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「終わりのメーノーグ」(2012/10/06 (土) 17:33:42) の最新版変更点
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*終わりのメーノーグ
荒野で始まった闘いは拮抗していた。
「チッ」
炎の剣士と魔術師が互いに縦横無尽に草原を駆け回り、杖と剣を交差させる。
炎の剣士――レオが持ち前の速さを生かして、魔術師――ミツルの後ろに回り込み、炎で生成した剣を横薙ぎに振るう。
だが、剣はミツルに接触せずに空を切る。
(畜生……いくら速さで上回っても当たらない。ある程度は攻撃をしながら防御しようって決めたけど、めんどくさいな)
レオは蓄積された防人としての経験を用いて、ミツルの振るう斬撃を紙一重で回避する。
無論、経験を差し置いても戦闘の天才であるレオがただ回避するだけで終わるはずがない。
斬撃を回避した瞬間、すぐに拳を握りしめ掌底をミツル目掛けて抜き放つ。
「だけど……テメエの動きはわかりやすい」
風を貫きながら光速の勢いで放たれた拳はミツルの頭上をすり抜けるだけにとどまった。
まるで、その攻撃が来るだろうと予測していたかのように彼は頭を引っ込めたのだ。
「……!」
「五月蝿い……」
攻撃を躱されるとは思っていなかったレオは目を大きく見開いて身体を硬直させる。
その一瞬の隙をミツルは見逃さなかった。
硬直の間に、地面を強く踏みしめ、レオの横を風の如くすり抜けた。
「邪魔だ、消えろ」
そして、すれ違いざまの斬撃がレオに傷をつける。
「ハッ。かすり傷だ。屁でもねぇ」
脇腹についた切り傷など脇目もふらず、レオは炎の剣の形を解き、球状へと変化させる。
触れるもの全てを溶かし尽くす炎玉がレオの右手に乗り、一回り、二回りと大きくなっていった。
「燃えろ」
成人男性の頭の大きさにまで膨らんだ炎玉がレオの手から離れ、ミツルへと飛翔する。
勢い良く放たれたストレートの豪速球。それを前にミツルは手を前へと掲げて――。
「全てはゼロになる」
時空王の力の片鱗、ゼロにする力が炎玉を飲み込んだ。
飲み込まれた炎玉は音を立てずに消失し、跡形も残らない。
(やってられねぇな。全部の攻撃が消されちゃ。本当は防御に専念した方がいいんだろうが)
レオが顔を渋くして炎の剣を再び、生成する。
防御に専念するとは言っても、攻撃もそれなりにしなければ相手には舐められる。
隙あらば殺そうとはしているが、なかなか作ってくれない。
だが、それ以上に。
「ムカツク目をしてやがるからな。とりあえず、ぶっ倒す」
ムカつくからぶっ飛ばす。
それが、レオの行動原理として身体を動かしているのだ。
「……ヒロキ。もう、諦めなよ」
「ま、だ……俺は諦めない」
友達を救う為に始めた戦闘は数分を持たずに決着を告げる。
戦況はもはや明らかだった。
キャンチョメの身体には傷一つないが、杉村の身体に傷がない部分はもはやない。
「いつだって、俺は……立ち上がってきた」
血まみれの拳を強く握り締める。
ぎゅっと握りしめて。不屈を、明日を、友達を。
全部ひっくるめて意志に変換し、前を見る。
「どうした、キャンチョメ……俺は、まだ立っているぞ」
「……ならいいよ。ハンデだよ、ヒロキの得意分野で相手をしてあげるよ」
瞬間。一秒前までそこに存在していた怪物は消え、その代わりに一人の男が存在することとなる。
その容姿は、情報規制により外国関連のものを見ることが少ない杉村にとっては見慣れないものだった。
