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澪「妹の観察日記」1」(2011/01/18 (火) 04:10:04) の最新版変更点

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日記 ×月×日 パパとママが私を置いて海外旅行に行った。 私も行きたかったのに、学校があるからと言う理由で拒否された。 本当の理由はわかってる。新婚気分に浸りたいだけなんだ。 大人はずるい。身勝手だ。 私だって海外に行きたい。私だって一人は怖い。 日記 ×月×日 唯のうちに泊まることにした。 なんでも憂ちゃんが家出したらしい。 唯を一人にしておくと不安だし、私だって好き勝手にする権利がある。 ちなみに家出の理由を聞いたら、「憂が私のスイカバー食べたからケンカになった」と言っていた。 この姉妹はなかなかに過激だ。 日記 ×月×日 律が弟を自慢してきた。悔しい。 私だって好き好んで一人っ子に生まれてきたわけじゃない。 というわけで、唯に妹になってもらうことにした。 私だってしっかり者のお姉さんを演じてみたい。 ちなみに梓が妹になりたがってたけど、つまらなそうだから断った。 日記 ×月×日 唯がなかなか私のことをお姉ちゃんと呼んでくれない。 何度訂正しても、顔を赤くしてそっぽを向いてしまう。 やっぱり同級生を姉と呼ぶのは気恥ずかしいらしい。 試しに「姉たん」と呼ばせてみた。 二人で床の上を転げ回ってしまった。 日記 ×月×日 今日は二人で学校に遅刻した。 私が寝坊したのも悪いけど、唯がなかなか起きないのも悪い。 一番悪いのは平沢家のベッドだ。フカフカしすぎだ。 遅い朝食を二人でいっしょに教室で食べた。 唯はパンにジャムを塗りすぎだと思う。 日記 ×月×日 今日は初めて平沢家で晩ご飯を作った。 と言っても、カレーと簡単なサラダだけだ。 唯に野菜を切ってもらったけど、すぐに挫折してしまった。 しょうがないから、床の上をコロコロ転がっててもらった。 タマネギを刻ませるんじゃなかった。 日記 ×月×日 今日の朝食は夕べの残りのカレー。 やっぱり一晩寝かせたカレーはおいしい。 ひとつ嬉しいことがあった。唯が「お姉ちゃんが作ったカレーおいしい」と言ってくれた。 初めて自然に「お姉ちゃん」と呼ばれた。 気恥ずかしくて床の上を二人で転がってしまった。 日記 ×月×日 今日は軽音部の練習で帰りが遅くなった。 遅くなったついでに、唯と二人でゲームセンターに遊びに行った。 パパもママも自分勝手なんだ。私だって悪いことがしたい。 格ゲーで唯に見事に惨敗した。 悪いことは難しい。 日記 ×月×日 うっかりテレビで怖い番組を見てしまった。 タモリは大嫌いだ。 一人で寝れなくなって、唯の部屋に布団を敷いて寝た。 唯は私のことをからかわなかった。ただ一言「いいよ」と言ってくれた。 私の妹の笑顔は優しい。 日記 ×月×日 最近はどうしても朝早くに目が覚めてしまう。 やっぱり私がしっかりしないといけないから。 でも朝ご飯がとてもおいしく感じる。早起きは三文の得だ。 今日は唯が朝ご飯を作る手伝いをしてくれた。 唯の入れたインスタントのお味噌汁はおいしい。 日記 ×月×日 今日は初めて唯といっしょにお風呂に入った。 真っ赤になって逃げる唯を追いかけたからとても疲れた。 あんなに意識されたら、こっちも恥ずかしくなってしまう。 髪を洗ってやっている間、唯はずっと目をつむっていた。 お湯をかけたら、「んー」と言った。 日記 ×月×日 唯の耳そうじをした。 くすぐったがって暴れるから、鼓膜を破らないかすごくヒヤヒヤした。 唯の耳はすごくプニプニしてた。 でも何より嬉しかったのは、唯に初めて膝枕したこと。 「お姉ちゃんのお膝はあったかいね」って言われた。