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律「何やってんだ澪」

澪「雪だるまってる」

律「何でだよ」

澪「分からない、どうしてだろう」

律「私もわからん」



律「寒くないか?」

澪「いや、大して寒くない」

律「そうか」

澪「むしろ顔だけ野ざらしだから寒い」

律「じゃあ顔も雪で覆えばいいじゃん」

澪「そうしたらそれはもはや私じゃない」

律「そうか」



律「で、いつまでそうしてるんだ?」

澪「春になるまで……かな?」

律「長いな」

澪「と言っても立春は超えてるんだけどな」

律「じゃあもういいだろ」

澪「いや、もうちょっと……雪解けまで我慢してくれ」

律「我慢するのはお前じゃないのか?」



律「で」

澪「?」ゾゾゾ

律「移動できるんかい!」ボスッ

澪「雪バリアー」ポフッ

律「ぎゃあ! 冷たい!」

澪「へへーん」

律「……ったく、移動できるんなら室内に行こうぜ、寒いだろ」

澪「室内に行くと融けちゃうからダメなんだ」

律「いや、融かそうぜ」



澪「律は酷い事を言う」

律「どれだよ」

澪「律は私が融けても何も感じないって言うのか」

律「いや、融けたら元の澪に戻るだろ?」

澪「……」

律「え……?」

澪「……ソ、ソウダヨ!」ニコォ

律「嘘だ、嘘をついてる顔だ」



澪「つまり」

律「澪は雪だるまになったから、融けたら死んでしまう」

澪「と言うわけだ」

律「何か不服だ」

澪「だから融かさないでね」

律「どこまでが本当なのかさっぱり」

澪「全部本当だよ」



唯「あ、りっちゃんと……澪ちゃん!?」

律「おっす唯」

澪「唯、実は私……」

唯「大変! 澪ちゃん、今助けるよ!」ザクザク

律「おいやめろ!」

澪「あ、ゆ、唯……そこは……ダメ……」

律「お前もエロい声出すな」ボスッ

澪「雪バリアー」ポフッ

律「冷たっ!」



唯「ど、どういうこと……?」

律「見事に開通したな」

澪「エロいこと言うな」

律「いや、現状を正確に表現しただけだぞ」

唯「これってマジックだよね!? タネも仕掛けもあるんだよね!?」

澪「ないんだな、それが」

唯「そんな……そんな……」

律「埋めとくぞ」ウメウメ

澪「すまんな」



律「じゃあな澪、また明日」

澪「明日は吹雪くといいな」

律「私は嫌だよ」

律「ほら唯も」

唯「うっ……ぐすっ……」

澪「唯、大丈夫だ、私が雪だるまっただけじゃないか」

唯「……」

澪「ほらほら、いつまでも泣いてないで」ナデナデ

唯「……冷たい」



澪「ヒマだなぁ」

澪「ベース置いて来ちゃったし」

澪「ぶぶんぶんぶんぶん♪」

澪「ヒマだなぁ」

梓「澪先輩!」

澪「あ、梓」

梓「本当に雪だるまなんですね」

澪「ああ、律に聞いたのか?」

梓「はい、今さっき」



律「どうだ、見事な雪だるまだろ」

梓「はい、交じりっけない真っ白な雪でできてます」

澪「恥ずかしい」

梓「あ、ごめんなさい」

澪「恥ずかしさでちょっと融けちゃった」

律「今日は暑いしな」

梓「大丈夫ですか?」

澪「ヤバくなったら転がってそこら中の雪をかき集めるさ」

律「シュールだな」



律「そういえば」

澪「なんだ? お腹でも壊したか?」

律「何でだよ……ムギがな、卒業旅行しないかって言っててさ」

澪「卒業旅行?」

梓「私はぼっちですか?」

律「いや、梓もついてこいよ」

律「……で、どこ行こうかって話してたんだけど」

澪「ハワイが良い」

律「融けるだろ」

澪「ふふ、冗談だよ」



律「で、澪のためにスキーか何かへ行こうかなって」

澪「寒そう」

律「お前は大丈夫だろ」

梓「私寒いの苦手です」

律「お前のことは聞いてない」

澪「でもタイミングを間違ったら大変だったな」

律「?」

澪「受験生に滑るはご法度だろ」

律「ああ、そう言う意味か」



律「じゃあまたな」

澪「……ありがとう」

律「ん?」

澪「いや、こ、こんぺいとうみたいな雪だなって!」

律「そうかなぁ」

梓「さようなら」

澪「あ、ちょっと待って」

律「何だ?」

