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澪「りつ」

律「ん?」



律「どした?みお~」

澪「今日さ」

律「うん」

澪「・・・・・てっ、・・・ぶくろ」

律「手袋?」

澪「う、うん。その、・・・・手袋わすれたんだ・・・」

律「・・・・あー、ほんとだ。手袋してないな、みお」

律「いつもしてるのに」

澪「・・・・うん」

律「・・・・で?」



澪「え・・・っと・・・・」

律「ん?なんだよ。あぁ、私の手袋かしてってこと?」

澪「!!・・・・あ、そ、その・・・・ちがくて・・・」

律「えっ・・・・じゃあなんだよ」

澪「わっ、・・・・笑わないで聞いてくれるか?」

律「?」



澪「手・・・・つながない?」

律「・・・・はい?」

澪「てか・・・・手、つないで?」

律「・・・・なんで?」

澪「手袋・・・・忘れたから・・・・・」

律「・・・・わざと?」

澪「っ!?わ、わざとじゃないっ!!」

律「ふーん」

澪「・・・・・」



律「・・・・・いいよ」

澪「ほっ、ほんとか!?」

律「なにはしゃいじゃってんの」ケラケラ

澪「べっ、別にはしゃいでなんか・・・・!!!」

律「ほら」スッ

澪「・・・・・!!」

律「ん?どったの?つなぐんじゃないの?」

澪「・・・・・つなぐ」

律「ん」



律「わっ!!みお、手つめたっ!!!」

澪「手袋・・・わすれたから・・・・」

律「ったく・・・・わすれんなよ・・・・」

澪「めんぼくない」


律「・・・・・」テクテク

澪「・・・・・」テクテク

律「なぁ」

澪「ん?」

律「これいつまで手つないでればいいの?」

律「そろそろ学校の人がたくさん通る道なんだけど・・・」

澪「・・・・あとちょっとだけ」

律「・・・・わかった」



澪「あのさ・・・・」

律「ん?」

澪「4月から・・・・梓・・・・大丈夫かな?」

律「さぁ・・・」

澪「さぁって・・・・おまえ・・・・」

律「先のことなんて心配したって仕方ないよ・・・・」

澪「でも・・・・」

律「なるようにしかならないさ」

律「それに」

澪「それに?」

律「私たちが1年のときとはまったく今は違うだろ?」

澪「・・・・ちがうって?」



律「あのときは、ほんとうになにもなかった。ほんとうに1からのスタートだった」

律「部員を集めて、顧問を確保して。唯のためにギターを買って」

澪「・・・・」

律「全部、私ら4人で手探りしてきたな」ニッシッシ

澪「・・・うん」

律「でもあの頃はあの頃で、本当に楽しかったよ」

律「梓はもちろん、1人になっちゃうけど、でも、私らほどなにもないわけじゃない」

澪「・・・・」

律「あいつには技術があるし、さわちゃんもいるし。トンちゃんだっている」

律「そしてなにより、私たちとの思い出と、心から信頼できる友達がいる」

澪「ともだち・・・・」

律「私と澪みたいにさ」

澪「私と・・・・律みたいに・・・・」



律「そっ!!」

律「だから、大丈夫」

澪「大丈夫・・・・」

澪「大丈夫?」

律「大丈夫」

澪「そっか・・・・」

律「澪は優しいな」

澪「んなっ!?い、いきなりなにいうんだよ」

律「別に。思ったことを言ったまでです」

澪「なんだよ・・・・それ・・・・」

律「まぁまぁ。さて、そろそろ手はなしていいか?」

澪「あ・・・・。・・・・うん」

パッ



律「ちょっとはあったまった?」

澪「え?」

律「左手」

澪「あぁ・・・・うん。あったまったよ」

澪「ありがとう」

律「じゃあ、さめないうちに鞄につっこんである手袋をしなさい」

澪「」

澪「・・・・・なんでしってるの?」

律「ん?なにを?」

澪「・・・・手袋・・・・忘れてないって・・・・・」

律「・・・・だって」

澪「・・・・・」

律「かばんから見えてるもん」

澪「」



澪「・・・・」

律「ほら、なにぼーっとしてんだ。とりあえず手袋しろよ」

澪「あっ、う、うん・・・・」ガサガサ

澪「・・・・手袋した」

律「うん。しってる」

澪「いつから見えてた?」

律「最初から・・・・」

澪「・・・・そっか」

澪「・・・・梓に、ごめんって言っといて・・・・」

律「別に・・・・言わないでいいだろ、こんなこと・・・・」

律「言う必要がない」

澪「・・・・怒ってる?」

律「え?なんで?」

澪「いや・・・ちょっと・・・怒ってるのかなって・・・・思った」



