乗用車の運転手については一時、行方が分からなくなっていたが、運転していたとみられる男性が池の中から遺体で発見された。
ワゴン車は木村さんの父親の名義で、定員は7人だった。福岡市内にクリスマスイルミネーションを見に行く途中で、3人は「どのように車と衝突したか、分からない」と話しているという。
乗用車を運転していたとみられる太宰府市青葉台4、アルバイト秦(しん)智之さん(26)は、事故後、救助のために池に飛び込んだとの情報もある。
現場は片側2車線の信号がある交差点で見通しはよかった。乗用車の破損状況などから、県警は、直進するワゴン車と右側から来た乗用車が衝突、その弾みでワゴン車がガードパイプを突き破って約2メートル下の池に転落した可能性が高いとみており、速度や運転手が誰だったかなどを調べている。
池は農業用水として使用されており、水深は約2・5メートル。警察や消防のレスキュー隊が救助にあたり、ワゴン車は、3時間後にクレーン車で引き揚げられた。県警によると当時の水温は5度前後だったという。
県警は25日午後、池の水を抜き、遺留品の収集を行うとともに、他に事故に巻き込まれた通行人がいないかなどを調べる。
(2010年12月25日 読売新聞)
「泣き叫びながら子どもの名前を呼ぶ女性の声が忘れられない」
県道脇にある池付近から救助の様子を見守った近所の女性(23)は25日朝、前夜の事故を振り返った。
池の水面には、沈んだ車からもれたとみられる油や靴も浮かんでいた。
「人が落ちた」
現場近くのガソリンスタンドで洗車していた大学生今井勢也さん(21)が、乗用車をスタンド内に急停車させ、大声で叫ぶ男性に気づいたのは24日午後11時40分過ぎ。男性はワゴン車と衝突した乗用車に乗っていた同県太宰府市青葉台、アルバイト秦(しん)智之さん(26)とみられ、すぐに池に向かい、飛び込んだという。乗用車の後部座席には、プレゼントとみられる赤い包装紙の箱が紙袋に入って残されていた。
事故の約10分後には、筑紫野消防署の救助隊員が到着した。
救急救助係の本田豊章係長(37)と浦下和久主任(36)によると、水は冷たく、濁っていて車もほとんど見えなかった。
車は道路から5~6メートル先の池の底に沈んでいたため、車を道路側に引き寄せた後、隊員が池に入ったという。
ライトで照らしても水中は濁って見えず、手探り状態だった。
エアバッグが開いており、ハッチバックドアと後部座席のドアから救助を開始。
その後4人を救助。事故による外傷は見当たらなかったが、すでに意識はなかった。次々にロープで引き出され、毛布でくるんだ。
「これまでで一番冷たい水中での救助作業だった」と浦下主任は声を落とした。
(2010年12月25日 読売新聞)
(2010年12月25日 読売新聞)
最終更新:2011年01月20日 05:05