流れるような金髪、彫りの深い顔、杉村を優に超える長身。
このイメージがキャンチョメの抱く最強のイメージなのだろうか。
「関係ないさ……俺は、俺だ。どんなことがあっても、友達を見捨てない」
変わらない。杉村の胸に灯った正義の炎は消えない。
キャンチョメを救う。それが、今の彼の正義であり、やりたいことなのだから。
「来い、キャンチョメ。俺が、教えてやる」
「何を?」
「本当の力というものを。お前が心から欲しいという強さを」
大地から想波を吸い込み、身体に循環させる。
これにて準備は完了。後は――勝つだけだ。
「……行くよ。これで、終わりにする」
「終わりにはならん。始まりさ、この戦いは」
「いいや、終わるね。ヒロキは負ける。それだけは確実なんだからさ――――っ!」
キャンチョメは強く地面を蹴りあげて、前へと加速する。
目標、杉村弘樹。勝利条件は相手の戦闘不能。
「あああああああっ!」
それを見て、杉村は動かない。何もせず、ただ立つのみ。
拳を握り締めることすらせずに前を見据えている。
「それでも、俺は言うさ……」
今のキャンチョメは力のみに頼って、中身を全く見ようとはしない。
敵はただ、潰すだけ。その中に何があるのかを考えようとも、見ようともせずに。
「間違っている、そんな正義は悲しいって」
彼の頭の中に一人の少女がよぎる。
いつも、つっけんどんでお世辞にも優しいとはいえない少女だった。
それでも、その少女には譲れない意志がいつも存在していた。
前を見て、走る。脇目もふらず駆け抜けるその姿は杉村の憧れだった。
(貴子……お前の分まで生き抜くって決めたんだ。
だから、俺は――こんな所で死ねない。キャンチョメを救って、俺も生きる。
そんな、ハッピーエンドを叶えてみせるさ)
後、百メートル。
キャンチョメが拳を固く握る。
後、一メートル。
杉村は、まだ動かない。
後、百センチメートル。
キャンチョメが杉村の腹部へと狙いを定める。
後、十センチメートル。
拳が、放たれる、
後、一センチメートル。
放たれた拳は風を捩じ切りながら押し進む。
「…………何で」
ゼロ。拳は突き刺さる。
腹部への攻撃の影響か、杉村の口からは血がドボリと吹き出した。
「ねえ、何でさ」
キャンチョメはこの無音の空間に耐え切れず問いかける。
必殺の攻撃を受けてなお、立っている杉村を“怖い”と思ってしまった。
最強の力を持つ自身がである。
もはや、変身に意味はなく、キャンチョメの姿は元に戻る。
「何でっ! 避けないのさ!!!!」
「何でだろうな……自分でもよくわからない」
杉村は震える足を気合で必死に立たせながら顔を上げた。
目はもう見えないけれど。そこにはキャンチョメの泣いている姿が容易に想像できる。
泣いている友達。ならば、今ここで自分がすべきことは何か。
「ただ……思ったんだ。俺の武器は、牙でも爪でもなく言葉だって」
強張る顔を無理矢理に笑顔に変えて、へたり込んでしまったキャンチョメの頭をなでる。
「なぁ、キャンチョメ。確かに、お前は強くなったよ。だけど、それだけじゃ駄目だ。
思いだけでなく、力だけでなく。誰かを心から思う。相手に言葉を届けることこそが本当の強さだって俺は思ってる」
「でも。ヒロキ……僕は、皆を護りたいって思いも、最強の力も。どっちも持っていたはずなんだ」
キャンチョメはグスグスと嗚咽混じりに言葉を紡ぐ。
強くなって、皆を護る。もう、これ以上仲間を傷つかせない。
それが、いつからだろう。
何かを倒すことに快感を覚えてしまったのは。
きっと、雨流みねねが死んだ時だろう。
あの時、歯車が狂ってしまったのだ。
