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澪「π」1

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moemoequn

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事件は部室で起きた。


律「みーお♪」

ムニュ

澪「ひゃんっ!?」ビクン

律の声と共に澪の胸に後ろから手が添えられる。それ自体はここ、軽音部では珍しくない風景だ。
活動の場が大学に移り、他の人の目も増えたことで高校時代よりは少なくなったが、それでも珍しくない光景。

だが、そこから先が今回は少し違った。



澪「こ、このっ――!」

澪が上半身を捻り、右回転。そのまま右肘で背後で胸に手を添える人物のこめかみを打ち抜く。

ガッ!

  「げふっ!」

よろけ、手が離れたところで下半身を使って振り向きつつ、本命の利き腕、左腕で渾身のストレートを放つ!
……とまでは行かないが、それでも渾身の斜め上からの拳骨を振り落とす。


澪「――バカ律ッッッ!!!!」ゴチン!


しかし拳骨といえど馬鹿にできない。
振り下ろす攻撃である拳骨には拳の硬さ以外にも重力と腕力が加算され、さらに今回はそれに遠心力まで加わり、その上この

攻撃自体が右肘から繰り出された連携攻撃なのだ。
叩かれた相手の受けたダメージはいつもの二倍、いや三倍にも匹敵するであろう。

直撃を喰らったなら、呻き声しか発せないほどのダメージを受けていてもおかしくはない。


唯「ぐぉぉ……」


……それが普段殴られ慣れていない人なら尚更。

澪「……あ、あれ?」

律「ゆ、唯ぃぃぃぃー!? しっかりしろ、傷は深いぞー!!」






―――


澪「ゴメン! 本当にゴメン!!」

唯「い、いいってば。覚悟の上だったし。いてて……」

晶「無茶しやがって」

律「立案者として罪悪感が半端ない」

澪「やっぱりお前か! 針千本飲ませるぞ!」

律「針千本!?」

菖「古き良き罰だ!」

幸「良き……?」


紬「唯ちゃん、氷持ってきたから冷やそ?」

唯「大袈裟だよぉ、ムギちゃん。……でも一応貰っとこ。ありがと」

澪「うぅ、唯、ホントにゴメン!」

唯「大丈夫だってば。ね?」

律「いや、ホント、澪さん、責めるなら自分より私をですね」

澪「律は後で体育館裏に来い」

律「放課後体育館裏タイムか……」

菖「古き良きボコりシチュだ!」

幸「良き……?」



律「まぁ覚悟は決めるよ。唯も澪も、こんな私でごめんな……」

唯「まるで遺言だね」

晶「実際そうなるだろうな」

律「正直、澪があそこまで反応するとは思ってなかったしそのせいで唯には予想外の痛手を負わせてしまった。悪いと思ってる」

唯「私は別にいいんだけど……」

澪「……次はないぞ、律」

律「はい。深く反省しております」

幸「おお、澪ちゃん大人だね」

澪「まぁ、一番痛い思いをした唯が許すって言ってるんだから。私がずっと怒ってるのもなんか、な……」

菖「反省しなさいよ、りっちゃん」

律「うん、反省はするけどなんで菖が乗ってくるんだ」

菖「ノリで」

律「そうか」




―――


香奈「唯ちゃんが重症で練習にならないため、今日はここまでで解散とします」

澪「私のせいだ……」

千代「いや、普通にもう遅い時間だからね」

香奈「っていうか今日は早く切り上げて飲みたいの」

千代「もうお酒残ってなかった気がするけど」

香奈「マジで!? 死ねと!?」

千代「……買ってくるよ。買い溜めしておくよ」

紬「あ、手伝いましょうか?」

千代「ん、助かるけど、重いよ?」

紬「重いなら尚更、廣瀬先輩一人に持たせるわけにはいきません」

菖「ムギちゃんは絶対役に立ちますよ!」

晶「私が保証します」

紬「あ、あれは……///」

幸「まぁまぁ。そういうわけですから」

千代「そういうことならお願いできるかな」

紬「はーい」




唯「じゃあ私達は先に帰ってるねー。行こ、澪ちゃん」

澪「私のせいで……」ブツブツ

唯「………」

律「なんで引きずってるんだ。おーい、澪――」ソーッ

晶「させるか」ガシッ

律「ハッ!? 無意識のうちに胸を揉もうとしていた!?」

晶「さすがに今は胸揉みはアウトだろ。余計な事をする前に連行する。そっち持て菖」

菖「はいほーい」ガシッ

律「あ~れ~」ズリズリ

幸「……あれ、私は?」

唯「さっちゃん助けて!」

幸「よ、よぉーし。ここは一念発起して私が澪ちゃんの胸を揉めば!」

唯「そんなことさせるくらいなら私が揉むよ!」

幸「私もたまには揉む側に回りたい!」

唯「澪ちゃんのおっぱいを揉みたければ私を倒してから行けー!」

澪「っていうか揉むしか思いつかないのか!?」

幸「あ、戻った」




唯「ちぇー、残念」

澪「残念って……ああいうのはやめてくれ。特に唯」

唯「……なんで私?」

澪「……なんか、手つきがいやらしかった」

唯「うそっ!?」ガーン

幸「へーえ……」

澪「あと、反応に困るし……律以外の人を叩くのは、なんか慣れないし」

唯「……むー」

澪「……唯?」

唯「……そーやって、りっちゃんにだけ遠慮しないよね、澪ちゃんって」

澪「そ、そうか? まぁ長い付き合いだし……」

唯「なーんか悔しいんだよね。だからりっちゃんの作戦に乗ったんだけど……」

幸「なるほど。覚悟の上っていうか、むしろ叩かれたかったんだね、唯ちゃんは」

唯「そうかも。澪ちゃんにとっての信頼の証なんだよ、きっと。叩くのは」

澪(少し変な意味に聞こえる)

唯「……まぁそれを抜きにしても澪ちゃんの反応は可愛いからね! 「ひゃんっ!」ってね!」

幸「あー確かに」

唯「というわけでもう一回」サッ

澪「いーやーだー」グググ




―――

幸「でも澪ちゃんも澪ちゃんでショック受けすぎじゃない?」

澪「へっ!?」

幸「りっちゃんをいつも叩いてるのに、今回だって悪いのは唯ちゃんなのに、ひたすら謝ってた」

澪「い、いや、だってやりすぎたし……」

幸「それでも、悪いのは唯ちゃんのほうだよ」

唯「そーだよー。遠慮なく叩いてくれていいのに」

澪「いや、それは…なんて言うか……かわいそう、じゃないか」

幸「唯ちゃんが?」

澪「うん」

幸「唯ちゃんだけが?」

澪「うん……うん? いや、律と比べただけだからわからないけど……」

幸「ふぅん……」

澪「……なんか意味深だ」

幸「まぁまぁ。いい加減戻ろうか、部屋に」

唯「そうだねー」

澪「……なんか腑に落ちないけど」




―――

唯「ありがとねー、さっちゃん」

澪「ありがとう。じゃあまた」

幸「うん。またね」

  「………」

  (……うーん……これは……無自覚なのかな?)

  (晶もそれなりに青春してるけど、こっちにもこっちで甘酸っぱい青春の香り)

  (ムギちゃんが好きそうだし、あとで相談してみよう)


幸「甘酸っぱい」

  「おっぱい」

  「……甘酢おっぱい?」ボソッ

紬「Oh,great! beautiful!」

幸「」


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