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「ここまで、来たのか」

 目の前に、見覚えのある白い影があった。
 AEコアユニットを守るようにして浮かぶその姿は、紛れも無く先行型のブリュンヒルデの姿だった。

「ブリュンヒルデ!?」
「この世界を想うなら……」

 ブリュンヒルデが白く輝くブレードを展開する。
 何故先行して攻撃を行った末に連絡を絶った、もう死んだと思っていた彼女が目の前にいて、ヤツを守ろうとする?

「わけがわからないよ、ヒルデ姉っ! なんでそこにいるんだよ。一緒にあいつを倒して、みんなを守ろう!」
「人類を守りたいのなら……」

 ブリュンヒルデが間合いを詰める。
 私は最後に残った武器の一つであるブレードを展開してそれを受ける。

「一体何をっ!?」

 狼狽する私へと、ブリュンヒルデがハッキリと告げた。

「この私の手にかかって……死ね!」

 ブリュンヒルデの全身が発光し、吹き飛ばされた。
 フラッシュドライヴに入った!?
 全然わけがわからなかったけど、ここまで来て引く訳には行かなかった。
 覚悟を決めてジェネレーターの出力を高め、こちらもフラッシュドライヴへと入る。

 それは戦乙女同士の、殺し合いの始まりだった。
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「これが、途中で力尽きた私と、ここまで自力で辿り着く事のできたあなたの力の差なのね」
「ヒルデ姉……」
「聞いて、スクルド」
「私たちの胸にある第三世代型のエーテルジェネレータはね、無限の力を生み出しているわけじゃない」
「え?」
「世界の存在や因果、そういったものを喰らう事によって、力へと換えているの」
「それは一体……どういうこと?」
「3rdAGを持ったわたし達が存在しているだけで、どこかの世界が崩壊していく。AEは3rdAGによって滅んだ世界が残した、いわば監視者。3rdAGによって全ての世界が破壊される前に3rdAGを止める為に存在しているのよ」
「それじゃ……私たちのしている事って……」
「壮大な茶番ね……」
「そんな……」
「コアを……」
「えっ」
「コアを破壊すれば、今この世界に展開しているAE達は活動を停止するわ。そうすれば少なくとも今の地球の人類は救われる」
「ヒルデ姉」
「わたしは、もう……」
「ヒルデ姉っ!」
「さよなら、スクルド。願わくば、あなたに幸運を……」
「ヒルデねええええええええええええええ!!!!!!」

 私は、最後の武器である自分の命、AGを使ったコアの破壊を選択した。
 どの道、限界を超えたフラッシュドライヴのせいで、私のフレームはこれ以上の動作に耐えられそうになく、AGも臨界状態を保ったまま出力を落とす事ができなくなっていた。
 この先に待っているのが終わりだけで、この身この命この存在そのものが罪ならば、初志を貫徹すべきだと、そう思った。
 メモリーコアをパージ。
 届くかどうかなんてわからない想いを虚空へと放ち、コアへとダイブ。
 最終防衛システムが起動し、弾幕に晒される。
 オーバードライヴが施され、体感速度が光速の100%を超える砲撃を、更に上を行くフラッシュドライヴで回避しながらコアへと取り付く。
 フラッシュドライヴの時間加圧を更に上げていく。
 恐ろしく長い孤独だった。
 様々な記憶が流れては消えていく。
 世界の始まりから終わりまでよりも長い時間を何度も過ごした。
 垣間見たその世界の夢の中で、私たちの同系機が仲良く姉妹で暮らしていたりした。
 いや、もしかしたら彼女達の見た悪夢こそがわたしという存在なのかも知れない。
 そして、いつしか終わり来た。
 AEのコアは私と共に砕け散り、全てのAE兵器群は活動を停止した。
 人類は、救われたのだ。
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