「……ごめん。僕、嘘ついた。本当は強くなった力を試したいって気持ちがあった。
誰かを甚振ることに快感を覚えていた! 皆を護ることを僕自身の優越感とすげ替えて……」
「そうか、でも、いいじゃないか。間違いに気づけて。これからは、正しい方向にその力を使っていけばいい」
「うん。ごめんね、ヒロキ。迷惑をかけて」
「気にするな。俺達、友達だろう」
「嬉しいな……。よかった、ヒロキと仲直りできて」
どんっと杉村は身体を横に強く押された気がした。
既に、立っていることすら厳しい杉村は簡単に地面へと倒れる。
「さよなら、ありがとう。…………ごめん」
何かが消える音が。書き換わる音が、耳に入る。
「イレギュラーは、消す。それが“表”の俺の役割だ」
突如、現れた男の言葉は、キャンチョメの消失を告げていた。
声が、叫び声が。自然と口から漏れだした。
震える身体にムチを打ち、立ち上がり駈け出した杉村を無視して、男は無情にも告げる。
「杉村弘樹。レオナルド・エディアール。ミツル。謁見だ」
男の声と、同時に。
世界が、変わる。
「お前達には、これから……知ってもらう。この闘いの真実を。その為に、全ての異常を、平常に戻したのだから」
もう、戻ることのない視界は色を取り戻し。
手に入るはずがなかった世界の景色は、美しさを演出する。
限りなく限りなく全能なるゲーティーグは不能となる。
「全ては、時の遡るままに。“裏”の俺はメッセンジャーだ。後は任せたぞ―――時空王・デウス」
&color(gold){【キャンチョメ@金色のガッシュ!! 消失?】}
【杉村弘樹@バトルロワイアル】
[状態]:『健康』
[装備]:英雄の証@ブレイブ・ストーリー~新説~ 、雛苺のローザミスティカ
[道具]:基本支給品×2、
[思考・状況]
基本行動方針:正義
1:????
[備考]
この殺し合いを大東亜帝国版プログラムだけでなく、
それとよく似た殺し合いの参加者も集められていると暫定的に推測しています。
仮面ライダーへの変身の仕方を理解しました。
カードの使い方も大体把握しました。
覚醒した杉村は空気を読むことで周囲100mの状態を把握することができます。
参戦時期:琴弾と合流後、桐山襲撃直後
【ミツル@ブレイブ・ストーリー~新説~】
[状態]:『健康』
[装備]:ミツルの杖@ブレイブ・ストーリー~新説~、
仮面ライダーファム(デウス因子吸収による存在変容)@仮面ライダー龍騎
[道具]:基本支給品、不明支給品×1、BIM(爆縮型)@BTOOOM (7/8)
不明支給品×2~4(ゼオン、三村(武器ではない)、不明支給品(ノールの)、
チャンの首輪、ノールの首輪、ゼオンの首輪、BIM(クラッカー型)×5@BTOOOM!、
[思考・状況]
基本行動方針:妹を生き返らせる。手段は選ばない
1:????
[備考]
参戦時期:ゾフィが虚になった後。
魔法を使うと体力消耗。
※未来日記の世界についてある程度の情報を得ました。
※9thは危険だと認識しました。
雪輝、というよりも時空王に利用価値を見出しました。
※ミツルの目には女神像は由乃ではない姿に映りました。
※デウス因子を取り込んだ仮面ライダーファムはデッキを使用できません。
※仮面ライダーファム(デウス仕様)の性能:限りなく全能なるゲーティーグ“だった”。
【レオナルド・エディアール@WaqWaq ワークワーク】
[状態]:『健康』
[装備]:アシャ@WaqWaq ワークワーク、
[道具]:基本支給品一式
[思考・状況]
基本行動方針:自分で在り続けるために走り続ける。
1:????
