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「今日は早めに授業が終わったな。部室に誰かいるかな?」

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mioazu

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「今日は早めに授業が終わったな。部室に誰かいるかな?」
梓がけおいおん部へ向かっていると、部室の中から音楽が聞こえてきた。
(この音は、澪先輩のベース・・・)
梓は顔を少しだけ出して、中の様子をうかがう。

「・・・」
澪はいつものりりしい顔をして、真剣にベースを弾いていた。
時には柔らかく、時には荒らしく。梓は澪の姿を見て、息を止める。
(澪先輩、かっこいいな・・・ずっと、見ていたい・・・)

♪~♪~



「ふぅ・・・って、梓?!いつからいたんだ?!」
弾き終わった澪が顔あげると部室の間にちょこんと顔を出している
梓に気づき、驚きの声を上げる。
「つい、さっきです」
「そうなのか?いるなら、声をかけてよかったのに」
そう言って、澪は優しく笑う。その笑顔に梓の胸が心拍数を上げる。
澪に聞こえるんじゃないかと、心配になってしまうほどに。
「あ、あの勝手に見ててすいませんでした。だけど、澪先輩かっこ良かったです!」
「え、ええ?!」
何かをごまかすつもりで言ったのに、梓の口から出たのは
自分でも予想していなかった、澪をほめる言葉。自分の言葉を思い出し
梓の顔が真っ赤に染まる。言われた澪はというと、こちらはこちらで顔が真っ赤だった。

「「・・・・」」

気まずい沈黙が下りる。




「おーっす!」
「やっほー!」
「こんにちは」
その気まずい沈黙を破ったのは、けいおん部の仲間の唯、律、紬だった。
「ん~二人とも、どうしたんだ?」
「あずにゃ~ん!」
「わっ!な、なんでもないです!」
梓はいつもどおりに唯に抱きつかれる。だけど、気になるのは
今抱きしめられている、唯のことではなく、澪のこと。
澪のほうをうかがうともう何時もどおりの様子で律と話していた。
「なんでもないよ。それより、遅かったな」
「それがさ・・・」
そのことにホッとし、同時に寂しさを梓は覚える。
(澪先輩、いきなりあんなこと言った私のこと、どう思っているんだろう?)
変な子だと、思われていないだろうか。それだけが心配だった。


紬がお茶の準備を始めると唯も梓から離れ、いつもの席に着く。
梓も、いつの間にかに習慣化したお茶会に、少しの不安を持ちつつ
席に着こうとした、その時、誰かに肩を掴まれた。

「え?」
「梓、さっきはありがとう。うれしかったよ」
澪が梓の肩をつかみ、耳元でそう囁いた。澪の吐息が耳にかかり
せっかく落ち着いていた、心臓がまたどきどきと早鐘を打ち始める。
澪はそんな梓を見て微笑み。その後はいつも様子で席に座ってしまった。

梓はきっと真っ赤になっているだろう
自分の顔をどうやってごまかそうかと考えながら、思う。
(澪先輩は、やさしくて、やっぱり、かっこいい・・・)

梓は日に日に大きくなっていく、澪への気持ちに戸惑いながら自分の席に座わっていった。
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