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唯「澪ちゃん、待って」1

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moemoequn

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澪「ん?」

唯「一緒に帰ろ」

澪「あれ、だけど唯こっちじゃないだろ。帰り道反対になるぞ」

唯「いいのいいのっ。ほら、行こうよ澪ちゃん」グイグイ

澪「ああ、わかった。わかったからそんなに引っ張るな」



唯「ふぃ~、すっかり寒くなりましたなあ」

澪「そうだな」

唯「冬は指がかじかんで、弦押さえにくいよねー」

澪「お、ちゃんと練習してるんだな」

唯「もちろんであります」フンス

澪「だけど本当に上手くなったな。初めはどうなることかと思ったけど」

唯「そんなー、褒めても何も出ないですぞ」テレテレ




澪「あ、ここでいいよ」

唯「うん、わかった」

澪「付き合わせて悪かったな」

唯「一緒に帰ろうって誘ったの私だよ、澪ちゃんが謝ることないよ。それに…澪ちゃんと帰るの初めてだったから、楽しかったもん!」

澪「唯…」

唯「じゃあまた明日ね、澪ちゃん!」

澪「ああ、また明日な。気をつけて帰れよ」

唯「うんっ!」



澪(唯の奴、ちゃんと帰れたかな。結構暗くなってたけど…)

澪(だけどどうして今日に限って一緒に帰ろうなんて言い出したんだ?)

澪(もしかして何か大事な話でもあったのかな…聞いてやればよかった)

澪(メール…してみようかな。いや、また明日直接聞けばいいだろ)

澪(そうだ、明日も一緒に帰ればいいんだ。今度は私が唯を送ろう)

澪(それより…お腹空いたな。今日はパパもママも仕事で遅くなるって言ってたし…コンビニにでも行くか)




澪(んー、おにぎりもいいけどパスタも捨てがたい。パンはどうだ…あ、焼そばパンがある。これでいいや)

店員「いらっしゃいませー」

澪(この時間になるとお客さんも少ないな…って、あれ?)

澪「唯?!」

唯「あ、澪ちゃん」

澪「まだ帰ってなかったのか?」

唯「えへへ、アイスにつられてふらりと寄ってしまいましたー」

澪「お前は小学生か!」




店員「あの、すみません…お会計130円になります」

澪「あ、すみません…」

店員「はい、ちょうどお預かりしまーす…」

澪「唯はまだここにいるのか?」

唯「うーん、じゃあ澪ちゃんと一緒に出ようかな」

澪「アイス、買わなくていいのか」

唯「うん。やっぱいいや」

店員「ありがとうございましたー…(何だったんだ、あの子)」



唯「夜の公園ってちょっと怖いね」

澪「や、やめてくれ…」

唯「大丈夫だよ澪ちゃん、私がいるよ!」フンス

澪「唯じゃなあ…」ジトー

唯「ええ、澪ちゃんひどいよー!」




唯「澪ちゃんって焼そばパン好きだよね」

澪「そうか?」

唯「前も食べてたよー」

澪「ああ、そういえばそうだな。唯は何か好きな食べ物ないのか…ってアイスだよな」


澪「それよりさ、一つ聞きたいことがあったんだ」

唯「何?」

澪「今日の帰り、どうして私を誘ったんだ?」

唯「どうして、って?」

澪「何か話があったのかなと思ってさ…少し気になって」


唯「あ、あのね…」

澪「ん?」

唯「や、やっぱりいいや!何でもない!」




澪「そんなに隠されるとますます気になるよ」

唯「ほ、ほんとに何でもないからっ」

澪「まあ…そうだな、無理矢理聞くのは良くないし、唯が話す気になったら教えてくれ。悩み事ならいつでも聞くぞ?」

唯「澪ちゃん…ありがとう」


澪「もうすっかり冷え込んできたな。そろそろ帰るか」

唯「…澪ちゃん!」

澪「な、何だよ、びっくりした」

唯「あ、あのね…お願いしたいことが」

澪「ん、何だ?」

唯「手…繋いでもいい?」




澪「えっ、急にどうしたんだ。まあ、構わないけど」

唯「えへへ。ありがとう」ギュ

澪「冷たっ…どうしたんだ唯、いつもしてる手袋は?」

唯「さっきのコンビニ来る途中で失くしちゃったみたい…でも、澪ちゃんの手、あったかいね」

澪「そうか?なら良かった――」

唯「澪ちゃん、待って!」グイッ


パパーッ


澪「び、びっくりした…」

唯「危なかったね」

澪「この公園出るとすぐ車道なんだな…、ありがとう唯、助かったよ」

唯「どういたしまして」フンス

澪「手、繋いでたおかげかもな」

唯「えへへ。そうだね」




唯「あ、ここでいいよ」

澪「え、でも…」

唯「大丈夫だよー、一人で帰れるよお」

澪「ははっ、そっか。わかった」

唯「澪ちゃん、付き合ってくれてありがとうね」

澪「それはこっちの台詞だ。何だか今日は唯とよく喋ったなー」

唯「えへへ、こんなに話したの初めてだね」

澪「本当だな」


澪「じゃあまた明日な、気をつけて帰れよ」

唯「明日…、うん。また明日ね」

唯「澪ちゃんもね!もう飛び出しちゃだめだよ」

澪「はは、わかったよ。おやすみ」

唯「おやすみ――」


――ありがとう、澪ちゃん




澪(ん?何か言ったか?あれ、もういなくなってる)

澪(何だ、気のせいか…それにしても帰るの早いな、唯は)



澪(夜道って暗い…ちょっと怖くなってきた…、赤いランプが毒毒しい)

澪(ん?手袋が落ちてる)

澪(どっかで見たことあるような…、あ!これ唯のだ。来たとき落としたのかな)

澪(仕方ない。明日にでも届けてやろう)



澪(あーだけど心配だな、ちゃんと家まで帰れたのか?やっぱり送ってやればよかった)

澪(メールしとこう)

『ちゃんと帰れたか?よかったら明日は私が家まで送るよ』

澪(送信…っと)




澪(ふぅ…風呂に浸かってたらもうこんな時間だ)

澪(そろそろ唯から返信来てるかな…あれ?)

澪(不在着信が5件も入ってる)

澪(律にムギ…さわ子先生まで?)

澪(どうせまたロクでもない話だったら承知しないぞ)

澪(とりあえず留守電聞いてみるか…)




――澪!唯が…

澪(え?何かの冗談だろ…律のヤツ…不謹慎だな)

――澪ちゃん、唯ちゃんが…

――唯ちゃんが…

――唯が…

澪(…え、うそ…嘘だろっ…!)

澪(嘘だ…嘘だ、やめてくれ…!)

澪(唯…!)




――――――――――

店員「あの、すみません…お会計130円になります」

澪「あ、すみません…」

店員「はい、ちょうどお預かりしまーす…」

澪「唯はまだここにいるのか?」

唯「うーん、じゃあ澪ちゃんと一緒に出ようかな」

澪「アイス、買わなくていいのか」

唯「うん。やっぱいいや」

店員「ありがとうございましたー…(何だったんだ、あの子)」



店員(誰と話してたんだ?)



END


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