※由乃の返り血を浴びています。
|[[HAPPY END’s FRAGMENTS]]|投下順|[[お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ!]]|
|[[HAPPY END’s FRAGMENTS]]|時系列順|[[お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ!]]|
|[[僕達は強がって笑う弱虫なのさ]]|キャンチョメ|[[鉄の少年、その終焉]]|
|~|ミツル|~|
|~|レオナルド・エディアール|~|
|~|杉村弘樹|~|
----
*終わりのメーノーグ
荒野で始まった闘いは拮抗していた。
「チッ」
炎の剣士と魔術師が互いに縦横無尽に草原を駆け回り、杖と剣を交差させる。
炎の剣士――レオが持ち前の速さを生かして、魔術師――ミツルの後ろに回り込み、炎で生成した剣を横薙ぎに振るう。
だが、剣はミツルに接触せずに空を切る。
(畜生……いくら速さで上回っても当たらない。ある程度は攻撃をしながら防御しようって決めたけど、めんどくさいな)
レオは蓄積された防人としての経験を用いて、ミツルの振るう斬撃を紙一重で回避する。
無論、経験を差し置いても戦闘の天才であるレオがただ回避するだけで終わるはずがない。
斬撃を回避した瞬間、すぐに拳を握りしめ掌底をミツル目掛けて抜き放つ。
「だけど……テメエの動きはわかりやすい」
風を貫きながら光速の勢いで放たれた拳はミツルの頭上をすり抜けるだけにとどまった。
まるで、その攻撃が来るだろうと予測していたかのように彼は頭を引っ込めたのだ。
「……!」
「五月蝿い……」
攻撃を躱されるとは思っていなかったレオは目を大きく見開いて身体を硬直させる。
その一瞬の隙をミツルは見逃さなかった。
硬直の間に、地面を強く踏みしめ、レオの横を風の如くすり抜けた。
「邪魔だ、消えろ」
そして、すれ違いざまの斬撃がレオに傷をつける。
「ハッ。かすり傷だ。屁でもねぇ」
脇腹についた切り傷など脇目もふらず、レオは炎の剣を解き、球状へと変化させる。
触れるもの全てを溶かし尽くす炎玉がレオの右手に乗り、一回り、二回りと大きくなっていった。
「燃えろ」
成人男性の頭の大きさにまで膨らんだ炎玉がレオの手から離れ、ミツルへと飛翔する。
勢い良く放たれたストレートの豪速球。それを前にミツルは手を前へと掲げて――。
「全てはゼロになる」
時空王の力の片鱗、ゼロにする力が炎玉を飲み込んだ。
飲み込まれた炎玉は音を立てず消失し、跡形も残らない。
(やってられねぇな。全部の攻撃が消されちゃ。本当は防御に専念した方がいいんだろうが)
レオが顔を渋くして炎の剣を再び、生成する。
防御に専念するとは言っても、攻撃もそれなりにしなければ相手には舐められる。
隙あらば殺そうとはしているが、なかなか作ってくれない。
だが、それ以上に。
「ムカツク目をしてやがるからな。とりあえず、ぶっ倒す」
ムカつくからぶっ飛ばす。
それが、レオの行動原理として身体を動かしているのだ。
「……ヒロキ。もう、諦めなよ」
「ま、だ……俺は諦めない」
友達を救う為に始めた戦闘は数分を持たずに決着を告げる。
戦況は明らかだった。
キャンチョメの身体には傷一つないが、杉村の身体に傷がない部分は存在しない。
「いつだって、俺は……立ち上がってきた」
血まみれの拳を強く握り締める。
ぎゅっと握りしめて。不屈を、明日を、友達を。
全部ひっくるめて意志に変換し、前を見る。
「どうした、キャンチョメ……俺は、まだ立っているぞ」
「……ならいいよ。ハンデだよ、ヒロキの得意分野で相手をしてあげるよ」
瞬間。一秒前までそこに存在していた怪物は消え、その代わりに一人の男が存在することとなる。
想波を通して頭の中に流れてきた容姿は、情報規制により外国関連のものを見ることが少ない杉村にとっては見慣れないものだった。