澪「次来る時はベース持ってきて、一人だとヒマなんだ」

律「なるほど、じゃあ持ってくるよ」

澪「ありがとうな」



澪「ぶぶんぶんぶんぶん♪」

紬「澪ちゃんいる?」

澪「おおムギ久しぶり」

紬「りっちゃんから聞いてるわよ、大変そうね」

澪「いや、慣れれば大したことないよ」

紬「それよりさっき口ずさんでたのはベース?」

澪「聞いてたのか」

紬「うふふ♪」



紬「はい、ベースよ」

澪「あ、ありがとう」

紬「りっちゃんがこれ持ってけって」

澪「あ、その……律は?」

紬「風邪引いちゃったらしいわ」

澪「……」

紬「澪ちゃんのせいじゃないわよ」

澪「ごめんな、気を遣わせて」



紬「……卒業旅行だけど」

澪「ああ、スキーだっけ」

紬「うん、別荘の手配もできたし、そこまで澪ちゃんを運んであげるわよ」

澪「ありがとう、ムギには世話になってばっかりだ」

紬「いいのよ、世話を焼くのも私の趣味だから」

澪「変わってるよな」

紬「そうかしら?」

澪「ああ、ムギはすごく優しくて素敵だ」

紬「うふふ、そんなこと言ってりっちゃんが嫉妬しないかしら♪」

澪「それはないない」

紬「あらそう?」

澪(あいつは鈍感だからなぁ……)



紬「じゃあ私はこれで」

澪「うん、またな」

紬「あ、忘れるところだった!」

澪「?」

紬「はい、イチゴショート」

澪「真っ白で赤いのがぽつんとしてて……雪だるまみたいだな」

紬「食べられる?」

澪「うん、ありがとう、後で食べるよ」

紬「じゃあね」

澪「……」



澪「今日は吹雪か」

澪「寒くて気持ちいいな」

澪「でもヒマだなぁ」

澪「ベース弾こうか」

澪「……」

澪「ケーキ」

澪「……」



澪「ポツリ心コロリ恋ぬけがら~♪」

律「おう澪、久しぶり!」

澪「おお律、風邪治ったのか」

律「ああ、おかげさまでな」

澪「何がおかげさまなのやら」

律「それより、ベースは?」

澪「ああ、ベースは……弾けなかった」

律「?」

澪「弦で指が裂けちゃうんだよな」

律「そうかー……」



澪「ところで、私は今日実に機嫌が良い」

律「昨日吹雪だったからか」

澪「うん、それと……」

律「それと?」

澪「いや、何も考えてなかった」

律「おいおい」

澪(本当は律が来てくれたからなんだけどね)

律「今恥ずかしいこと考えなかったか?」

澪「何言ってるんだ、殴るぞ?」

律「冷たいのは勘弁だ」



澪「そういえば旅行の件はどうなった?」

律「ああ、卒業式とかあるから早めがいいよな」

澪「というか早くしないと雪なくなるぞ」

律「……そうだな、早くしないとな」

澪「決まったら教えて」

律「ああ、必ずメール……はできないのか」

澪「うん、だから来て報告してくれ」

律「分かった、必ず言いにくるよ」

澪「……きっかけきっかけ」

律「ん?」

澪「ゆ、ゆきかけゆきかけ! 新しい技!」

律「意味分からん」



澪「キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI~♪」

律「おっす澪」

澪「ひゃう!」

律「何だよ変な声出して」

澪「キコエテナイキコエテナイ……」

律「歌の練習ぐらいで恥ずかしがるなよ」

澪「雪ぱーんち!」ポフッ

律「うわっ! 冷たっ!」



律「件のスキーだけど」

澪「うん」

律「今日行くことに決まりました」

澪「なんと唐突な!」

律「と言う訳でみなさんご入場~」

唯「久しぶり~」

梓「ご無沙汰です」

紬「準備はできてるわ」

憂「お姉ちゃんが心配で……」

和「唯が心配で……」

純「みんなが行くと言うので」

澪「後ろの動機がなんともいえない」



紬「じゃあ澪ちゃんはこのトラックに乗ってね」

澪「トラックの生もの運ぶところで搬送される経験なんてなかなかできないな」

律「一人で寂しいかもしれないけど、ちょっと我慢しろよ」

澪「そのくらい全然大丈夫だよ」

律「そうか、それは良かった」

唯「じゃあいこっか」

憂「うん!」

梓「では雪山で」


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