律「・・・・・」

律「はぁ・・・・」

律「怒ってないから・・・もうよけいなこと気にすんなよ」ニコっ

澪「うん・・・ごめん・・・・」

律「謝るのもなし!」

澪「・・・・ごめんね?」

律「だから、あやまんなって!!」

澪「・・・・うん」

律「・・・・・」



律「なぁ、澪」

澪「なに?」

律「いつだったかな・・・中学生のときかな・・・・」

澪「なにがだ?」

律「四葉のクローバーの話、してくれたよな?」

澪「四葉の・・・・?」

律「ほら、『四葉のクローバーを探すとき、三つ葉のクローバーを踏んではならない
 幸せはそのようにして探すものではない』ってやつ」

律「あれ、私に教えてくれたのって・・・・澪だよな?」

澪「あぁ・・・・。それか。うん。私が律に教えたけど・・・・」

澪「それがどうかした・・・?」

律「・・・・いや、なんでもない」

澪「そっか・・・」

律「うん・・・・」

澪「・・・・四葉のクローバーとか、最近探してないなぁ・・・・」



律「そうか」

澪「うん・・・・律は、探した?」

律「・・・・うん、探した」

澪「こんな寒い季節に?」

律「いや、探したのは半年くらい前」

澪「そっか・・・」

澪「・・・・見つかった?」

律「なにが?」

澪「四葉のクローバー」

律「・・・・・」

律「・・・・・・うん」

律「・・・・・・みつけた」



律「・・・・・そのときさ」

澪「うん」

律「四葉がすんごく欲しくてたまらなくてさ・・・・」

澪「どして?」

律「・・・・よくわかんない」

律「そういうときってない?」

澪「そういうときって?」

律「なんか、無性に『それがほしい!!』ってとき」

澪「・・・・・・」

澪「・・・・・ある」

律「ん」

律「そんな気分だったんだ。だから一生懸命探した」



澪「そっか」

澪「・・・・」

澪「・・・・律は」

律「ん?」

澪「その四葉のクローバー見つけて、幸せになれた?」

律「・・・・・」



律「・・・・なっ」

律「なれたよ」

律「・・・・うん、幸せになれた」

律「今、すっごい幸せ」

澪「そっか・・・・」

澪「それは・・・・、よかったな」

律「うん・・・・」

澪「ほんとによかった」ニッコリ

律「・・・・・」

律「・・・・・でも」

澪「ん?」

律「・・・・・でも、な」



律「四葉を摘むために・・・・たくさん踏んづけちゃたんだ・・・三つ葉」

澪「・・・・そっか」

律「・・・・」

澪「・・・・・律はそのことをずっと気にしてるの?」

律「・・・・」

澪「・・・・」

律「・・・・多分、そうなんだと思う」



澪「そっかぁ・・・・」

律「・・・・」

澪「りつ」

律「・・・・ん?」

澪「きっと、三つ葉は大丈夫だからさ、気にすることないよ」

律「えっ・・・・」

澪「三つ葉は摘まなかったんでしょ?」

律「・・・・うん。摘まなかった」

澪「なら、三つ葉はまたそこに生えるよ」

澪「あんなに細くてもさ、三つ葉って強いんだ」

澪「どんなにどんなに踏み潰されても、毎年必ず生えるんだよ。同じところに」

律「・・・・」

澪「だから、大丈夫」



律「そっか・・・同じところに生えるのか」

澪「うん、そうだぞ」

律「そいつは・・・・すごいな・・・・」

澪「・・・・」

澪「りつ」

律「ん?なんだ?」

澪「いや・・・・なんでもない」

律「そっか」

律「・・・・そういえば、中学生のときにさっきの言葉、教えてくれてありがとうな」

澪「うん。いいよ」

律「ん。もう学校つくな~~。今日は英語があるから嫌だわ」ハハハ

澪「・・・・」

澪「・・・・あの」



律「・・・ん?」

澪「・・・・・こんど、また、手、つないでもいい?」

律「・・・・・」

律「・・・・・」

律「・・・・・こっそりで、いいなら・・・・・」

澪「・・・・・うん。それでいい。というか・・・・」

澪「そうじゃないと・・・・・ダメだもんね」

律「・・・・・」

澪「いこ。ほら、きっと教室でムギと唯が待ってる」

律「ん・・・・」



澪「りつ」

律「ん?」

澪「・・・・ごめんね?」

律「・・・・・」

澪「でも、ありがと」

律「・・・・うん」

律「みお」

澪「なんだ?りつ」

律「三つ葉は摘まないよ」

律「絶対」

澪「・・・・そっか」

澪「ありがと・・・・りつ」




律「・・・・うん」



おわり