金髪、彫りの深い顔、杉村を優に超える長身。
このイメージがキャンチョメの抱く最強のイメージなのだろうか。
「関係ないさ……俺は、俺だ。どんなことがあっても、友達を見捨てない」
変わらない。杉村の胸に灯った正義の炎は消えない。
キャンチョメを救う。それが、今の彼の正義であり、やりたいことなのだから。
「来い、キャンチョメ。俺が、教えてやる」
「何を?」
「本当の力というものを。お前が心から欲しいという強さを」
大地から想波を吸い込み、身体に循環させる。
これにて準備は完了。後は――勝つだけだ。
「……行くよ。これで、終わりにする」
「終わりにはならん。始まりさ、この戦いは」
「いいや、終わるね。ヒロキは負ける。それだけは確実なんだからさ――――っ!」
キャンチョメは強く地面を蹴りあげて、前へと加速する。
目標、杉村弘樹。勝利条件は相手の戦闘不能。
「あああああああっ!」
それを見て、杉村は動かない。何もせず、ただ立つのみ。
拳を握り締めることすらせずに前を見据えている。
「それでも、俺は言うさ……」
今のキャンチョメは力のみに頼って、中身を全く見ようとはしない。
敵はただ、潰すだけ。その中に何があるのかを考えようとも、見ようともせずに。
「間違っている、そんな正義は悲しいって」
彼の頭の中に一人の少女がよぎる。
いつも、つっけんどんでお世辞にも優しいとはいえない少女だった。
それでも、その少女には譲れない意志がいつも存在していた。
前を見て、走る。脇目もふらず駆け抜けるその姿は杉村の憧れだった。
(貴子……お前の分まで生き抜くって決めたんだ。
だから、俺は――こんな所で死ねない。キャンチョメを救って、俺も生きる。
そんな、ハッピーエンドを叶えてみせるさ)
後、百メートル。
キャンチョメが拳を固く握る。
後、一メートル。
杉村は、まだ動かない。
後、百センチメートル。
キャンチョメが杉村の腹部へと狙いを定める。
後、十センチメートル。
拳が、放たれる、
後、一センチメートル。
放たれた拳は風を捩じ切りながら押し進む。
「…………何で」
ゼロ。拳は突き刺さる。
腹部への攻撃の影響か、杉村の口からは血がドボリと吹き出した。
「ねえ、何でさ」
キャンチョメはこの無音の空間に耐え切れず問いかける。
必殺の攻撃を受けてなお、立っている杉村を“怖い”と思ってしまった。
最強の力を持つ自身がである。
戦意を喪失した今となっては変身に意味はなく、キャンチョメの姿は元に戻る。
「何でっ! 避けないのさ!!!!」
「何でだろうな……自分でもよくわからない」
杉村は震える足を気合で必死に立たせながら顔を上げた。
目はもう見えないけれど。そこにはキャンチョメの泣いている姿が容易に想像できる。
泣いている友達。ならば、今ここで自分がすべきことは何か。
「ただ……思ったんだ。俺の武器は、牙でも爪でもなく言葉だって」
強張る顔を無理矢理に笑顔に変えて、へたり込んでしまったキャンチョメの頭をなでる。
「なぁ、キャンチョメ。確かに、お前は強くなったよ。だけど、それだけじゃ駄目だ。
思いだけでなく、力だけでなく。誰かを心から思う。相手に言葉を届けることこそが本当の強さだって俺は思ってる」
「でも。ヒロキ……僕は、皆を護りたいって思いも、最強の力も。どっちも持っていたはずなんだ」
キャンチョメはグスグスと嗚咽混じりに言葉を紡ぐ。
強くなって、皆を護る。もう、これ以上仲間を傷つかせない。
それが、いつからだろう。
何かを倒すことに快感を覚えてしまったのは。
きっと、雨流みねねが死んだ時だろう。
あの時、歯車が狂ってしまったのだ。
「……ごめん。僕、嘘ついた。本当は強くなった力を試したいって気持ちがあった。
誰かを甚振ることに快感を覚えていた! 皆を護ることを僕自身の優越感とすげ替えて……」
「そうか、でも、いいじゃないか。間違いに気づけて。これからは、正しい方向にその力を使っていけばいい」
「うん……ヒロキ。迷惑かけちゃったね」
