛くて脱走する人も多いけどね」

('A`)「そんなことして許されるんですか」

( ・∀・)「無論。来る者は拒まず、去る者は追わず」

( ・∀・)「これが禅宗の基本だからさ」

( ・∀・)「煩悩を捨てれずに我を失って逃げ出す雲水もいるけど」

( ・∀・)「そうした人たちを咎めたりはしないんだ」

('A`)「へえ……」
(*゚ー゚)「それでは次へ。副寺の譲留和尚の元へ参りましょう」

('A`)「ん? その人はなんか聞いたことがあるな」

(*゚ー゚)「でしょうね。譲留和尚はよく山を下りて町中での作務も行っていますから」

('A`)「あー思い出した。あれだ、『イケメン坊主』とかいう」

('A`)「雑誌とかテレビで見たぞ」

(*゚ー゚)「それです。単語の意味はよく分かりませんが……」

(*゚ー゚)「ともかく、寺の名前と禅を広める活動をされておられるのです」

('A`)「広報マンってわけか」

(*゚ー゚)「副寺とは金銭や収穫の高の計上を担当する役職なのですが」

(*゚ー゚)「この頃はそれだけでなく外に目を向けることを譲留和尚は心がけているようです」

('A`)「ほうほう、会計が本業なのね」

(*゚ー゚)「……それと、あまり大きなことでは言えないのですが」

(*゚ー゚)「譲留和尚は他山からこちらに移ってきた僧なのです」

('A`)「ってことは、改宗したのか?」

(*゚ー゚)「なんでも諸梵和尚が直々に勧誘したそうで」

('A`)「そんなのありなのかよ……」

(*゚ー゚)「他山の僧を招くことはよくある話でございます」

(*゚ー゚)「それだけ譲留和尚が優れた仏僧だということなのでしょう」

('A`)「なるほどねぇ」

(*゚ー゚)「管主様の中には見知らぬ血を導入するという狙いもあったのではないでしょうか?」

(*゚ー゚)「禅は永遠に古くそして常に新しくあるべきなのです」

('A`)「十三歳に禅問答されてるのか俺は」

( ゚∀゚)サッサッサ

(*゚ー゚)「あっ、あちらで埃を掃いておられますね」

(*゚ー゚)「譲留和尚ー!」

( ゚∀゚)「んっ? ああなんだ椎伊か。それと知らない男」

('A`)「あっ、どうも。毒念です。今日からしばらくお世話になります」

( ゚∀゚)「ほーう。俺は副寺の譲留だ。よろしく」ガシッ

('A`)(なんて自然な握手。これは間違いなくコミュ力最高峰)

('A`)(歳は雑誌情報だと三十半ばだが……生で見るとマジイケメンだな……)

('A`)(イケメンっていうか美しいな……)

('A`)(肌もつやつやしてるし顔立ちなんか西欧人っぽくすらあるし)

('A`)(美しすぎるお坊さん……)

('A`)(金の臭いがしてきたな……)

( ゚∀゚)「……しかし……」

(*゚ー゚)「どうかなされましたか?」

( ゚∀゚)「俺ら雲水に混じって修行するには、少々貧弱すぎるな」

('A`)「じ、自分のことですか?」

( ゚∀゚)「そうだ。もっと鍛えねば頓悟の機は訪れぬぞ」

( ゚∀゚)「健全な精神は健全な肉体に宿るからな」

('A`)「はあ……」

( ゚∀゚)「それじゃ、俺はこのへんで。膳を並べる手伝いでもしてこよう」

(*゚ー゚)「あの、今日は単には……」

( ゚∀゚)「上がらないよ。今日もな」

(*゚ー゚)「そうですか……」

(*゚ー゚)「はあ……」

('A`)「どうかしたか」

(*゚ー゚)「いえ、あの」

(*゚ー゚)「こう言うのは若干適切ではない気もしますけれど……」

('A`)「そうやって含みを持たされたら気になるじゃないか」

(*゚ー゚)「その……譲留和尚は……いささか僧の中でも異端でして」

('A`)「まあなーメディアとかに露出してるくらいだし」

(*゚ー゚)「それだけではございません。ほとんど座禅を組まないのです」

('A`)「なんだそりゃ?」

(*゚ー゚)「あの方にとって悟りの境地に至る手段は『頓悟』なのです」

('A`)「なんだその『とんご』ってのは」

('A`)「アフリカの共和国にありそうな響きだけど」

(*゚ー゚)「頓悟とは段階を踏まず一挙に悟りを開くことです」

(*゚ー゚)「閃きに近いとでも申しましょうか……」

(*゚ー゚)「日々の修行の中で咄嗟に悟る、という概念の中で生活していらっしゃるのです」

('A`)「へー、そんな考え方もあるのか」

(*゚ー゚)「そうなのです」

('A`)「……で、それになんか問題でもあるのか?」

(*゚ー゚)「それは……次の知事の方に会ってから話しましょう」

(*゚ー゚)「次は維那の擬古和尚です」


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