澪「梓ー、恵方巻き買ってきたぞ」
梓「えほうまき? ……なんですか、それ?」
澪「知らないのか? 節分の夜にその年の恵方に向かって目を閉じて一言も喋らないで、願い事を思い浮かべながら丸かじりして食べる太巻きの長い版ってとこさ」
梓「へえー……そうなんですか」
澪「今年の恵方は北北西だから、北北西を向いて食べればOKみたい」
澪「梓の分も買ってきたから、一緒に食べよ?」
梓「あっ、はい」
澪「全部食べ終わるまで喋ったり、目を開けたりしちゃダメだぞ」
梓「わ、わかりました」
澪「じゃあ、北北西を向いて願い事を心に思い浮かべながら……」
梓「はい」
澪「いただきます」パク
梓「い、いただきますっ」カプ
澪「…………」モグモグ
梓「…………」ムグムグ
澪「…………」ゴクン
梓「…………」ゴクン
澪「ふうっ……ごちそうさまでした」
梓「ごちそうさまでした」
澪「けっこう美味しかったな」
梓「は、はい……でも私、恵方巻きってあんまり好きじゃないかもです」
澪「え、どうして?」
梓「だ、だって……」
梓「食べてる間、澪先輩と何もお喋りすることができないですもん……///」カァァ
澪「なっ……あずさーっ!」ガバッ
梓「にゃっ!?」
澪「可愛いこと言ってくれるじゃないか、このー!」ギュギュ-
梓「はわわ……澪先輩っ///」
澪「ところで、梓はどんな願い事したんだ?」
梓「え? そ、それは……」
澪「私は梓と今年も一緒に居られますようにってお願いしたけど……」
梓「ふえ!? あのっ、その、実は私も……」
澪「もしかして、私と一緒に居られますようにって?」
梓「…………っ」コクン
澪「ふふっ、梓と同じ願い事で良かった。嬉しいなあ」ナデナデ
梓「ふにゃ~……」ゴロゴロ
澪「よし、じゃあお互い願い事も一致してたところで……」ドサッ
梓「あっ」
澪「今夜はいっぱいスキンシップしような、梓」
梓「や、優しくお願いします……///」
澪「ん、りょーかい」チュッ