「気にするな。俺達、友達だろう」
「嬉しいな……。よかった、ヒロキと仲直りできて」
どんっと杉村は身体を横に強く押された気がした。
既に、立っていることすら厳しい杉村は簡単に地面へと倒れる。
「さよなら、ありがとう。…………ごめん」
何かが消える音が。書き換わる音が、耳に入る。
「イレギュラーは、消す。それが“表”の俺の役割だ」
突如、現れた男の言葉は、キャンチョメの消失を告げていた。
声が、叫び声が。自然と口から漏れだした。
震える身体にムチを打ち、立ち上がり駈け出した杉村を無視して、男は無情にも告げる。
「杉村弘樹。レオナルド・エディアール。ミツル。謁見だ」
男の声と、同時に。
世界が、変わる。
「お前達には、これから……知ってもらう。この闘いの真実を。その為に、全ての異常を、平常に戻したのだから」
もう、戻ることのない視界は色を取り戻し。
手に入るはずがなかった世界の景色は、美しさを演出する。
限りなく限りなく全能なるゲーティーグは不能となる。
「全ては、時の遡るままに。“裏”の俺はメッセンジャーだ。後は任せたぞ―――時空王・デウス」
&color(gold){【キャンチョメ@金色のガッシュ!! 消失?】}
【杉村弘樹@バトルロワイアル】
[状態]:『健康』
[装備]:英雄の証@ブレイブ・ストーリー~新説~ 、雛苺のローザミスティカ
[道具]:基本支給品×2、
[思考・状況]
基本行動方針:正義
1:????
[備考]
この殺し合いを大東亜帝国版プログラムだけでなく、
それとよく似た殺し合いの参加者も集められていると暫定的に推測しています。
仮面ライダーへの変身の仕方を理解しました。
カードの使い方も大体把握しました。
覚醒した杉村は空気を読むことで周囲100mの状態を把握することができます。
参戦時期:琴弾と合流後、桐山襲撃直後
【ミツル@ブレイブ・ストーリー~新説~】
[状態]:『健康』
[装備]:ミツルの杖@ブレイブ・ストーリー~新説~、
仮面ライダーファム(デウス因子吸収による存在変容)@仮面ライダー龍騎
[道具]:基本支給品、不明支給品×1、BIM(爆縮型)@BTOOOM (7/8)
不明支給品×2~4(ゼオン、三村(武器ではない)、不明支給品(ノールの)、
チャンの首輪、ノールの首輪、ゼオンの首輪、BIM(クラッカー型)×5@BTOOOM!、
[思考・状況]
基本行動方針:妹を生き返らせる。手段は選ばない
1:????
[備考]
参戦時期:ゾフィが虚になった後。
魔法を使うと体力消耗。
※未来日記の世界についてある程度の情報を得ました。
※9thは危険だと認識しました。
雪輝、というよりも時空王に利用価値を見出しました。
※ミツルの目には女神像は由乃ではない姿に映りました。
※デウス因子を取り込んだ仮面ライダーファムはデッキを使用できません。
※仮面ライダーファム(デウス仕様)の性能:限りなく全能なるゲーティーグ“だった”。
【レオナルド・エディアール@WaqWaq ワークワーク】
[状態]:『健康』
[装備]:アシャ@WaqWaq ワークワーク、
[道具]:基本支給品一式
[思考・状況]
基本行動方針:自分で在り続けるために走り続ける。
1:????
※由乃の返り血を浴びています。
|[[HAPPY END’s FRAGMENTS]]|投下順|[[お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ!]]|
|[[HAPPY END’s FRAGMENTS]]|時系列順|[[お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ!]]|
|[[僕達は強がって笑う弱虫なのさ]]|キャンチョメ|[[鉄の少年、その終焉]]|
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