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雪原の祝福



ドラゴンは怪異の王。
幻想の王、魔界の王はべつにいるとしても。
怪異の王の称号を種族単位で
冠するに至るのは古今東西ドラゴンしかいない。

ドラゴンをその地位に押し上げたのは
ドラゴンには如何なる刃も魔法も通らないことから。

体を覆う鱗は絶対的な防御力を持ち。
故に巨体とともに突進されるだけで
あらゆる砲弾を超える破壊力を産み出す。

それがドラゴン。弱点は存在しない。

大海原、ではなく大空。
だが背に乗って攻撃を繰り出している者に
してみれば大差はないだろう。

泳ぐように体をうねらせ
水中であるかのような空気の抵抗感を感じる。

「マルコ、もう少し左に誘導して!」

「あいよ!」

雪原、大地を埋め尽くす雪、水の塊。
這わせておいた根が養分に急成長を遂げ、
大樹の先端が銀嶺の右顎を打ち抜いた。

大きく揺れた銀嶺、
その上に乗っているマルコは大きくぐらついた。
それはつまり銀嶺が攻撃によって衝撃を受けたということ。

「やったぞ真紅!」

二人の間の距離はおよそ500mほど離れ。
生半可な声量ではたちまち空気の音と銀嶺の鳴き声に掻き消されてしまう。
直接、声が振動として伝わるように、
簡易糸電話をアムルタートで作り、使用している。

真紅が展開していたのは
雪原の雪を使用し、細く鋭く張り巡らせた水刃の網。
真正面から衝突して肉塊にならない生き物はいない。

銀嶺が頭から網にぶつかり、大きく撓む。
振動で上へと跳ね上がるのを堪え、
マルコは攻撃の結果を見極めようと目を凝らす。

網の大きさは50mプールくらい。
水の刃は粘つき、刻みつき、
銀嶺の皮膚に大きく食い込む。

困惑の声をあげながらも
銀嶺は前に進もうともがき続け。

ついには抜けだした。
鱗を突き抜けることなく無傷で。

「やっぱ無理か。
 どうしたもんかねえ」

「…………予想しなかったわけではないけれど……」

「さすがにへこんだか?」

「……見くびらないでちょうだい。
 まだまだこれからよ」

「そいつはけっこう」

真紅から声の底に潜む落胆には敢えて触れず。
マルコは軽快に励まして、
これ見よがしに両の拳を打ちあわせる。

次の手を思案するマルコ。
トレードマークのリーゼントは
この豪風でも乱れず屹立している。

視界に否が応にも入るのは地図には表示されていない
場所から侵食してくる漆黒の闇。

目に入るだけでも精神が削れていく一面の黒は
今やマルコと金糸雀がいたクリスタルパレスにまで領土を広げていた。

「あれがデウスの言ってた因果律の崩壊か?」

あれが何なのか。
マルコの性格的に追求する気はあまり起きなかったが
気になるのは正体、原因ではなくその性質。

「…………マルコ」

「わかってるって。
 俺も死ぬ気はねえよ」

生き物としての直感でわかる。
あそこに引きずりこまれたら生きては出られない。

「これもあまりやりたくなかったんだけどなあ」

ぽりぽりと緊張感なく頭を掻いたマルコは独りごちる。

「何か考えがあるのね?」

「まあな」

真紅に策を話している間にも
銀嶺は空を駆けまわり
真紅とマルコを振り落とそうとする。

今はちょうど逆さになったところであり。
地面が空となっている。

「…………意外と私頼みの作戦なのね」

「俺一人で殺るわけねえだろ。
 てめえの500倍のナリしてる奴とタイマンなんてよ」

「それもそうね」

「だろ」

軽口を叩きながらの会話。
納得した真紅は逆さまになった体勢から
地面へと昇っていき、
途中でくるりと翻り鮮やかに着地する。

雪に刻まれるのは小さな足あと。
場所はちょうど4つのエリアの中心。

真紅が降りたのを
マルコは銀嶺に這わせた根から伝わる振動で知った。
根に足を絡ませることで落下の事態を防いでいた。

その根に手を這わせ、そこから伝わる振動に意識を集中する。

頭の付け根。
普通ならば最も手の届かない位置。
そこに攻撃を加えるのならば当然に。

口を塞いでいた糸電話、ガスマスクへとマルコは怒鳴った。

「来たぞ真紅!!」

同時にマルコの頭上に巨大な影が差す。
空気が悲鳴に砕け散り。
物々しい質量の物体がマルコへと迫りくる。

それは尾。
銀嶺の頭から最も遠くにある体の一部。
1000mにも渡って根を広げていた
マルコには咄嗟に防ぐ手段がない。

しかしその一撃を透き通った槌が
軌道をわずかに横へと逸らした。

その槌は桜見タワーよりも大きく。
ガラスで出来ているかの如く中で陽光が反射する。
それは雪を、このエリア中の雪をかき集めて作った水の塊。
広大なる海を練り、捏ね上げた芸術品。