床の上をコロコロしたのは言うまでもない。 日記 ×月×日 唯とケンカした。 原因はテレビの取り合い。 唯に「お姉ちゃんなんか大嫌い」って言われた。 でもしばらくしたら部屋に入ってきて、「お姉ちゃん、ごめんね」と小さな声で謝った。 唯の目は涙でいっぱいだった。それで私も泣きそうになってしまった。 日記 ×月×日 唯といっしょにアイスクリーム屋に行った。 行く前から大はしゃぎしてた。私の妹は本当にアイスが好きだ。 でもあんまりはしゃぎすぎて、アイスを落っことしてしまった。 お店の前で泣き出しそうになったから、新しいのを買ってあげた。 お財布が軽くなった。反対に私の気分は重くなった。 日記 ×月×日 唯といっしょに勉強をした。 居眠りしてたから、ほっぺを引っ張って起こそうとした。 唯のほっぺはスベスベで気持ちいい。 それで病みつきになってたくさん引っ張ったら、寝ぼけた唯に反撃された。 まだほっぺがヒリヒリする。 日記 ×月×日 久しぶりに唯のギターの練習につきあった。 唯は一年前とは比べものにならないくらいうまくなっていた。 とても嬉しかったけど、なぜか少し寂しかった。 いつからだろう。唯との付き合いが薄れてしまったのは。 私はいつまで「頼りになるお姉ちゃん」でいられるのかな。 日記 ×月×日 今日は唯の家の大掃除をした。 戸棚の整理をしてたら、平沢家のアルバムが出てきた。 妹の幼い頃の姿がたくさん楽しめた。 幼い憂ちゃんや和はかわいかった。唯のご両親は美男美女だった。 私の居場所はどこにもなかった。 日記 ×月×日 二人で水族館に行ってきた。 唯があちこち駆け回るから、後を追うのが大変だった。 一通り見て回ってから、海に行った。 妹は海を見ながら、「ずっとずっと、お姉ちゃんの妹でいたいな」と言った。 私は何も言うことができなかった。 日記 ×月×日 憂ちゃんが明日帰ってくるらしい。 最後の夜なので、唯といっしょのベッドで寝た。 唯が布団の中で「お姉ちゃんがいなくなるのは嫌だ」と言って泣いた。 私は、「わがまま言うな」と妹を叱った。 唯は本当の姉妹を大切にするべきだ。そしてそれは私じゃない。 日記 ×月×日 我が家に帰った。 私は一人でご飯を食べ、一人でお風呂に入り、一人で寝た。 唯は今頃、憂ちゃんとの再開を喜んでいるのだろう。 それでいいんだ。それが正しいんだ。だから私は泣かなくていいんだ。 なのに、なんで涙が止まらないんだろう。私のバカ。 日記 ×月×日 パパとママが帰ってきた。 お土産をたくさん買ってきてくれた。高級レストランにも連れていってくれた。 フカヒレのスープはなかなかにおいしかった。 でも、できるならインスタントのお味噌汁が飲みたかったな。 理由はわからないけど。 日記 ×月×日 パパもママも優しくしてくれる。今までの埋め合わせのつもりなのだろう。 でも、最近何をやっても面白くない。 勉強に身が入らない。軽音部の練習に顔を出す気にもならない。 もう、日記を書くのも止めようかな。 つまんない。 日記 ×月×日 唯から電話が来た。かつての妹は、両親がいなくて寂しいと言っていた。 そう、唯の両親は仕事であちこちに飛び回っているんだ。私の家とは違うんだ。 私はなんて身勝手なんだろう。 休みの日に、どうしても会いに来てほしいと言っていた。 私はもちろん行くことにした。 日記 ×月×日 唯は嘘をついていた。 一時的とは言え、両親は帰宅していた。後できっちり叱ってやらなくちゃ。 ずっといっしょの大好きな妹と、もう一人の新しい妹が声を合わせて言ってくれた。 「お帰りなさい、お姉ちゃん!」 「…ただいま」 終わり [[戻る>http://www43.atwiki.jp/moemoequn/pages/69.html]]

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