槌が尾を逸らす。
ぐるり、ぐるりと旋回し。
柄にそっと触れている真紅の掌を支点に回転する。

真紅が舞う。
真紅が舞おうと飛び上がった空中で駆ける。

「あなた」

銀嶺の尾にかかるたしかな圧力。
ぎりぎりとかかる重さが
マルコを襲おうとかけられた力とともに
銀嶺の首筋にのしかかる。

「ここで」

しかし、銀嶺はドラゴン。
何者をも通すことのない鱗。
たとえそれが己の刃であろうとも。
最強の盾が本質であるがゆえに己すら跳ね返す。

けれど、真紅の狙う一撃はそれではなく。

槌、両刃のハルバード。
片方が押し潰そうとするならば、
もう片方が自然と空く。

空を更に覆う黒雲があった。
銀嶺を呑み込むほどの大きさの影が差す。
銀嶺の眼球が異変を察知してせわしなく動きまわる。

その正体は槍、突撃する槍。
大樹の頂点が槍となって銀嶺へと振り下ろされる。

根は先ほどまで雪を降らせていた雲にしかりと根ざし。
雲に蓄えられた水分を存分に吸い上げて地上へと育つ。

空から生える大樹。
槌へと触れ、さらに槌の水をも養分に槌の中を突き進み。
ついには尾に触れ、ドラゴンの首筋へと負荷をかける。

「終わっちまえよ」

鱗が砕け、銀嶺の皮膚を突き破る。

素早く首筋へと駆け戻った
マルコは僅かに覗いた傷口へと腕を突っ込み。

体内に直接木々を無限に生やし、蹂躙する。

内側を喰われるという未知の感覚、苦痛に
銀嶺はたまらず恐怖の声を挙げてのたうち回る。

体内を守ることはできなかったのか呆気無いほどにやすやすと
樹々が生え、成長のための養分に臓器を喰べ、呑み干す。

樹々は銀嶺の体からは出てこない。
鱗が皮膚を突き破った樹々の成長を邪魔し。
行き場を失った樹々は
体内へと引き返し出口を求め走り回る。

もはや銀嶺に生き延びる道はない。

「……やったか」

「早くカズオのところに戻りましょうマルコ」

「いや」

銀嶺に直接腕を刺しているマルコは小さく首を振って
眼瞼を閉じた。

「わりぃ、ドジッちまった」

その呟きが誰へのものか。
マルコ自身、わからない。

誤算は銀嶺に知能と呼べるものがあったこと。
状況を把握する能力があったことだろう。

悲鳴のような口蓋よりも奥底から発せられる声とともに
銀嶺は一直線にある場所を目指す。

そこは闇、漆黒のオニキスのような深みと密度をもった世界。

マルコの腕を最期の力を振り絞って
逃すまいと締めあげた銀嶺は
もろとも闇へと飛び込もうとする。

力を使い果たした
マルコに腕を斬っても生き延びられる余力はない。

巨体を震わせ真っ直ぐに闇へと突き進む銀嶺。

ついに頭が闇へと呑まれ、闇自身にも意志があるのか。
呑み込む速さがさらに上がる。

マルコの目に映るのは一面の闇。

――チリン

だがマルコの耳にたしかに飛び込んだ音が
あるはずのない光を反射し、存在を主張する。

「路線変更だ」

笑みを浮かべたマルコは二つの指輪に蔓の糸を通し。
一つの首飾りに仕立て上げた。

片方の掌でそれを転がした
マルコは覚悟を決めて見えない空を背に頭を垂れる。

「愛の永遠を証明してやるよ、ブック」

最期の言葉とともに。

「引き継ぎだ、アムルタート」

彼の体は喰われた。



【マルコ 死亡確認】
【残り18名】



――くすくす――


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真紅 花弁も遺すことなく







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